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僻地に追放されたうつけ領主、鑑定スキルで最強の配下たちと共に超大国を創る  作者: 瀬戸夏樹


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第168話 ファウナからの知らせ

六大国の勢力図マップ作成しました!(うつけ領主第165話〜第167話あたり)

本編と合わせてお楽しみください。

https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/913007/blogkey/3594586/

 ノアがマギアでの本拠地バーボン城に戻ると、鬼人の少女ファウナが待っていた(ファウナについては第16話参照https://ncode.syosetu.com/n4486jr/16)。


「あっ、ノア様ー」


 ファウナは馬に乗りながら、その小さな体を目一杯使って手を振ってくる。


「おおー。ファウナじゃないか。久しぶり。元気だったか?」


「はい。アークロイからの定期郵便を持ってきました」


 ファウナにはアークロイ・マギア間の伝令係を任せていた。


 アエミリアがマギア地方を出禁になった今、彼女がアークロイの情勢を知る手掛かりである。


「こちらが税収の報告書になります」


「うむ。ご苦労。アークロイの様子は変わりないか?」


「はい。みんなノア様のお帰りを首を長くして待っておられます」


「そうか。それにしても……」


 ノアはファウナの外見の変化に気づく。


 ファウナも少し見ない間に随分成長していた。


 以前は男の子と大して変わらない体型だったが、背が少し伸び腰回りが随分女性らしい丸みを帯びていた。


 元々、ろくに食事も与えられない生活からお城暮らしになったから、栄養満点のものを食べれるようになって、今まで成長できなかった分も成長著しくなったのだろう。


「あっ、ファウナちゃんだー」


「お久しぶりですー。大きくなりましたね」


「大きくなったな」


 アークロイ勢は久しぶりに会ったファウナを可愛がる。


 僻地の気取ったところのない素朴な鬼人の娘に癒される面々であった。


 ノアはファウナの様子から何か話したいことがあることに気づいた。


「ファウナ。城まで来るか?」


「はい。領主様。お供いたします」




 ♦︎




 ノアはファウナを連れてバーボン城に向かった。


 途中、魔法院に寄る。


「先に魔法院に顔を出さないといけないから、ちょっと待っててくれ」


「はい」


 ノアはバーボン魔法院に領主として出席し、今回の国際会議での成果を報告する予定だ。


 魔法院に登院して領主用の席に座っていると、ファウナがノアの膝の上に体を預ける。


 ファウナのいつもの癖だった。評議が始まるまではノアに引っ付いて甘える。


 ノアが久しぶりの感覚を懐かしく思っていると、議長が怖い顔で睨んでくる。


(あ、やべ)


「ファウナ。すまん。後にしてくれ」


「?」


「ファウナちゃん。魔法院には領主様と上級騎士以外出席しちゃダメだよ」


 エルザが慌てて議場の入り口から声をかけた。


「えっ? わわ。す、すみません」


 ファウナは慌てて椅子から降りて議場から退室する。


 年配の騎士から気まずそうな咳払いや、若い騎士のクスクス笑いに晒されながらファウナはオフィーリア達に合流する。


「マギアって色々ややこしいんですねー」


 ファウナはノアの膝上を確保していれば大抵のことは許されたアークロイと違って、自由気ままに振る舞えないマギアの空気を実感した。


「そうなんだ。ノア様といえど好きなようにはできなくてな。ノア様も魔法院の機嫌を損ねないよう色々と気を配っておられるのだ」


「私達はここからノア様の演説を見守っていましょう」


 ファウナはオフィーリア達と一緒に廊下から魔法院の進行を見守った。


 ノアとドロシーが国際会議での成果、マギア連邦の承認を報告するとバーボン魔法院は全会一致でノアの外交成果を承認した。


 その後、マギア中の魔法院がバーボン魔法院の決定に倣ってマギア連邦の成立を目指し、バーボン城に使節を派遣する。




 ♦︎




 魔法院でのやり取りが一段落したノアは、改めてファウナと面会した。


「待たせてすまなかったな。それで何か知らせたいことがあったようだが?」


「はい。ディーシュ族のセリク様から新たな要請がありました」


「セリク?」


「以前、ノア様の下に来られた鬼人の外交官の方です」


「あの者ですよ。以前、ノア様を利用して鬼人族の抗争に巻き込もうとしたあの若者」


 オフィーリアが捕捉した。

(セリクとディーシュ族については第34話、第35話参照

 https://ncode.syosetu.com/n4486jr/34

 https://ncode.syosetu.com/n4486jr/35)


「ああ。あいつか」


 ノアも思い出した。


 鬼人族の中でもいの一番にアークロイに接触してきた一族。


 度胸があり、利発だが、油断ならない交渉を仕掛けてくる若者。


 そういう印象が残っている。


「それでそのディーシュ族の奴が俺に何の用だ?」


「はい。ノア様にディーシュ族の長になっていただきたいとのことです」


「俺に? なぜ?」


「この(たび)ディーシュ族の族長がお亡くなりになられ、跡を継ぐのに適切な方がおらず一族内で揉めているとのことです。おまけに悪鬼や敵対一族が勢力を増してきて、ディーシュ族一同不安に怯えているそうです。そこでノア様にディーシュ族の長となっていただき、情勢の安定化に寄与していただけないかとのことです」


「ふむ」


 提案としてはそこまで変でもなかった。


 元々、ディーシュ族の領土もアークロイ領の一部とされている。


 防衛が負担になるから放置しているだけで本来はノアがディーシュ族の土地も統治するのが筋だ。


「罠ではないのですか? かの者は以前もノア様を鬼人同士の諍いに巻き込もうとしていました。今回も何か隠し事をしてノア様を嵌めるつもりなのでは?」


「そうだな。それは十分にあり得ることだ」


「しかし、放置するのも不味くないですか? ディーシュ族で内乱が起こると、アークロイの方に波及するかもしれませんし」


 エルザが言った。


「それも一理ある」


(ふむ。どうしたものか)

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