破壊者(アナレティック)・Ⅱ
「いい加減にしなさいよねー。アンタたちがケンカしてる間に解除しちゃったわよ」
微妙な空気の中、口を開いたのはアーヴィガイヌ。封印を解いたソロモンを小袋にいれながら、言葉を続けた。
「ローゼンも怒んなくてもいいんじゃない。レヴィは無事だったわけだし。そりゃあ、メイザースに眠らされてたのにはビックリだったけど」
アーヴィガイヌとローゼンクロイツが館主の所から戻ってきて、レヴィが術で眠らされていたことに驚いた。もちろん、ローゼンクロイツが術を解いたので、レヴィは起きているのだが、彼に術をかけたのがメイザースだったので、ローゼンクロイツはどういうことだと説明を求めた。けれど、レヴィは謝るだけであった。
「なにもなかったんだから、別にいいだろう」
お前なあ、とローゼンクロイツは呆れながら、レヴィに言う。
「相手はメイザースだぞ。あの三人の次に長生きしているメイザースに術をかけられて、なにもなかったって言葉を信じられるわけないだろが」
「世間話しかしてないよ」
「メイザースは敵だぞ!」
知ってるよ、とレヴィは答える。そして一度、目蓋をおろし、次に目蓋を開けたレヴィは「うるさい奴だ」と言葉を発した。その言葉にローゼンクロイツが眉をひそめた。




