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第五二段 にげなきもの
似つかわしくないもの。
髪が美しいとは言い難い人が、白い綾の着物を着ている様子。縮れ髪に葵の花をつけている様子。
(不似合いだとじかくして、もっと似合った装いにすればいいのに。)
下手な字を、わざわざ赤い紙に書いてあるもの。
ぼろ屋に雪の降る様子。また、月のさす様子。雪の美しさや、月光の厳かさが、損なわれる感じになる。
また、明るい月夜に、屋根もない荷車に、高貴な飴色の牛がつないであるもの。
年取った女が、子を宿して大きなおなかをして苦しそうに歩く様。そんな女が、若い男を伴侶にしているのも見苦しいが、男が他の女のもとに行くのを妬んでいるさま。
年取った男が、猫なで声を出す様子。また、年取った男が髭の手入れもいい加減になり、椎の実をつまむ様子。
(うーん、まだ続くのですが、清少納言も、がっかりしてなんのかんの描いてますが、葉月はそろそろ限界です。以下、略!)




