世界の主(ワールド・プリマリー)の子供達・Ⅵ
「二百年で50個も集めたんだぞ。あの男は邪魔してくるしっ。傍観してるだけの、テメーに文句言われる筋合いはないね!」
ソロモンの数は合計──七十二。
それは〝ソロモンの精霊〟に由来している数字だ。
かつて──精霊や神獣、天使や悪魔が地上にいた時代があった。
その時に「魔術師」に属していたソロモンという錬金術師がおり、彼に仕えていたのが七十二の精霊──後に〝ソロモンの精霊〟と称されることになる悪魔たちだった。
ソロモンの名はソロモンの精霊の名を与えられている。だから、七十二存在しているのだ。
今はもう、精霊などは別次元におり、召喚ぶことができるのは「魔術師」のみだ。
「あの男が邪魔してくるのは当然だろ。ソロモンを預けたことといい、ちゃんと考えて行動しろ。子供じゃあるまいし」
瞬間、サルサディアは椅子から立ち上がり、部屋から出て行った。
「……ローク」
「なんだ。俺は間違ったことは言っていない」
諫めるように名前を言われ、ローゼンクロイツはレヴィを見た。
「──どちらへ?」
玄関の扉を開けたサルサディアに聞いてきたのはウィルカ。
「ここでの用事はすんだから、帰るんだけど」
「外は真っ暗ですが……」
時刻は夜中の三時に近い。サルサディアは「別にいいよ」と答え、出ていってしまう。
「……ウィルカ、心配する必要はない。彼らにはソロモンがいるし、なにより〝世界が〟彼らを守るからね」
「はい」
主の言葉に頷き、レヴィの後ろに立っているローゼンクロイツに視線を移す。
「なにか言いたそうだな」
「彼らのことを任されたのは貴方でしょう」
その言葉にぴくりと、ローゼンクロイツの眉が動く。
「おやめ、ウィルカ。とにかく、彼らのことは放っておく。君も今夜は泊まるだろう」
ローゼンクロイツは無言で去り、レヴィは彼の後ろ姿を見つめながら、大きな溜め息を吐いたのだった。




