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おっさんと旅行する日々

どうしてこうなったんだ?


俺はハンモックで寝ていたはずだ。


目が覚めれば盗賊らしき風貌の男が俺に剣を突き付けている。


そして、馬車の傍には全身銀色のフルプレートの騎士がこちらに剣を構えている。


解せん。意味わからん。




事の始まりは、確か…








俺は朝から冒険者ギルドに来ていた。


受付嬢のフェノから、朝から珍しって言われたので事のいきさつを説明した。


数日後に王国内の冒険者ギルドのトップが王都に集まり会合があり、ギルド長が行くのはもちろんの事だが、俺も出席することになっていた。


なんでも、下位ランクの冒険者訓練所の理念や投資へのいきさつを話してほしいっと言われ、王都観光ついでに行くことにした。


最初は断ったさ。誰かの前で発表みたいな事なんて苦手だし柄じゃない。それになによりも、メンドクサイ。周辺被害を考えなければ数分以内にたどりつく距離だ。わざわざ一緒に行く意味がない。


何度も断っていたが、仕舞にはゲイのスコーピオンが寝ている俺の部屋に入り込み置手紙をしていく、なんて恐ろしい出来事が起きた。考えてみろ、施錠した宿の出入り口を開けて誰にも見つからずに俺の部屋の鍵も開けて手紙を置き、部屋の扉と宿の入り口の鍵を外から閉めるんだ。


寝ている間に俺の純潔が奪われていたかもしれないんだ。手紙を読んで冷や汗かいたぜ。


…会合への参加の()()()から、参加への()()と変わったが、嫌な事は忘れよう。


さて、予定時間を少し過ぎてギルド長がロビーへとやってきた。


「待たせたな。今回の護衛を紹介しよう」


ギルド長そういうと近くにいた冒険者が立ち上がった。


「今、うちのギルドで最も勢いがある護衛のスペシャリストだ。今はBランクだが、近い将来Aランク入りも確実だろう。今回の旅は安心していけるだろう」


冒険者は少年2人と少女3人のチームだ。少年は剣、槍を少女は弓と魔法使いと回復魔法使いとバランスが取れている。


「そして、もうひとチームがこの者たちだ。Aランクながら護衛も討伐も達成率の高いベテランだ」


そこにいたのは3人の女性+αだ。3人の女性は20代くらいか、全員美形だ。そしてαとして認識したのは乳房というよりは胸筋が凄く、いや全身の筋肉が鍛えれたメスと表現したほうがいいような人物がいた。彼女の獲物は両手斧だ。そして残りの女性は弓、魔法使い、回復魔法使いとこちらもバランスが良いパーティーだ。


護衛のフォーメーションは決まっているようで前の馬車に5人の若手、中央の馬車に俺とギルド長、後ろの馬車に4人が乗り込んだ。


2泊3日の旅だ。()()()()()()()()()()()()に頑張っていきますか。


馬車だが、護衛たちが乗っているのは幌がない荷台しかない馬車だ。


だが、俺たちが乗っているのは幌がついた馬車だ。日差しが遮られていい感じだ。


ギルド長は書類に目を通したり、サインしたりと忙しそうだった。


俺は荷台にあった荷物を纏める紐と網を使いハンモックを作り設置して移動中はずっと寝ていた。


昼食だ。と、いっても馬を休ませるのと、今回はそれぞれが持参した軽食を食べて終わりだ。


午後も何事もなく、俺はずっと寝ていた。


夕方に宿場町に着き、ちょっとお高い部屋で一泊だ。ここでは護衛の関係でギルド長と2人同じ部屋で寝ることになる。


この時にギルド長から午後に数回ほど魔物に襲われたと知らされた。


街道に出る魔物だ。ゴブリンぐらいならEランクでも対処可能だ。


さて、食事の時に彼女たちとお近づきになろうかな?


と、思っていた俺が甘かった。


宿に入ってから部屋に連れ込まれ食事もギルド長との2人きりだった。


完璧な護衛ってここまでするのかね?自由が恋しいぜ。




翌日は朝から雨が降りそうな天候だった。


まぁ、俺たちは幌があるから良いけど護衛の人たちはどうするんかね?


あ、革製のフード付きのコートを着るのね。


なるほどね。


まぁ、いいや俺は寝よう。




冒険者の少年


今回の護衛はギルド長と富豪という組み合わせだった。


金を持っているヤツは何かしら文句をつけてくるのがほとんどだったが、今回の人は違った。


気味が悪いくらい何も言ってこない。ギルド長は書類が終わらないって言ったから恐らく馬車から出てこないだろう。俺たちは富豪を警戒していたが、肩透かしを食らった気分だ。


さきほど、富豪の乗った馬車を覗いたらハンモックを作って寝ていた。


俺たちを信じて寝ているのか神経が太いのかわからないが、静かなら問題ない。


そのまま王都まで寝ていて欲しい。


初日はゴブリンが数匹現れた程度だ。馬車が止まることなく、弓で射貫かれた。


そして、2日目。


雲が広がり雨が降りそうな天気だった。


宿場町を出発した俺たちは、そろそろ昼食の為に休憩しようかとしていた。


しかし、後方から盗賊団が追いかけてきた。


普通の盗賊ならせいぜい数人だが、こいつらは20人を超える大人数だ。


後ろの馬車の馬が矢で倒された。


「こいつらはアタイらが抑える!先に行けー!」


後ろのねえさんの指示だ。行くっきゃねぇ!


暫く進むと森の中から大量の矢が飛んできた。


俺たちは魔法で防いだが、ギルド長が乗った馬も俺たちの馬もやられてしまった。


馬車から降りて戦闘態勢を取るがすでに囲まれてしまったようだ。


ギルド長が幌から慌てて出てきた。


あの富豪はどうした?!


「お前ら武器を捨てろ!」


馬車の幌が剥がされ現れたのは、剣を突き付けられた富豪だった。


まだ寝ているのか、それとも気絶しているのか?出血はないようだ。


「まてーーい!盗賊の蛮行見逃すわけにはいかない!」


馬に乗ってやってきたのは銀色の鎧、赤いマントをまとった騎士だった。


騎士は盗賊の間を縫って幌をはがされた馬車まで来ると馬を降りて剣を抜いた。


「卑怯者め!人質を離せ!」


助けてくれるのはありがたい。あれが例の銀色の騎士か。


あ、富豪が目を覚ましたようだ。


きょろきょろして状況が読み込めないようだな。


下手な事しなければ怪我もないだろう。まずはチャンスを伺うか…




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