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ガチャで破滅した男は異世界でもガチャをやめられないようです  作者: 一色孝太郎
第二章

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第二章第33話 剣姫無双

四日間の休暇を終え、俺は迷宮前の拠点へと戻ってきた。


 休暇といっても俺はエレナにしごかれまくったので実質的に昨日しか休めていないわけだが……。


「やあ、ディーノ君にエレナちゃん。お揃いだね」

「あ、カリストさん。それにメラニアさんも」

「カリストさん。今日からよろしくお願いします」

「ああ。よろしくね、エレナちゃん。それと、彼女は『蒼銀の牙』のメンバーで治癒を担当してくれているメラニアだ」

「はじめまして。エレナ様。『蒼銀の牙』所属のCランク冒険者メラニアと申します」

「はじめまして。王立高等学園一年のエレナです。見習いとして夏休みの間、お世話になります」


 こうして挨拶をした二人は軽く抱擁を交わす。


「それじゃあ、行こうか。リカルドたちが首を長くして待っているよ。エレナちゃん。迷宮に入るには登録をする必要があるから、見習いタグを出しておいてくれるかい?」

「はい。手続きをするのは、帰ってこない人がいないかを調べるためですか?」

「その通りだよ。あとは、資格のない人間が間違って入り込まないようにするためでもあるね」


 エレナは小さく頷くと神妙な面持ちでタグを取り出したのだった。


◆◇◆


 俺たちは聖水によって迷宮の機能が完全に停止した地下三階を通り抜け、地下四階へと降りる階段の前までやってきた。


 ちなみにリカルドさんとルイシーナさんはへとへとな様子だったので挨拶もそこそこに地上へと戻ってもらった。地下四階への階段を守るだけとはいえ、やはり少ない人数でその任を全うするのは大変だったようだ。


「さて、準備はいいかい? 特にエレナちゃんは今日が初めての迷宮だ。あまり気を張らず、安全に気を付けるんだよ」

「はい。無理をしない、ですよね?」

「その通りだよ。さあ、それじゃあ行こう」

「はい」


 カリストさん、メラニアさん、俺とエレナ、そして休暇から戻ってきた冒険者たちは一斉に地下四階への階段を降りていった。


 ギルドでの騒ぎを見られていたこともあるのかもしれないが、カリストさんの隣を歩いているエレナのことを白い眼で見ている冒険者たちもいる。だが、フリオのように妙なちょっかいを掛けられるようなことはない。


 そんな視線に(さら)されつつも降りた先にはおびただしい数のゴブリンの上位種がひしめき合っていた!


 第二層を最初に攻略したときほどではないが、それでもかなりの数だ。


「数が多い! 盾役! 前へ!」


 カリストさんが冒険者たちに指示を出して大盾を持った重戦士たちを前に出す。


「弓を射掛けろ」


 その指示に従って弓矢を持った冒険者たちが弓で攻撃をしていく。


 威力は高くないが、少しずつ手傷を負わせていっている。すると、俺たちの攻撃に気付いたゴブリンたちががこちらに向かって走ってきた。


「よし。弓は続けて奥の敵を狙うんだ。近づいてきたものは僕たちがやる。ディーノ君は引き続きメラニアを頼むよ。エレナちゃんは前へ。あまり前に出過ぎないようにね」

「はい!」


 俺は大声で返事をし、エレナは小さく頷くと細剣を抜き放った。


「はっ!」


 小さく気合を入れたエレナは向かってくるゴブリンの群れへと突っ込んでいくと、あっという間にバラバラにして戻ってきた。


「え? は?」


 なんだそれ? あんなに強かったのか?


 まるでトーニャちゃんみたいじゃないか!


「カリストさん。あれぐらいならあたし一人で突っ込んでも倒せると思います」

「ダメだよ。あくまでも安全第一だ。万が一ってこともあるからね」

「……わかりました」


 不満そうな様子ではあるが、それでもカリストさんの指示には従っている。


 あ、あれ? 一体エレナはどうしたというんだ? 昔なら絶対に「自分が全部やる」と言って一人で突っ込んでいっていただろうに。


「さあ! 次が来るよ!」

「はい!」


 カリストさんの言うとおり、ゴブリンたちの大部分は俺たち気付いたようでこちらへと大挙して向かってくる。


「く、数が多すぎる!」

「なら! あたしがまとめて焼きます! 『剣の舞』」


 エレナはアーツを発動して炎の剣を無数に作り出し、ゴブリンたちの群れに飛び込んでいく。


「あ、ヤバい! あのアーツは! 皆さん! 離れてください!」


 俺はそう叫ぶと断魔の盾を構えてメラニアさんの前へと出た。


「『焔の旋風』!」


 エレナがさらに別のアーツを発動させた。


 無数の炎の剣はエレナの体の周囲をぐるぐると回り、やがて炎のつむじ風を巻き起こす。


 つむじ風は徐々にその範囲を広げ、やがて俺たちの前衛を務めている重戦士たちのすぐ近くまで迫ってきた。


 ものすごい熱がここまで伝わってくる。


「す、すげぇ!」

「あれが……『剣姫』なのか……」


 誰が言っているのかは分からないが、そんな声が聞こえてくる。


 やがて炎のつむじ風が収まると、そこには悠然と立つエレナの姿と床に散らばった魔石だけが残されていた。


「は、ははは。ディーノ君。君の幼馴染は凄まじいね」

「はい。俺もまさかあいつがあそこまで強くなっているとは……」

「あら、エレナ様だって学園で努力なさったに違いありませんわ。ディーノ様と同い年なのでしょう?」

「はい。ですがギフトを貰ってたった半年でまさかあんなになるなんて……」


 予想外だ。ただの暴力を振るってくる幼馴染があんなに強くなるなんて。


 いや、でもそんなエレナを一切寄せ付けなかったトーニャちゃんは一体どれだけ強いんだ?


 そもそも、トーニャちゃんは戦えなくなったから引退したんだよな?


 呆気に取られる俺たちだったが、カリストさんはいちはやく落ち着きを取り戻してみんなに呼び掛ける。


「さあ! 魔石を回収するよ!」


 その一言で何とかフリーズ状態から復帰した俺たちは魔石の回収を始めるのだった。

次回更新は通常通り、2021/04/10 (土) 21:00 を予定しております。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 話は面白い [気になる点] ヒロイン?のエレナが鬱陶しい [一言] 流石にツンデレがすぎる
[良い点] 更新ありがとうございます。 戦闘力はやっぱり頭おかしいレベルだよなぁ。 そら天狗になるわ。
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