19 十次郎 プレゼントをする
十一月
もうすぐ京子姉さんが、結婚する。
今まで、碌に喋っていない。
結婚相手の津田信澄は、ヤバイ人だが
さすがに明智家の娘を無碍にはしないだろう。
だが、何が起きるかわからない。
今後の為に、少しでも京姉さんと、仲良くしておきたい。
プレゼントが、一番効果的だろう。
僕は台所に向かった。
十次郎「牛の乳と鶏卵の用意はできているか」
料理頭「はい、揃えておりまする」
十次郎「砂糖は」
料理頭「こちらに」
黒砂糖は少ししか、手に入らなかった。
十次郎「ギリギリ足りるか」
作るのは、女の子が大好きなスイーツ。
京子姉さんが、お菓子を好きなのは、リサーチ済みだ。
十次郎「牛乳と鶏卵をかき混ぜて~(以下略)」
十次郎「後は火にかけて~(以下略)」
十次郎「最後に蜜をかける」
料理人達に手伝ってもらい完成させた。
料理頭「これは何と言う料理ですか」
十次郎「秘密じゃ」
料理人達に厳重に口止めをしておいた。
十次郎「よいか、誰にも喋ってはならぬぞ」
一皿分、味見をしてみた。
十次郎「まあまあかな」
さすがに現代の味には遠い。
完成させたスイーツを京姉さんの部屋に持っていった。
十次郎「姉上、お菓子を持って参りました」
本当は珠子姉さんの時のように、送迎会をするはずだったが、
やんわり断られていた。
京子 「・・・」
十次郎「このお菓子は、他では食べられぬ物でございます」
京子 「・・・」
京姉さんは、一口食べた。
京子 「・・・・(おいしい)」
味は良かったようだ。
十次郎「貴重なお菓子なので兄上達にねだられると困るので、
二人だけの秘密にしてください」
京姉さんは、すこし笑った。
京子 「・・・・・(ありがとう)」
会話など無かったが喜んでくれたようだ。
数日後、京子姉さんは津田信澄に嫁いだ。
もうすぐ年が明ける。
スイーツはネタバレになるため秘密です。
45話が答えです




