告死人への罰
「昨日、俺のところに仕事の依頼が届いた」
「だが、その客は同級生、いや、クラスメイトだ。さすがにそれはあり得ないだろう」
「確かにあり得ませんね。それは」
聡の怒りに満ちた言葉を西園寺卓と名乗った男は簡単に受け流す。
「ですが、例外はあります」
「告死人に対して罰を与えるときです」
「何をやらかしたのかは知りませんが、私が知っているある人は家族の告死をおこなうように命じられました」
「まあ、あれに比べれば、クラスメイトは可愛いものでしょうが……」
「ちなみに、そのクラスメイトさんは、聡君の彼女ですか?」
「違う。というか、聡君はやめろ。気持ちが悪い」
「そう言われると、なおさらそう呼びたくなるのが、僕の性分なのですよ。聡君」
徐々にその本性を露わしてきたような卓の狡猾に関係を迫るような気持ちの悪い物言いに聡はあからさまに嫌悪感を見せつけるものの、それすら楽しみように卓はじっとりとした目で聡を眺めながら言葉を続ける。
「まあ、聡君ができないというのなら、僕が代わりに引き受けてやってもいいですよ。その仕事」
「もちろん対価はいただきますが」
「お断りだ」
「それともうひとつ」
「あんたは自死する者へ告死したことはあるか?」
「もちろん」
「感想を聞こうか?」
「素晴らしい体験でしたね。なんというか。このまま思い通りに死なせたくないと思いたくなるくらいに……」
そこまで言ったところで卓は薄い笑みを浮かべる。
「……なるほど。つまり、聡君の次の客は、自殺希望のクラスメイトということですか。それはなかなかの見ものですね」
「どうするのか。楽しみにしていますよ。聡君」




