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元ニート王子、1000年に1人の魔法で金の世界をぶっ壊す!  作者: Marons
ニート転生、金ノ國・魔法獲得編
3/18

3話 千年に一人だけ現れる“魔生成"

北東の魔法の塔に到着したタミィとディナール。

ディナールはユルスを払い、魔法を受け取る。

すべては、魔法・経済格差平等改革のために。

魔法の塔を出た瞬間、空気の重さが変わった気がした。

灰色の塔は、相変わらず無機質に空へ突き刺さっている。

だが、俺の内側だけが違っていた。

掌を開く。

魔力を流す。

目に見えない何かが、空間の“法則”を撫でる感覚。

「……本当に、得たんだな」

「はい。殿下の魔法は“魔生成”。極めて特殊です」

タミィの声は冷静だが、ほんの僅かに警戒が混じっている。

「属性ではない、と」

「はい。既存の火・水・風・土といった枠組みに属しません」

つまり、型がない。

それは自由で――危険だ。

俺は小さな火球を生成する。

定義:低出力。対象なし。持続三秒。

炎が浮かび、消える。

問題ない。

「基礎属性の再現は可能……」

「ですが殿下。魔生成は“条件記述”を誤れば、術者に跳ね返ります」

「塔で言ってたな」

俺はもう一度魔力を流す。

今度は条件を増やす。

対象:敵意保持者。

追尾:対象中心。

出力:中。

空間がわずかに軋む。

――やめた。

「今はまだだな」

平野で暴発したら洒落にならない。

タミィが静かに頷く。

「魔法は武器です。ですが殿下のそれは、“法則改変”に近い」

「……世界に喧嘩売ってるみたいだな」

「はい」

即答かよ。

歩き出す。

塔を背に、王都へ戻る道。

草原を渡る風が冷たい。

「殿下は、なぜ魔法を望まれたのですか」

不意の問い。

「決まってるだろ。改革のためだ」

「それは手段です。理由ではありません」

……面倒なメイドだ。

だが、誤魔化せない。

「理不尽が気に食わない」

言葉が、自然と出た。

「金で命が決まる国なんて、クソだ」

魔法は五百万ユルス。

平民は一生届かない。

貴族は生まれた瞬間に持つ。

「俺が王子である以上、知らないふりはできない」

タミィは少しだけ目を伏せた。

「……だからこそ危険なのです」

「わかってる」

魔生成。

こんな力を持つ王子は、歓迎されない。

だが。

「やる」

短い宣言。

やらなければ、塔に払った五百万が無駄だ。

いや。

金の問題じゃない。

覚悟の問題だ。

王都が見えてくる。

石壁。

煙突。

人の生活の匂い。

平和に見える。

だがそれは、上から見ればの話だ。

門をくぐると、露店の商人が頭を下げる。

子供が走り回る。

笑い声。

――守りたい、と思ってしまう。

「まず何から始めますか」

「経済改革は時間がかかる」

税制、流通、貴族圧力。

一気には無理だ。

「なら、治安だ」

「治安、でございますか」

「暴力が横行してる街で平等なんて語れない」

最低限の安全。

それが土台だ。

「魔法・経済格差平等改革」

言葉にすると、少し恥ずかしい。

だが続ける。

「フェーズ1――治安維持」

タミィが小さく頷く。

「妥当です。民衆の支持も得やすい」

「支持?」

「殿下は王子です。味方は多い方が良い」

……本当にメイドか?

「まずは巡回だな」

俺は腰の剣に触れる。

そして、魔力をわずかに巡らせた。

身体強化。

基礎的なものだが、確実に違う。

世界が遅く見える。

音が鮮明だ。

「制御は安定しています」

「三日間訓練したからな」

塔から戻ってすぐ、俺は平野で魔生成の基礎練習をしていた。

暴発もした。

自爆しかけた。

だが今は違う。

最低限の制御はできる。

「殿下」

「ん?」

「治安維持は、敵を作ります」

「貴族か」

「はい。特権を脅かす存在になります」

構わない。

むしろ、望むところだ。

街の中心へ足を踏み入れる。

人混み。

喧騒。

その裏に、きっとある。

理不尽。

「行くぞ」

「はい」

その瞬間だった。

遠くで、何かが割れる音。

怒鳴り声。

かすかな悲鳴。

俺は足を止めた。

タミィと視線が合う。

言葉はいらない。

これが――

フェーズ1の始まりだ。

はいどうも!Maronです!

そろそろ気づいている人も多いかもしれませんが、タミィはヒロインでしょうか。この答えはまだ出しません。いずれわかります。

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わからないことがある場合、コメントに気軽にお書きください!

ということで!Maronでした。

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