灰燼年代記
最新エピソード掲載日:2026/02/14
かつて名を持ち、
やがて名を失った地があった。
剣と血と歌がそれを語り、
石と風がその名を削った。
英雄は知らぬまま倒れ、
象徴は拒めぬまま祀られ、
願いは意味を与えられぬまま折れた。
生あるうち、名はなく、
死して後、名は集められ、
祈りと火の中で
別の声へと変えられる。
正義は語られ、
平和は歌われ、
戦は秩序として記された。
されど、
名を持たぬ者の息と、
届かなかった願いは、
いずれの書にも刻まれなかった。
時が流れ、
すべてが風となった頃、
影の中に、
小さき命が生まれ落ちたという。
――これを、
灰燼年代記と呼ぶ。
そして、名を持たぬ火は消えず、
世の底に伏して、次の時を待つ。
やがて名を失った地があった。
剣と血と歌がそれを語り、
石と風がその名を削った。
英雄は知らぬまま倒れ、
象徴は拒めぬまま祀られ、
願いは意味を与えられぬまま折れた。
生あるうち、名はなく、
死して後、名は集められ、
祈りと火の中で
別の声へと変えられる。
正義は語られ、
平和は歌われ、
戦は秩序として記された。
されど、
名を持たぬ者の息と、
届かなかった願いは、
いずれの書にも刻まれなかった。
時が流れ、
すべてが風となった頃、
影の中に、
小さき命が生まれ落ちたという。
――これを、
灰燼年代記と呼ぶ。
そして、名を持たぬ火は消えず、
世の底に伏して、次の時を待つ。