お赤飯プリーズ!
タイトル、微妙でした。
……只今我が新しきクラスメイトの皆さんはさっきの衝撃的なラブ爆弾によって白目状態の私がただただ意識を飛ばしているだけだと気が付くと、今はそっとしておこうとばかりにそっちのけで盛り上がり始めてしまいました。
「え!?え!?なに!?宮緒、言われるまで自覚症状無かったんか!?」
「はあ。お恥ずかしながら今まで何方かを好きになるという経験が無かったもので、そこに繋がらなかったとでも言いますか……」
「えっ!?だって宮緒君、今は知らないけど前は彼女いたことあったよね?」
「あったあった!一個上の美人な先輩だったよな!?」
「え?一個下の可愛い感じの後輩じゃなかったっけ?」
「……皆さん、私の事なのに随分と詳しいですねぇ」
「そりゃあ、俺達みたいな年頃は人様の恋愛話は大好物だろ?ましてや宮緒だし、当時は盛り上がりまくったぜ」
「ましてやの意味が分かりませんが……」
皆さん、楽しそうです……。
目がキラキラしてます。
それにしても、蓮さん過去に少なくとも2人はお付き合いした方がいたんですね。
まだ、16年しか生きていないのに凄いです。
やっぱり、イケメンで紳士で何より執事さんと言うハイスペックな方ですから周りが放っておかないんですね。
ちなみに私は生まれてこのかた誰ともお付き合いした事は無いですよ!
……まあ、言うまでも無いんですけどね!
「だってさ、宮緒って冷たい訳じゃないけどあんま周りに興味とか無いじゃん?そんな宮緒が付き合う相手とか皆興味津々でも仕方無くね?」
「確かにね。宮緒君って人とか物に執着しないイメージあるものね。来るもの拒まず去るもの追わず、みたいなね。人当たりは良いし優しいけど、自分から積極的に人に関わるタイプじゃないって言うか……」
「まあ、否定はしませんけどね。昔からあまり人にも物にも興味が無かったのは本当ですし」
蓮さん、私の中では初対面の他人にでも積極的に親切にしてくださる方だったんですが、違ったんですね。
「でしょ~?だから、それだけに驚いたのよね〜。笹森さんに対しては宮緒くんの方から積極的にぐいぐい構ってたから!」
「だな。宮緒にあんな世話焼きの一面があるとは思わなかったわ。あー、浅見さんに対しては仕事だからというか、何と言うか別としてもだな、うん」
「浅見さんの事は別に考えないと!つまり、大事なのは宮緒くんが好き子にはあまあまな事でしょ!」
「さっきのセリフは凄かったよな〜」
「……ですね。自分でも知らなかった一面です。思わず思った事がそのままぽろりと出てしまいました」
皆さんの突っ込みに蓮さんは頭を掻いて照れくさそうにしていますし、蓮さんを見る皆さんの顔は微笑ましい物を見るような感じですし。
と言いますか、皆さんの園子お嬢様に対して微妙な感じじゃないですか?
とっても美少女で本物のお嬢様でしたけど、少しばかり(?)変わってましたからね。
それにしても、私も自分が関わっていないのならば、イケメンが好きな子の話でからかわれて照れている姿とか、どんなご褒美でしょうかね~等と微笑ましい気持ちで見ていられたんですけど、残念な事に自分が関わっているとなると一気に羞恥心と言いますか、居たたまれなさに襲われてしまうんですよ~!
「ん?それじゃあ宮緒って今までの彼女別に好きじゃなかったってこと?じゃあ何で付き合ってたの?」
「付き合っているうちにきっと自分の事を好きになるはずだから、取り合えず付き合うところから始めましょう としつこく迫ってこられまして……。余りにもしつこくて断り続けるのが面倒になってしまったんですよね」
「………」
蓮さんのあんまりな話に皆さん呆れたらしく、暫し無言になりました。
断るのが面倒で付き合うってなんなんでしょう?
断り続けるより付き合う方が面倒じゃなかったっていうことですか??
そ、そんな事ってあるんですね、私にはちょっと理解出来ませんけど……。
「じゃ、じゃあ、もしかして宮緒くんってこれが初恋ってこと!?」
「「「初恋!?」」」
誰かが気をとり直すように言った言葉に全員が反応しました。
「そ、そっか!初めて人を好きになったんだから初恋だよね!」
「初恋かぁ~。宮緒、遅い春だな〜!」
「おめでたいね!」
「なんか話に盛り上がってすっかり忘れてたけど、今昼休みだし!宮緒の初恋祝いを学食でしようぜ!」
「あ、良いね!ねえ!学食ってお赤飯あったっけ?やっぱお目出度い時にはお赤飯でしょ!」
ええっ!?
普通学食にお赤飯なんてメニューはありませんよね?
私が知らないだけで、セレブ校だと普通にあったりするんでしょうか?
「赤飯か!学食の方には無かったと思うけど、前に売店の方で折り詰めになって売ってたの見たぞ!」
お赤飯、学食に無くても売店にはあるんですか!?
需要があるから置いてあるんでしょうけど、どんな方が買われるんでしょうか?
ちょっと気になりますよね。
「あ〜、運動部のヤツとか試合に買ったら皆で食ってるもんな!」
そうなんですか!?
確かに勝ったお祝いに相応しいですし、腹持ちも良いですしお赤飯は運動部にはぴったりかもしれません。
「さ、腹も減ったし、弁当組のヤツも持って行って学食で一緒に食おうぜ!」
「お赤飯、皆の分あるかな~?無かったら分ければ良いかぁ」
ど、どんどん話が進んでいます!
私は完全に乗り遅れてますよ!!
いまだ呆然としている私に、蓮さんが立ち上がって手を差し伸べてくれます。
「千夏さん、一緒に私の初恋をお祝いして下さいますか?」
方えくぼの浮かぶ微笑みに逆らえませんでした。
皆さんもにやにやしてこっちを見ています。
蓮さんの初恋の相手が私と言うのは微妙に納得出来ない感じですが、取り合えず蓮さんの初めてを皆さんと一緒にお祝いしたいと思います。
私は空気が読める小市民なので……。
今回、ヒロイン一言も喋って無いですね(笑)




