トモダチ③
ナツキの血刀は、ついに輝きを失った。
「……チッ!」
血液供給が限界を超え、刀身はただの鉄塊へと変わる。膝をつき、息を整える間もなく、ナツキは倒れ込んだ。
タツヤのリボルバーも、カチリと空打ちの音を鳴らす。
「弾切れ…!!」
リボルバーを振るう腕が震えていた。もはや弾倉には…希望すら残っていない。
ユリもひたすらにマシンガンのトリガーを引き絞った。
「…終わらせる!!」
だが…
カチッ。
乾いた音が耳を打つ。小口径の弾では、厚い肉に覆われたトカゲのランバートに致命傷を与えられなかった。
「……っ、届かない……!」
そのときだった。
ガバッ!!!と、トカゲの顎が真上に跳ね上がる。
目の前に広がったのは、異様に開いた口腔。牙が濡れて光り、酸を含んだ息が三人を包んだ。
満身創痍…誰も動けない。死が目の前に迫っていた。
——ズガァァァン!!
鋭い銃声が、地鳴りを裂き、トカゲの頭が跳ねた。
「っ!?」
驚愕する中、もう一発。
ズガァァン!!
弾丸は一発目とまったく同じ位置に。驚くほどの精密な射撃だった。
銃声を追った視線の先、そこには、地面に這いつくばりながらライフルを片手で構えるユウキの姿があった。
血の気の失せた顔。荒く、苦しそうな呼吸。だが、その手元だけは、まるで凪いだ水面のように静かだった。
「……ホールインワンって奴だ」
照準を外さず、ユウキは口角を吊り上げる。
「これで手柄は、俺のモンだ……」
トカゲのランバート崩れ落ちる。まるで糸の切れた操り人形のように、どさりと音を立てて。
そして、ユウキも——
その場に崩れ落ち、意識を手放した。




