28 十次郎 引っ越す
亀山城への、引っ越しの準備で忙しい。
爺 「若様、引っ越しの準備は進んでいますかな」
十次郎 「もう少しで終わるぞ」
荷物は箱(櫃?長持ではないの?)に入れて家臣達に運んでもらう。
住みなれた、坂本城に別れの時がきた。
十次郎 「さらば、わしの城」
十五郎 「お主の城では無かろう」
坂本城は改築されて、庭を広くするそうだ。
途中、京の都にある明智家所有の屋敷に泊まった。
引っ越しを手伝ってる家臣は、隣の寺に泊まる。
本能寺の近くだったら良かったのだが。
明智光秀は、公家達と面会?に出かけた。
京の都の探索は、もうすぐ暗くなるので無理だった。
本能寺の事を、坊さんに聞いてみた。
十次郎「本能寺とはどういう所じゃ」
坊主 「あの寺は、上様の命令で改築され、城のようになっております」
十次郎「ほう、城のようになっているのか」
坊主 「都には似合わぬ、無粋な・・・おっと、これは聞かなかったことに」
これ以上は、聞けそうにないな。別の事を聴くか。
十次郎「伴天連はどうしておる」
坊主 「他の町では、信者を増やしているようですが、
都では、上手くいっていない様子でございます」
十次郎「嬉しそうじゃな」
坊主 「それは、色々な手を使い・・・おっと、用事がまだ済んでいなかった」
口の軽そうな坊さんは逃げた。
明智家の京屋敷の中を探索していると、倫子姉さんと旦那の明智秀満がいた。
秀満は京屋敷に置いていく、荷物の帳簿?を書いているようだ。
倫子姉さんは、部屋の中で座っていて特に何もしていない。
十次郎「弥平次殿(秀満)は、忙しそうですね」
倫子 「邪魔をしてはなりませんよ」
十次郎「姉上は何をしているのですか?」
倫子 「夫の仕事振りを、眺めているのですよ」
明智秀満が明智光秀の事をどの様に見ているか、一度聴いてみたいのだが、
光秀と同じぐらい忙しく、碌に会話をしていない。
十次郎「弥平次殿に、戦の話など聞きたいのですが、当分無理そうですね」
倫子 「引っ越してから二、三ヶ月ぐらいは忙しいと思いますよ」
倫子姉さんは、何度も引っ越ししているから慣れているようだ。
倫子 「父上ももう少しゆっくりできれば弥平次様も~(以下略)」
話が長くなりそうだ。
十次郎「お邪魔になりそうですので、お暇いたします」
倫子 「あら、そうですか」
まだ暗くなるまで時間があるな。
他にする事がないので、初菊の様子を見に行こう。
十次郎「初菊ぅ~、疲れたであろう」
初菊 「十次郎様、お見苦しい所を見せて申し訳ございません」
足をくずして座っていた初菊は、恥ずかしそうにしている。
乙寿丸は、どこかに行っているようだ。
十次郎「そのままで良いぞ、なんなら足でも揉んでやるぞ」
初菊 「そのような事されては誤解されてしまいます」
言っておくが、僕はまだ十歳、初菊は十六歳だ。
けして、スケベ心で足を揉もうとしたわけでは無い。
ただ、純粋に労をねぎらいたいだけだからな。(嘘です)
十次郎「遠慮することは無いぞ。わしらは馬に乗っていたが、
初菊は歩きであろう。さぞ、足が痛いのではないか」
初菊 「しかし、十次郎様にしてもらうと、色々と問題が~」
十次郎「もしかして、わしに触られるのは嫌か?」
少し悲しいそうに言ってみた。
初菊 「いえ、けしてそのようなことはありませんが」
十次郎「ならば良いのだな」
乙寿丸「あにうえ、はつぎくをこまらせてはいけませぬ」
チィ!戻ってきたか。
十次郎「別に困らせてはおらぬぞ。ただ足が痛そうだったので
少しでも良くしようとしたまでじゃ」
乙寿丸「でも、したごころがまるみえでございます」
なんて事を言う。こんな言葉を教えたのは誰だ。
十次郎「下心なぞ無いぞ。初菊と仲良くしたいだけじゃ」
乙寿丸「はなのしたがのびていました」
本当に誰だ、こんな言葉を教えたのは。
十次郎「初菊違うぞ、わしはまだ子供じゃ。けしてそのようなことはないぞ」
初菊 「・・・・・(じーーーーーー)」
乙寿丸「あにうえにはまだ、はつぎくをさしあげられませぬ」
今回は積極すぎたかな。
ただ、悪い印象は与えていないと祈りつつ、部屋を後にした。
明智秀満の呼び方ですが当分は弥平次と呼ばさせていただきます。解りにくくてすみません。
倫子に、旦那様と呼ばせようと思いましたが、違和感を感じた為、弥平次様と言わせています。
後で変えるかも知れません。
左馬助の呼び名も有名ですがたぶん使いません。




