コックさん!
体が元気になったから遠くの安売りスーパーに言ったよ!
俺の体が元気になるにつれ、忍ちゃんの態度の横柄さがパワーアップする。
今日は海岸沿いにある大型安売りスーパーに行った。
久しぶりにギブスをはずして、自転車にのる練習だ。
ちょっとした遠出に慶ちゃんたちもご機嫌だ。
「メキシコ!めきしこ~!」
慶ちゃんは昨日の乗りをひきずっている。
スーパーに行くと、一番最初にイチゴを二パック買った。
安い289円のイチゴと489円のイチゴ。
「あーイチゴの大きさが全然ちがうねー、おおきいほう、誰がもらうのかなー」
慶ちゃんが気にする。剣ちゃんをチラチラみている。
「剣ちゃんこっち!」剣ちゃんは躊躇なく自分でイチゴを選んだ。
「あ!」
慶ちゃんが声をあげる。剣ちゃんが選んだのは小さいイチゴのほうだった。
「あ、あれ?」慶ちゃんは不思議そうな顔をする。
「くまもーん!」剣ちゃんが大声で叫んだ。見てみると、イチゴのパックの
上にかけてあるセロハンにくまモンの絵が印刷されていた。
ああ、剣ちゃん、クマ大好きだもんね。この前、映画でテッドっていう
クマのヌイグルミの映画みて号泣してたら、映画の主人公がテッドにむかって、
「お前なんかより、くまモンかってもらったほうがよかったよ!」と言って
テッドがガチ切れしてたな。そら怒るわ。まあくまモン俺も好きだし、
くまモンキーホルダーもってるけどさ。
これでイチゴ争いは起こらなくてすんだ、めでたし、めでたし、と思ったら
後ろで忍ちゃんがギンギンににらんでいる。
「私に選択権はないのかしら」
「ご、ごめん、今度なんとかするから」
「まあいいわ、これ買ってちょうだい」
そういって忍ちゃんはミルフィーユを指差した。
「はいはい」俺はミルフィーユを買い物籠に入れた。
そのあとで、冷凍食品コーナーの横を通る。
「これみてーこれー!これなに!これなにー!」
慶ちゃんが冷凍焼き飯に書いてある文字を指差す。
「あ、これ、国産だね」
「コックさんですと!」
慶ちゃんの目がキラリと光る。
「コックさーん!メキシコのコックさーん!メキシコ!メキシコ~」
いいながら慶ちゃんが踊った。剣ちゃんも一緒になって踊った。
「これからは絶対コックさんが作った高級品しか買っちゃだめだよ!」
慶ちゃんが言った。
「あ、はい」
なんか分からないが俺かこれから国産しか買わないはめになってしまった。
慶ちゃんと剣ちゃんがコックさんの踊りを踊る!




