1話 金ノ國
アラサーニートの男は足につまづいて足を挫いて車に轢かれて死んでしまう。
転生した元ニートもとい王国「ユールリア」第五代王子ランソワ・ディナールに転生する。
この世界の格差と現実を聞き、絶望しながらも、
ディナールが目指す目標とは。
「あっ……これ……死ぬ」
そう思った時には、もう遅かった。
アラサーニートの俺は、推しアイドルの握手会へ向かう途中だった。
親の金で生き、働きもせず、毎年のようにイベントへ通う――そんな人生。
浮かれた気分のまま歩いていた俺は、横断歩道前の少し出っ張った石につまずいた。
運動不足の体はうまく踏ん張れず、足を挫いた瞬間、視界いっぱいに迫るトラック。
「あっ……これ……死ぬ……」
最期に思い浮かんだのは、親の顔じゃない。
推しの笑顔だった。
――俺は死んだ。享年三十歳。
だが次に目を開けると、そこはあの世ではなかった。
中世ヨーロッパの城のような天井、体を沈める豪華なベッド。
「起きた? ディナールちゃん」
母親らしき人物の優しい声が聞こえる。
しばらくして、周囲の会話から理解した。
俺は王国「ユールリア」の第五王子、ランソワ・ディナール(16歳)として転生していた。
異世界転生。
王子。
魔法。
正直、最初はワクワクしていた。
「魔法、使えるのかな……」
だが、その期待はすぐに打ち砕かれる。
「この国では、金を持つ者だけが魔法を使えます」
そう教えてくれたのは、ランソワ家直属のメイド、タミィだった。
金がある者は魔法を使い、
金のない者は魔法の実験台や盾、奴隷として扱われる。
「……人権は?」
思わずそう聞くと、タミィは首を傾げた。
「すみません。『人権』……とは何ですか?」
「は?」
俺はタミィに人権とは何かを説明した。
1からすべて。
「なるほど。申し上げます。...この国では、金こそがその『人権』でございます」
唖然とした。
確かに、窓の外を見ると、街を歩くのは貴族や金持ちばかり。
平民の姿は見当たらない。
おそらく、平民たちの生き残るためのすべなのだろう。
その時、外から声が聞こえた。
「平民どもに生きている価値なんてない!」
「せいぜい私たち金持ちの役に立ちなさいな!」
貴族たちが、平民を殴り、魔法でなぶっていた。
胸の奥が、ぞっと冷えた。
元ニートだった俺も、価値がないと言われてきた。
だが、真面目に生きる人間まで踏みにじるのは違う。
――こんな世界、間違っている。
そうだった。
ここは日本じゃない。
理不尽が当たり前の世界だ。
なら、その理不尽を――
王子の立場から、ぶち壊す。
金で独占される魔法を解放し、
すべての人間が平等に魔法を使える国を作る。
ランソワ家の名と財力を使ってでも。
王国ユールリアは、
俺が変える。
どうも。Maronです。
このシリーズは前作と違い、全部自分が考えており、AIは一切使っておりません。
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Maronでした。では。




