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第七八段 うち局は(下)
また、指貫に直衣姿の、たいそうあざやかに着こなして、いろいろな色の衣をそこから出して着ている人が、御簾を押しやって半ば入ってくるような様子をしている。外から見るとたいそう「おかし」と見えるであろう。
その人がずいぶん美しい硯を引き寄せて、文を書いたり、鏡を借りて髪を整え直している様子も、とても「おかし」。
(うーん、ずいぶんかっこつけていらっしゃいますねえ。かなりのナルシスト?)
ここには三尺の高さの几帳が立ててあるが、竹のすだれと、この几帳の間のわずかな隙間から外が見える。外に立っている人、内側にいる女房たちのちょうど顔のあたりが見えているのこそおもしろい。背がとても高かったり、低かったりするとどうであろうか。ちょうどよい背丈の人が、ちょうどよい塩梅になることだ。
うち局は、スリル満点。毎日「おかし」に事欠かない、というお話でした。




