表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
美少年で人生やりなおそ  作者: うもうぶとん
幼少期編
3/73

本気

それから俺は本気を出した。



三歳の時点で既に読み書きはできていたが、周りにあわせて読めないフリをしていた。ごく普通の子でいようと思ったからである。

前世の記憶があるなんてことが悟られて気味悪がられて両親に捨てられてはたまらないし、せっかく生まれてきた子供が俺で申し訳ない気持ちもあった。


しかし、母がいなくなった今、父を支えて弟の面倒を見なければならないという使命感に満ちている。

五年とはいえ、一生懸命育ててくれ生んでくれた母親にせめて恩返ししなければ。


それからの俺はすごかった。

隠れて三歳のときから読んでいた魔法書の知識が役に立ち、八歳になる頃には高等魔法書を解説できるようになっていた。

その他にも、様々な専門書を読みあさり知識をつけた。大学受験できなかった悔しさをぶつけるように勉強に没頭した。


「おにいさま」

「どうした?ルー」

「ぼくもおべんきょうします」


自室で勉強していると、いつの間に入ってきたのか弟のルシアンが俺の服の裾を握っていた。

弟のルシアンは俺と違ってズルなしの天才だ。現在三歳だが、もう文字はほとんど読める。今は文字を書く練習中だ。

さらに、母のプラチナブロンドの髪に父のヘイゼルの瞳を受け継いだルシアンはどこからどう見ても天使だ。

俺の兄弟だなんて信じられ無いくらいに可愛い。神様ありがとう。


母の記憶が無いルシアンの世話はできる限り俺がやった。父は忙しくて家にいる時間が少ないし、野中みづきの時は両親が共働きでひとりっこだったので寂しい時間が多かった。

ルシアンにはそんな寂しい思いをさせたくない。

寝かしつけるのも、食事の手伝いも、入浴、着替え、勉強も俺がやった。愛情を注いだ甲斐もあって、ルシアンは優しく素直な子に育った。そんな弟がとても優秀で俺も鼻が高い。


「ルーは偉いな」

「えへへ」


ルシアンの頭をなでてやると、照れたようにはにかんだ。


(か、可愛い…!)


自分のことを絶対的に信頼してくれる存在というのはとても心が癒される。

ルシアンには俺が昔読んでいた入門の魔法書を与えている。ルシアンが勉強すると言い出してから分かりやすいようにと俺が使っていた書き込み付きの本を与えている。少しでもルシアンの助けになればと思い、一生懸命書き込んだ。

そのおかげかどうかは分からないが、ルシアンはめきめき実力を発揮している。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ