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〇〇日後に番になる泉先生(α)と神楽くん(Ω)  作者: 最上ふう。


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16/20

あと14日/両親挨拶後

 「遠回りするか」と言われて頷けば、数分後には、車は大きな幹線道路から高速道路へ進路を変えていた。

 街灯が、数秒ごとに車内を照らしていく。


「……あー、ひっさびさに緊張した」

「全然そうは見えなかったけど」


 棘のある口調に、泉がこちらへちらりと視線を寄越した。


「なーに膨れてんだよ」

「膨れてねぇよ」

「じゃあ『ぼく不満ですぅ』って顔やめろ」

「んな顔してねぇ」

「してんだよ。なんだ、不満があんなら言ってみろ」

「……」


 少しの間。

 やがて、ポツリと。


「……『運命の番です』って言った」


 神楽は口を尖らせた。


「あ? なんか悪かったか?」

「悪いっつーか、前に『運命なんかない』って言ってたじゃん……」

「言ったか?」

「言った。教室で、女子たちにさ……」

「……あー、あれか」


 泉はネクタイを緩めながらシートに背中を付けた。


「あれは一般論だ」

「うーわ出たよ」

「うるせぇ。あの場で『運命の番はいまぁす』って言ってみろ。余計めんどくせぇことになってたぞ」

「……」


 行き先を示す緑の看板が眩しくて、目を眇める。


「それに、運命かどうかなんて結局は当人同士しかわかんねぇだろ。本人がそう思ってんならそう言やいいんだよ」

「……大人って……」

「方便っつーんだよ、覚えとけ」


 ぐしゃぐしゃと頭を撫でられ、「やめろ」と抗議すると、今度は耳朶を指先で弄られた。

 出そうになった声を、息を呑むことでやり過ごす。


「──お前さ、次のヒートいつだ?」

「唐突すぎんだろ。……えーと、あと二週間? ぐらいだと思う」


「んじゃ、その頃になったら抑制剤飲むのやめろよ」


「──あ、……うん……」


 俯く横で、ふ、と笑う吐息が聞こえる。


「急に素直になんのな。かーわいー」

「……うっせぇよ……」


(だってそれ、『噛むぞ』って予告じゃんか……)




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