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第二二段 すさまじきもの(その一)

『すさまじきもの』(興ざめなもの)たーくさんあるんですねえ。いくつまで続くかなあ。

 すさまじきもの。


 まずは、昼に吠えている犬。犬なら犬らしく、夜の不審者を見つけて吠えてればいいのに。なんで、昼間にワンワン吠えるかなあ。まったく、興ざめ。


 春になったというのに、氷魚(ひお)を取るためにそのままになっている網代(あじろ)。興ざめだったら、ありゃしない。


 三月、四月に着ている紅梅色の衣。あれは、一月、二月に来てこそ美しい。季節外れの紅梅なんて、見られたものではない。


 そして、赤子の亡くなってしまった産屋(うぶや)。生まれたての赤子とその母が暮らしてこその産屋だというのに、いつまでもそのままにしていては、見るに堪えない。


 火をおこしもしないのに置いてある火桶や地火炉(ちかろ)。牛が死んでしまって用のなくなった牛飼い。大学寮や陰陽寮の博士が次々に女の子を産ませているもの。(ほかの家なら、女の子が生れたら喜んで大切に育てるんですけどねえ。)

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