散る想い
「見ててくださいね。」
注がれる液体。
ストップストップ、熱いって。
テーブルでメイドさんに紅茶を注いでもらっていた。
メイドさんは透明なポットをわざわざ持ち上げている。
当然ながら高い位置からテーブルにあるカップへ注ぐものだからすごい勢いでお湯が飛び散っていく。
カップで待ち構えてる側は熱いわけ。
テーブルの上にもはねている。
「あと少しで終わりです。」
意見虚しくポットが空になるまでカップに注がれた。
カップを持つ手にはお湯の粒が残っている。
冷やすまではいかないか。
「それでは紅茶を準備しますね。」
そう言ってキッチンに向かうメイドさん。
この儀式は何だったのか。熱い思いまでしたのに。
「練習とカップを温めですよ。」
またもや練習台になってしまった。
ちなみに本番を観る機会は来ないらしい。
行く前から出禁になっている。
メイドさんは向かったキッチンで準備を進めている。
棚の瓶から紅茶のバッグ取り出してセットするとケトルからお湯を勢いよくポットに注ぐ。
「熱っ。」
大丈夫ですか!
今度は高い位置から注いではいないが、それでも多少は跳ねてしまったようた。
きれいな手に跡が残らないとよいが大丈夫だろうか。
注ぎ終わったところで彼女はキッチンで流水に手を当てている。
「どうしてくれるんですか。目が覚めましたよ。」
こちらを睨む彼女もなかなか可愛かった。
それにしてもなぜ怒られるのか。
というより次はしっかり覚醒した状態でお仕事をお願いしたい。




