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00 血塗られし彼方
顔をあげれば、先程まで共に遊んでいた仲間達は悉くが生温かい血溜まりの中に横たわっている。
黒煙が舞い、舞い踊るのは禍々しい光──否、それは光などではない。全てを己が力で飲み込んで、触れる全てを灰塵へと還す破壊の象徴。
辺りを目映く染め上げる忌まわしき橙の焔は惨く激しく燃え盛り……熱い、痛い、堪えられない程に酷く苦しい。だがそれ以上に恐ろしいのが……陽炎の先に佇む一つの影。彼が携えた一振りの剣を薙ぎ、最愛の両親を屠る姿だ。
走った、ただただ走った。泥濘む地面に足を滑らせても、天が憤怒に轟き震えても、滝の如き豪雨に身体を射られ続けても。
劫火に包まれ崩れ落ちていく"安息の地"を背に……少年は行くあても無く闇雲に走り続けた。




