ご飯だよ。
「一体どうしたら…」
——ガチャ——
「おまたせ〜!シチュー持ってきたよ!」
「ぁ…、うん…」
「はい、お口開けて〜!あーん♡」
「い…いや…いらない…、」
「え?なんでよー、ご飯食べなきゃ!ね?」
——グリグリとスプーンを口に押し付けてくる——
美味しそうな匂い、見た目は普通のシチュー。
ただ、具材がおかしい。じゃがいも、人参、ほうれん草、鶏肉…ここまでは普通のシチューだ。
でも…、所々に見える黒い塊、毛、半楕円形の白いもの。…恐らく爪だ。
そんなシチュー食えるわけがない。
「どうしたの?いらないの?せっかく作ったのに」
「…お腹…空いてないから、」
「……ふぅん。そっか、じゃあ仕方ないね。置いとくよ」
——それから沈黙が続いた——
チクタクと刻まれる時計の音だけが静かな空間に響く。
息が詰まるように重い、光はずっと僕の目を見てくる。
耐え切れなくなった僕は口を開く。
「…なに、そんなに見て。見てるくらいなら帰してほしいんだけど」
「綺麗な目だなって。……別に帰らなくても良くない?」
「生活は私が支えるし、外に働きに行かなくていいし、ご飯も、掃除も、お風呂だって、全部私がやってあげるのに」
「……自分のことは自分でやりたいし自由欲しい。」
「急になんでこんなことしたんだよ。」
「今まで普通の友達だったじゃないか」
「……好きだから。でも、ずっと私のこと友達としてしか見てくれなかったでしょ?」
「だから…他の人に取られたくなくて、他の人を好きになって欲しくなくて」
「強引だったとは思ってるけど、…これで一生一緒」




