冒険者ギルド その6
視力が戻ってきたエマを促し勝利宣言をする。
エマに勝ち宣をお願いしたが渋られるので
両手用金鎚をゴンズの頭まで引き摺って行く。
ゴンズの頭を目掛け両手用金鎚を振り上げると
渋りながらも勝ち宣を上げてくれた。
しばらくするとユミルとジャガと数人がやってきた。
「こんなに早く魔道具を破壊する奴は初めてだ」
ユミルは面倒くさそうにやってきた。
「戦闘試験で切れてしまったのです」
大嘘ではあるし【看破】所有ちのユミルにはバレバレだけど
特に何も言ってこない。
事の経緯やミサンガが切れてから現在まで【アイテムボックス】を
利用した窃盗や万引きや犯罪を犯してないか事細かに聞かれた。
「このクソガキぃ」どうやらゴンズが目を覚ましたらしい。
激おこである。わたしはジャガの後ろに隠れる。
ゴンズは数人がかりで羽交い絞めされている。
なぜ怒っているのかてんで見当がつかない。
ミサンガの光による目潰しだって冒険者が盗賊に向かって
「目潰しなんて卑怯だぞ!正正堂堂勝負しろ!」
なんて言うわけがないし。
ましてや魔道具のミサンガは全員の目に触れていて隠してすらいない。
ゴンズが「いつでも良い」といい、わたしも「いつでも良い」
と言ったので戦闘試験はすでに始まっていたハズである。
わたしはエマに「始め!」と言ってくれとは言ったが
エマの「始め」が戦闘試験の開始の合図とは一言も言ってない。
みんなから胡乱気な目で見られているが全く思いつかない。
ハッ!と気づいた。
戦闘試験とはいえ本気で戦わなければならない。
それなのにわたしは致命傷になりかねない急所を敢えて外した。
わたしの細腕でも容易に破壊出来る眼球や睾丸を攻めなかったのだ。
その上、気絶後の脳天への一撃もエマが止めたとはいえ辞めてしまった。
盗賊や敵兵は気絶をした振りをして反撃の機会を窺っている可能性もある。
エマが勝ち宣を渋っていたのはそういう理由からだったのか。
ゴンズはわたしが手を抜いていたと思ったのだろう。
冒険者としてのプライド、自尊心を傷つけてしまったようだ。
...え?違うの?
みんながドン引きしている。解せぬ。




