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もう貴方しか  作者: ゆき
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3/3

ご飯だよ。

「一体どうしたら…」


 ——ガチャ——

「おまたせ〜!シチュー持ってきたよ!」


「ぁ…、うん…」


「はい、お口開けて〜!あーん♡」


「い…いや…いらない…、」


「え?なんでよー、ご飯食べなきゃ!ね?」

 ——グリグリとスプーンを口に押し付けてくる——

美味しそうな匂い、見た目は普通のシチュー。

ただ、具材がおかしい。じゃがいも、人参、ほうれん草、鶏肉…ここまでは普通のシチューだ。

でも…、所々に見える黒い塊、毛、半楕円(はんだえん)形の白いもの。…恐らく爪だ。

そんなシチュー食えるわけがない。


「どうしたの?いらないの?せっかく作ったのに」


「…お腹…空いてないから、」


「……ふぅん。そっか、じゃあ仕方ないね。置いとくよ」


——それから沈黙が続いた——

 

チクタクと刻まれる時計の音だけが静かな空間に響く。

息が詰まるように重い、光はずっと僕の目を見てくる。

耐え切れなくなった僕は口を開く。


「…なに、そんなに見て。見てるくらいなら帰してほしいんだけど」


「綺麗な目だなって。……別に帰らなくても良くない?」

「生活は私が支えるし、外に働きに行かなくていいし、ご飯も、掃除も、お風呂だって、全部私がやってあげるのに」


「……自分のことは自分でやりたいし自由欲しい。」

「急になんでこんなことしたんだよ。」

「今まで普通の友達だったじゃないか」


「……好きだから。でも、ずっと私のこと友達としてしか見てくれなかったでしょ?」

「だから…他の人に取られたくなくて、他の人を好きになって欲しくなくて」

「強引だったとは思ってるけど、…これで一生一緒」



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