弟
《黒渦》のアジトに入り、廃ビルの五階に着くと、二人の男がいた。リーダーと幹部と言ったところだろうか。幹部らしき男はこちらに気づいて驚いた顔をして言った。
「なんで警察が来るんだよ。説明しろ、クソ兄貴」
少し苛立った声色だった。それを宥めるようにリーダーらしき男が言う。
「まあまあ、落ち着けよ、岸田」
それを聞いて俺達は驚いた。
「岸田君、もしかして君の弟さん?」
俺が問うと、岸田君が答えた。
「そうだ。我が愚弟、岸田堕悪だ」
「あっはっはっ。なにその名前。超ダサい(笑)」
俺達はさすがに笑ってはいけないと思い、こらえていたのだが、結川さんOUT。
「テメェ、このクソ女!」
岸田(弟)がキレて襲いかかろうとしたその時、五人の男が俺達のいる部屋(結構広い)に入ってきた。ふと、窓の外を見ると廃ビルは何人ものヤンキーに囲まれていた。
「もしかして、はめられたのか?」
俺が言うと、リーダーらしき男が答える。
「岸田が言うには、俺達は今、2対304に内部分裂してるらしいんだわ。最近暴れすぎってことなら向こうのことだな。そこで提案なんだが、暴れてるヤンキーをおとなしくたいなら、内部分裂をどうにかするのを手伝ってくれねぇか?こっちの数少ないし、岸田が言うには向こう一人殺し屋を雇ってるみたいなんだよ。」
すると隊長が答える。
「見たところ、《黒渦》の中でも実力者二人が味方になるということみたいね。こちらとしても都合が良いわ。協力しましょう」
「ありがとよ。俺は《黒渦》のリーダー、印矢操。よろしくな」
そうして俺達の初任務が始まった。




