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【第二十一話】漢室の光を再び

許昌・朝堂


激震が走った。密偵組織「玄鴉」から、極秘の報がもたらされた。


「――献帝陛下が長安を脱出されました。近臣と謀り、李傕・郭汜の部下である董承、楊奉を味方につけ、二人の争いによる混乱を突いた模様」


許昌の政庁には、ただちに重臣たちが集められた。


朱儁の不在を補う形で荀攸が静かに言った。


「今こそ、皇帝をお救いすべき時です。漢室匡輔を掲げる我らが政の正統性は、陛下のもとに集約されるのですから」


これに、趙儼、陳羣らが次々に賛同。孫策や周瑜ら若い将も、その瞳を輝かせる。


孫堅は目を閉じ、一息置いてから開眼した。


「……征くぞ。漢室の正統をお救いするために」


---


荀攸はただちに予州の防衛配置を確認した。


対袁術: 沛国の韓当


対曹操: 梁国の孫静


対劉備: 魯国の程普


対劉表: 潁川郡の留守部隊の責任者として朱治を任命


汝南郡の黄蓋は各々に援兵を送れるように配備


また政務と外交を、陳羣が全面的に統括することが決定された。


軍備: 影矢隊(重弩部隊)各千、汝南兵一万五千を三方面に五千ずつ沛、梁、頴川に配備


---


続けて、陳羣は外交対策として以下の四方向に使者を派遣し、各方面の火種が燃え上がるのを防ぐこととした。


曹操へ: 荀攸を使者とし、呂布との戦を激励、金銭援助


劉備へ: 劉琰を使者とし、陶謙への弔問と漢への忠誠を確認


劉表へ: 杜襲を使者として、袁術戦の謝礼を贈る


劉繇へ: 梁習を使者として、袁術との戦を激励、金銭援助


---


病床の朱儁に代わり、軍の統帥に任命されたのは趙儼であった。


彼は、遠征軍の編成を以下のように発表した:


近衛兵: 1万(孫堅直率)


魏延: 騎馬隊2千


呂蒙: 遠征用に新生した軽弩影矢隊3千


陳到: 汝南兵から選抜された敢死隊5千


予州兵: 2万


総勢4万の大軍を率いる将として選ばれたのは:


趙儼(統帥)


李通、臧覇、昌豨、甘寧、孫観、尹礼、呉敦、孫策、周瑜、孫賁、孫河


荀攸(曹操訪問後、戦線合流)


進軍経路は、洛陽→弘農→長安のルート。


---


軍議の最後、孫堅が静かに立ち上がり、全軍を見渡す。


「我らが征くは、漢室再興の第一歩。帝を戴き、乱世を終わらせる」


そのとき、朝堂の扉が開いた。


病に伏していたはずの朱儁が、片杖をつきながら入ってきた。


「……わしも、参るぞ」


孫堅が驚いて駆け寄る。


「朱儁将軍、その体で……」


「この身体に残された命、漢のために使わずして何に使う。最期の戦ぞ……漢の炎を取り戻す、これ以上の舞台がどこにある」


その姿に、将兵たちが次々に膝をつく。


孫堅は、深く頭を垂れた。


「ならば共に征こう。我らの志、今こそ一つに」


許昌に、歓声がこだました。 漢室匡輔の名の下に、予州の軍が長安を目指して進軍を開始する。


――第二章、ここに終幕。

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