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第一部   第二章    Wo

 第一章 To にて、ソイソーの所属学年である三年の主任教員、リムートを紹介しましたが、第四章登場予定の、ソイソーの担任教師をここで紹介したいと思います。

 彼の名は、レジー=ミル=ブラックと言い、ピルマンという地方の港町出身で三十三歳です。上級学院時代はリムートと同じ魔術部に属し、彼の二つ後輩になります。小学院では国語を教えていて、テリーが三年生だった時にも教えています。

 因みに、二人共イケメンなのですが、未だ独身です。ということで、女生徒からの人気がかなりあったりします。

 では、本文をどうぞ。

 温もりたっぷりのショー=サナエを腕の中に確実に置いているソイソーは、自分の中のしっかりとした判断に従って、四つある通路の中から一つを選んで進んだ。それは音の聞こえない通路であり、少年はそれでも分かっていなかったが、自分達がやって来た方向とは真逆の位置にある通路であった。


 「えっ、こっちにも路があるじゃん。」ソイソーは、ショー=サナエの現れた辺りでそれを発見した。通路の右側であった。進行方向にあったものと見比べると、同じくらいの幅、高さがあって、そして、奥から感じる雰囲気もまたよく似ていた。


 「サナエはそっちの方からここに戻ってきたの?」


 「サナ。」返事をしてから頷くと、ショー=サナエはさっさと左を向いた。少年はしばらく、右を向いたまま上を見て、下を見た。音が聞こえない通路だと少年は思った。地面の方を少し長く見てから、正面を向き直して、少年は再び歩き出した。だが、少年はすぐにまたその方へ振り返った。しかし、その時に、小石にでも引っ掛かったのか、少年は少しバランスを崩した。歩いている方向に足が大きく動いたので、少年はそのまま正面を向いて、ちょっとだけ慎重になって前進していった。


 久々の単調な路であった。


 「また、分かれ路。」


 ここの二股分岐点までは一本路だった。一回だけ右に折れる所があって、その前後は直進してきただけだった。その中で、ソイソーは歩く度に変な邪魔者が周囲をうろつくのを感じた。しかし、それは、少年が立ち止まって前屈みになるほどでも、耳に障って辺りをキョロキョロするほどでもなかった。ショー=サナエは暢気に口をパクパクさせ、短い足をブラブラ動かして隙を弄んでいるようだった。


 ソイソーはちょっとしてすぐ口を開けた。

 「左に行こう。」


 「サナエ?」


 「何でって? そう思ったからだよ。」今回は本当に根拠が無いようだった。どちらの通路にも音は無く、霧は無く、風も無かった。そんな訳でソイソーは、まるで路面の線路を横切る時みたいに、右を向いて、左を向いて、正面へ向き直るということをしてから、その直後に、即、左へ体を向けて「(決めた)」、という具合で、何ともあっさりとしたものであった。


 「サナエ?」今度は、翼で右を指しながら少年に聞いてきた。

 「そっち行っても変な所に戻されるだけだよ、多分。」


 「サナ、サナエ?」しつこく、ショー=サナエは左の翼でも右の翼を指して、少年に聞いた。


 「右…? ああ…、でも、ここは左な気がするんだよね。」そう言って、ソイソーはいつもと逆の方へ足を進め出した。動き出すと、ショー=サナエはすぐに静かになった。その表情は笑っているようにも見えるものだった。パクパクした嘴の動きも伴っていた。


 ソイソー達が行ったそのすぐ後、その分岐点後方にある二つの通路を無音の振動が襲った。地面に僅かに落ちていた、砂利とは言えない程度の大きさの小石が、揺れに従って踊りを始め、それ以上に大きなものは、足場の安定していなかったものだけが微かに動いただけだった。来訪者を歓迎するためのものだったのか、それとも、侵入者を伝達するための合図だったのか。どちらであっても、どちらでもないにしろ、その通路に漂う空気は異常に張り詰めたものとなった。それに耐え切れなかった、姿を消しながら近くに潜んでいた()の奴等の残党は、その身を思いっきり震わせて、飛ぶように通路を退散していった。


 これからも、どうぞよろしくお願い致します。

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