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三つの矢

サイダーを買ったよ。

携帯電話にオヤジから電話がかかってきた。

一緒に買い物にいこうという。定年退職になってからさびしいみたいだ。

昔は偉い役職で、周囲がちやほやしてくれたみたいがだ、定年してしまえば

ただの人だ。

それで、スーパーに買い物に行く。精霊たちはオヤジの買い物が大好きだ。

俺といると、俺が均等に買い物をする。父親は精霊が見えないのでランダムに

自分の好きなものを買う。だからスリルがあるらしい。最初に炭酸飲料を買う。

これは剣ちゃんがもらう。剣ちゃんはこの炭酸飲料が大好きなのだ。

炭酸がすきというより、この炭酸飲料に書かれている矢の絵がすきみたいだ。

もともと、三ツ矢サイダーの三ツ矢というのは摂津源氏の祖源満仲が住吉大社の神託より三つ矢羽根の矢放って落ちた場所、多田(現在の兵庫県川西市多田)に居城をかまえたという伝説がある。そういう霊力があるので、スキみたいだ。

その次に忍ちゃんがアイスクリームをもらった。

それで、次に父はイチゴを買った。これはみんな誤算だったようだ。

なぜなら、イチゴは次は忍ちゃんの順番だったはずだ。しかし、忍ちゃんはすでにアイスをもらっている。忍ちゃんは高級アイスのほうがいいみたいだ。

本人が放棄したかぎりは、慶ちゃんに順番がまわってくる。

しかし、このイチゴにもくまモンの絵がかいてあった。

「くまもーん!」

剣ちゃんが叫んだ。

でも慶ちゃんも、このイチゴが慶ちゃんの好きなさちのか、だったのでゆずれない。それでも剣ちゃんが泣きそうだったので、慶ちゃんは一つの提案をした。

「このイチゴのくまモン、抱っこしていいよ!」

「ほんと!」

剣ちゃんは目をかがやかせた。そして、くまモンの絵が入ったイチゴのパックを

抱っこしてゆっさゆっさゆらした。「いいこ、いいこねー、おやちゅみねー」

「よかったね剣ちゃん!」「うんありがとー慶ちゃん」

なんとか二柱は仲直りしたようだった。

イチゴも買ったよ。

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