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74 光泰 ねれてない

明日か・・・。


屋敷の中で僕は、眠れそうに無かった。

眠れなくなったのは七才に成った時以来だな。

初めて親とはなばなれになって、

小さい体で、この後どうしようと考えたものだ。


さて、不確定要素の多い亀山城の事を考えよう。


亀山城に向かわせた、武市半兵衛太郎には、

父上の周りに謀略を張り巡らせている者がおる。

そなたは、万が一父上が亡くなり亀山城が落城した時に、

兄上が切腹せぬよう見張って欲しいのじゃ

と言った。


武市は恐らく、明智光秀が暗殺されるかも知れないと思うだろう。

可能性を考えるなら家臣の謀反、もしくは近隣の大名の反乱奇襲攻撃

と考えるかも知れない。


この事を明智光秀に知らせれば謀反を諦めるかも知れない。

知らせなければ歴史通りそのままだ。

恐れ慄いて籠城させるのが一番いい。


初菊の話で武市の性格は、命令以外の事はしない。

趣味の魚釣り以外、余り興味がなく、

二年前に亡くなった奥さんも、武市の子育てが下手で、

代わりに世話をしている内に夫婦に成ったそうだ。

初菊の育ての母は元々、京の行商の娘で一度別の男と結婚した後、

子が出来ず石女と呼ばれ離縁させられ、実家にも帰りづらく成った時に、

武市と出会ったそうだ。ところで石女ってなんだろう、癌のことかな?


武市の行動次第では、大きく変わるが、

中国地方に出陣するか、謀反を行うか、籠城するかの三択のどれかだ。

中国地方に向かえば、僕が謝ればいいかな?

寺に入れられてしまうかも知れないけれども、切腹は無いよな。

残り二つは説得するしかないか。・・・無理そうだけど。

どっちに転んでも大丈夫、いざとなったら逃げる。

初菊が付いてきてくれれば寂しくない。・・・付いてきてくれるよな。


明日は兵を二つに分ける。

年配者は僕と本能寺へ向かい、織田信長の護衛をする。

若い者は秀満パパ(三宅綱朝)の指示に従い、旗の取り付け作業を行う。

こちらは終り次第、僕達と合流して交代で護衛を行う。


問題は何時、明智光秀の謀反をみんなが気付くかだ。

茂兵衛が失敗しなければ今頃、織田信長は京に居ない。


第二の謀略を変更して、織田信長もう逃げたよ作戦改め、

第二の謀略バージョン2、え!!父上だったの!!すっとぼっけ作戦。

信長がすぐ逃げるなら安土まで護衛を行い、

様子を見ると言えば、糸電話と紙相撲で時間を潰しながら、

明智光秀の行動で判断しよう。

信長が全く信じないようならば、僕はとっとと逃げる。

死んだら信長の自業自得だ。


さて、ほかの者はどうしているかな。

屋敷には、百六十人弱いる。

屋敷は左程広くはないので、一部は近くの宿を借りて寝ている。

まず半分を九時から先に寝かせ、もう半分を二時から寝かせる。


まずは茂兵衛の様子から、


茂兵衛「お花、服部に惚れては成らぬ、ムニャムニャ」


オイ!!いい気な者だな!グッスリ寝てやがる。

それより茂兵衛の妹お花ちゃんは、服部平次と会った事あるのかな?

いや待てよ、あの時会ったのは、僕の方だよな。

ロリコンではないので興味が無いから諦めてもらおう。

僕は、少し年上のお姉さんが好みですから。

しかしよく寝てるな。僕の足の臭いでも嗅げ。


茂兵衛「権兵衛、屁が臭い、ムニャムニャ」


失敬な!!僕の足はオナラより臭くはない。


茂兵衛「ボス、それは食べ物では有りませぬ、ムニャムニャ」


ねえ、僕は茂兵衛からどの様に見えているの?食いしん坊キャラ?

よし、これが終わったら、茂兵衛は別の役目に付けよう。

近習には向いていない、気が利かないし、力も弱い。

鶏を飼いたいから生き物係にするか。うん適材適所。


権兵衛はどうするか、意外と近習には向いていたからな。

武術もそこそこ出来るし、おまけにリアクションもいいから、

今後のビジネスに使いやすいかも知れない。

ただ、指揮官には向かないだろう。真っ先に前線へ行き、討ち取られそうだし。

武士よりも、お笑い芸人にしたいぐらいだ。落語でも教えるか?


店主は宿の方か、まあ武家屋敷では寝にくいだろうからな。

店主には、もしもの時の僕の逃走資金と船を用意して貰わなくては成らない。

武士では無い店主はあくまでも保険。

取り合えず信長を逃がす船を坂本城に用意せよと命じるか。

武家の船より商家の船の方がカモフラージュしやすいとでも誤魔化して。


三宅綱朝「若様、眠れませぬか?」

光泰  「明日は宜しく頼むぞ」

三宅綱朝「お任せくだされ、老体では御座いますが

     命を賭けても成し遂げて見せましょう」


三宅綱朝は元々、倫子姉さんの実父明智光廉の家臣である。

三宅の名は光廉が分家として名乗っていた名字であり、

息子の秀満が手柄を立てた褒美で、名乗る事を許された名前である。

{一五五六年の明智家(偉い順)}

光秀(当主)>光安(叔父三男、後見人)>光廉(叔父末子、指揮官)>綱朝など

秀満は当時、光秀の近習。光安は秀満を、養子にする予定だった。

(爺が言っていた)


光泰  「無理をさせぬように、町衆に迷惑を掛けては成らぬぞ」

三宅綱朝「御立派に成られて、殿も御喜びで御座いましょう」


僕は喜べ無いけどね。

三宅綱朝は役目が終えた後、本能寺に合流せず屋敷で、

明智光秀を待つことに成っている。

屋敷を留守にする訳には行かず、この人ならもしかしたら、

説得出来るかも知れない。期待はしてないけど。


光泰  「父上に説明と案内をよろしく頼むぞ」

三宅綱朝「本能寺に案内致しまする」


この段階では素直に来るかどうか解からない。

ただ異常な事が起きてるのは解るだろう。

僕が京にいる。これだけでもおかしい。

戦では慎重な性格と聞いている明智光秀は、用心するだろう。

しかし謀反は短絡ではないか?なにか焦っているのか?

光慶の元服が早かったのは寿命が近いからかも知れないが、

僕の元服は急ぐ必要は無かったはずだ。

やはり謀反の準備で手駒が欲しかっただけかな?


三宅綱朝「若様、考え事で御座いますかな?」

光泰  「ああ、明智家の行く末を考えておった」

三宅綱朝「賊を召し捕り手柄を立てれば、

     御家の名声も揺るがぬ事に成りましょうぞ」


名声は、もうすぐ地に落ちるけどね。


光泰  「気楽に考えられぬ」

三宅綱朝「戦とは、そういう物で御座います」


僕は一睡も寝られず、朝を迎えた。


本能寺の変まで後、十六時間。

(本能寺の変は、何時スタートなんだろうか?)

秀満には色々説が有りますが全て無視します。

この先、明智家の家系図の設定が変わる事が有りますが

全て正しく有りません。作中でも正しく有りません。

ツッコミを入れないで下さい。

正確に把握している人が誰一人出ません。


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