1 捨てられ半龍、拾われる
少女はペタンと座り込んでいた。
13歳程の少女だ。
ぼんやり空を見上げ、ただ言う。
「死」
彼女がいるのは魔界でも特に危ないとされる森の1つで『ファーストフォレスト』と呼ばれる場所だ。
魔物たちの強さもそうだが…………何より幻覚を見せるキノコや眠らす花粉を撒き散らす花などが厄介なのだ。
魔王が直々に管理する程の森である。
そんな森に幼げな少女が何故いるかといえば捨てられたからである。
一般魔族が立ち入り禁止にされるほどの森であり、普通なら魔物に喰われて終わりなのだ。
魔界は弱肉強食、彼女はいつまでも弱かったからこそ捨てられた。
少女は後ろを振り向き瞬く。
数多くの魔物が彼女を獲物として捉えて見ていたのだ。
襲われると思われた瞬間魔物たちが眠るように倒れてき彼女は呑気に首を傾げた。
「あらあら、散歩中に気配がすると思えば……。ここは入っちゃ行けないのよ?」
穏やかに微笑む黒の扇情的なドレスを着た女が立っていた。
頭には黒い角が2本ついており、魔人なのだろう。
少女の角は空色で丸っこく、自分とは違う角の形に少女は興奮した。
「綺麗。黒。角」
少女は喋る機会がほとんどなかったため単語を並べるだけとなってしまっていたが伝わったらしく女性は微笑んだ。
「あら、ありがとう。貴女の角も素敵よ」
初めて頭を優しく撫でられ少女はどうしていいか分からず固まった。
「あら?貴女………」
女性が首を傾げ少女はもじもじと自身の尻尾を掴む。
「良いわね。うん、とても。ねぇ、ここで死ぬくらいなら私と来ない?」
少女は別に死にたいわけじゃない。
捨てられたからどうすればいいのか分からずずっとここに居たと言うだけだ。
「ご飯ない?」
「あるわ」
「主?」
女性を指さし言う。
そっとその指を下げさせ、女性は困ったように微笑む。
「そうね。私は魔王だから」
パチパチと目を瞬き、少女は少し嬉しそうに話す。
「魔王、かっこいい。本、見た。強い」
少女が見た本はきっと世界に散らばる魔王についての文献だろう。
この魔界には数名の魔王が存在している。
その誰しもが強く様々な場所で伝説を残していたのだ。
「あら……魔王と聞いたら大抵恐れおののくのにこの子、凄いわね。今も魔力ダラダラ垂れ流してるのに怖がりもしない。ふふ、面白い子ね」
「私と来れば何不自由させないわ。どう?」
女性……否、魔王が手を差し出し少女はその手を両手で掴む。
「行く。星、迎え、約束。見つけた」
少女の言葉の意味は分からなかったようだが魔王は少女を抱き抱える。
その華奢な身体のどこにそんな力があるのだろうか。
あとがきを書いてみたかった。
書いたのでまた今度会おうな♪




