表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

86/359

第七〇段 草の花は(中)

 葦の花。これはことさら見どころはないが、神が宿る「御てぐら」などと言われているのはなにか風情があるのだろうと思うと、意味がありそうである。すすきに劣ることはないが、水辺に生えているのが、おもしろいのであろうかと思う。

「この『草の花は』に、すすきを入れないのは、たいへん不思議なことだ」と、人は言うであろう。


 秋の野に通じてのおもしろさは、すすきにこそあるであろう。穂先が暗紅色の蘇芳(すおう)色で、朝露に濡れて打ちなびいている様子は、他にこのような素晴らしいものがあるであろうか。


 秋の終わりになると、まったく見どころがない。どの色の花も跡形もなく散ってしまう。後には、冬の末まで、頭は真っ白になり、昔の思い出に浸って、よろめくように立っているのは、人のようである。そのように思うことがあって、しみじみと感慨深く「あわれ」と思うべきであろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ