29 十次郎 到着する
次の日、京屋敷から亀山城に向かった。
隊列は先頭に明智秀満、その後ろに明智光秀と側近達、
次に十五郎、僕と続いた。ここまでが馬に乗っている。
倫子姉さんと乙寿丸が真ん中あたりで駕籠の中にいる。
初菊や侍女達が、その周りで歩いている。
最後尾は、荷物運びに雇った足軽や小間使い達が続く。
爺は、最近足が遅くなったため、別行動で琵琶湖から船で宇治川を下り
桂川を経由して城に向かう。
僕が乗っている馬だが、二十歳くらいの老馬だ。
性格は大人しく、サラブレッドより小さいが足が太い。
乗馬初心者用の馬である。
十五郎「亀山城まで、あともう少しじゃ」
十次郎「山ばかりで、面白そうな物が無さそうですが」
十五郎「狩りができるであろう」
十次郎「落ち武者狩りは嫌ですよ」
十五郎「する訳なかろう」
十次郎「亀山城は、あの城ですか」
亀山城は、丹波国(現:京都府)の盆地のある城だ。
築城してからまだ新しく、綺麗な城で奇抜な所は無い。
十五郎「綺麗な石垣じゃのう」
十次郎「静かな所ですね」
坂本城下町は小さい港町だったが、亀山城下町は農村があるだけで、
お店らしき建物が見当たらなかった。
十五郎「籠城戦に向きそうじゃ」
十次郎「京から近いとはいえ、まずは町を発展させませぬと
不便で仕方ありませぬ」
十五郎「行商人を呼べば、問題なかろう」
十五郎は、戦関連の事にしか興味が無い。
跡取りなのに、領地経営に関心を持ってくれないと
この先、明智家の発展はむつがしい事になる。
十次郎「兄上、もうすぐ戦の無い世になりまする。
領地の事も考えなければ、上様に城を召し上げられます」
十五郎「内蔵助(斎藤利三)のような事、言うでない」
十五郎の教育係は、光秀の側近が手が空いた時、持ち回りで務めている。
側近達は戦で活躍した者ばかりで、内政に一番詳しいのは、斎藤利三である。
僕は、斎藤利三とまだ話したことは無い。
十次郎「内蔵助殿(斎藤利三)と一度、話してみたいのですが」
十五郎「物好きじゃのう。今度会った時、話をしてみるか」
斎藤利三は、どこかで聞いた事がある名前なんだよな。
もしかして結構、有名人なのかな?。
城の中は、純和風の落ち着いた感じである。
明智光秀は、安らぎを求めているのだろうか。
先に着いていた、爺が出迎えていた。
爺 「若様の部屋は、こちらでございます」
爺は、家族を坂本城に残して、城の中に住むことになった。
十次郎「爺は、家族と離れて寂しくないのか?」
爺 「家督も娘婿に、譲っておりますのでご心配なく」
爺の娘婿(名前は知らない)は、優秀な人物では無い。
主な仕事は、後方支援などの裏方である。
十次郎「部屋からの見晴らしは悪いのう」
坂本城での部屋は、琵琶湖が見えていたが、ここは木しか見えない。
爺 「この辺りは夏場、暑くなるそうなので、
涼しい部屋を割り当てたそうです」
十次郎「爺の部屋は隣か」
爺 「この歳で城の中に部屋を持てるとは、良き冥土の土産でございます」
爺の身分は高くない。元々は、祖父の明智光綱の家臣で、
斎藤道三が死んだ後は、農民として隠れて暮らしていた。
その為、若い頃は戦に出ておらず、明智家の家臣として復帰した頃は、
全盛期を過ぎており、手柄も立てたことが無い。
僕の教育係になったのは、字が綺麗に書けた事と、
農業に詳しかった為、選ばれたそうだ。
十次郎「庭で何か育てるか」
爺 「それは良いですな。瓜でも植えますか」
十次郎「瓜なぞ、どこにでも有るじゃろう。変わった物が良い」
瓜を育てるなら、舐瓜を育てたい。
マスクメロンを探しているのだが、どこに有るのだろうか?
十次郎「植物に詳しい者を呼んでおくか」
亀山城で、最初にする事は農業になりそうだ。
斎藤利三をそろそろ出したいです。
内政に一番詳しいと書いていますが実際はわかりません。
経歴が特殊な人の為、経験は有る可能性を考えました。
ゲームの信長の野望では政治のパラメーターが低いので、
違和感があるかもしれません。
(明智家の家臣みんな低すぎ)




