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東方剣録伝  作者: 黒井黒
第1章 出会いの始まり
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道中にて

道中編を結構編集しました。これじゃあリメイク版だよね



「やばい……迷った」



ああ、どうしよう。

博麗神社に行くと言ったものの、全然場所が分からない。地図見ながら行ってるだけどな……それよりもこんな気味の悪いとこ早く出たい



「あ、あれ?なんか前に見たことがある場所だな」


薄暗い霧に囲まれ、変な植物や何やらが生い茂っている。ここは一番初め、俺が幻想郷に来た時に紫と話した場所だ。


「あー、腹減った。こんな事ならお弁当ぐらい作ってもらえばよかった」


「どっかに、休める場所ないかな~」


本当に怖いなこの森……というかあれからだいぶ歩いているけど一向に進んでいるような気がしないんだか?というより


「さっきも通ったぞこの分かれ道」


さっきは右を通ったから、今度は左の道に進むことにした。


「………………どうしよう」


またさっきと同じ道だ。これは誰かのイタズラか?


「本当にうざいな、これ」


俺はだんだんイラつき始めた。こっちは1時間近く歩いている。体も心もヘトヘトなのに、何回やってもまた戻ってくる。クソイラついた


「この変なのとっとと終われ!!」


そう俺が怒りに任せて叫んだら、後ろの方で何が壊れ、砕け散った音がした。その瞬間振り返ったが何もなく、もういいや、と思い前を向いたら


「ん?あれって!」


遠くの方に家が見える。洋風でオシャレ感漂う感じの家がぽつんと建っていた。


「訳分からないけどラッキー!これで休めるかもしれない!」



移動中




「や、やっとついた…」


見てけた時少しは離れていたのは見えたけど、ここまで遠いとは……

もう疲れた。早く休ませてもらおう


「こんにちわー!誰かいますか?」


呼びかけに応じる声は帰ってこない


「あ、あれ?おっかしいな~、外から人影が見えたような気がしたんだけど……?まさか幽霊!?」


そんなくだらないことを考えていると、キッチンの方からガタッと音がした。


「え?まさか本当に出たの?」


すると黒い影がチラッと現れた。


「ギャー幽霊~!」



「失礼ね。幽霊なんて」


そこには金髪ショートの綺麗な人がいた。上品な雰囲気がある、都会のお嬢様的な?


「それにここは私の家なのよ。勝手に入ってきて、幽霊とは何よ!幽霊とは!」


「す、すいません!」


「まぁいいわ。それより何か用なの?」


「別に用ってことじゃないんだけど、森の中を歩いていたら、この家が見えたから寄ってみた」


「じゃあ帰ってくれる。私も暇じゃないの」


やっぱり何か怒られせたかな?まぁ心当たりはあるけど、


「ところで……どうやって、私が張った結界を破ったの?結構いい出来だったんだけど」


「結界?そんなのあったっけな?」


俺は身に覚えが無かったけど、ものすごく鋭い目つきで睨んでくる。でも俺が答えたらさっきまでの柔らかい顔に戻った。


「あれ?あなたがやったじゃないの?だったら誰が?」


「何で結界を張る必要があるんだよ、無くても良くないか?」


俺がそう質問した瞬間、しっ、そう俺は言葉を止められ、その人が立ち上がり、窓に向かって走り出し辺りを見回した。


「これが結界を張っている理由よ……こうでもしないと危ないのよ」


「なるほど……よく分かったよ」


彼女の必死の表情で分かったが、彼女がいった結界というのは妖怪避けの意味があったんだな。


「それと……」


彼女その言葉の後でこう続けた。


「最近変な奴が来るから困っているのよ、だから道迷いの魔法を付与したのにな……壊されてら仕方ないわね、また一からやりなお……」


「お前だったのか!あれ!」


俺は声を上げて叫んだ。めっちゃ疲れさせた犯人がここにいたのだ。ここはきつく叱ってやらねばならない


「怒ってるって事はあれに引っかかったのよね?それでどうだった!」


彼女は身を机から乗り出して聞いてきた。

顔がちょっと近い……


「あ、あの?……」


「あ!ごめんなさい……つい興奮してしまったわ/////」


すぐさま元に位置に戻り、頭を下げて謝ってくれた。その後は結界の事でこれ以上怒る気にはなれなかった


「でも、その魔法ならものの見事に引っかかったよ。ほんとよくやってくれたよ」


俺は笑顔でそう答えた。そして、彼女が頭をあげて少し笑った。


「私はアリスよ」


「え?」


「名前よ名前!あなたの名前は?」


「俺は、和也って言います」


突然名前を聞かれたので咄嗟に敬語になってしまったが、アリスは笑って


「貴方がここに来たのも私のせいだし少しの間休んでいってもいいわよ」


「じゃあお言葉に甘えて、少し休ませてもらおうかな?」


side アリス


私今突然家に上がり込んできた人と話している。さっきから雑談を交わしているけど、どうやら外の世界の人で記憶喪失になってるらしい。最初は結界を破られたせいで妖怪かなのかと間違えそうになったけど、


私が淹れた紅茶を飲んで待ったりしている人が妖怪なわけないわよね

そして、私は気になることを聞いてみた


「和也さんは何の用で、こんな森に来たの?」


「別に和也でいいよ。それでここに来た理由は、博麗神社に用があっだけど……後は分かるよな」


ちょっと睨んでくるあたり、まだ根に持ってる感じね

細かい人だわ・・・私のせいだけど


「でも、誰がどうやって結界を破ったのかしら?何か心当たりないの?」


「そう言われてもなぁ〜、あっ!でもここに来る途中に気になる事があった!」


「気になること?何か見たの?」


「いや、何度も何度も同じ道を歩いてちょっとイラつき始めた時に、パリン、って何かが割れた音がして後ろを見ても何もなくて、そのまま行こうとそれで前を向いたらアリスの家がいきなり現れたんだよ」



「割る音ねぇ、その時に結界が壊れたんだと思うけど……ねぇ和也、貴方何か能力とか持ってる?」


何かによるけど、和也がもし結界に対する何らかの能力を持ってるとしたら、この事に説明がつくんだけど……


「詳しいことは分からないけど、一応能力を持ってるらしいぜ?それが何かは分からないけど」


「やっぱり能力持ちだったのね。私としては貴方がどんな能力を持ってるか知りたいとこだけど、貴方が何者かも知らないし、やっぱり博麗の巫女の所で見つけてもらった方がいいんじゃない?」


それだ!、と和也は私に指を指してきた。私がそれに対して困惑した表情を浮かべると、ごめん、と言ってすぐに謝った。

優しい人なんだなと私はそれだけで思った。

正直私は、人との関わりはほとんどない。それも数少ない男の人。

これまで、結婚してください。なんて言われたこともあるけどそれは私が魔法使いだからなんだけど

毎回言い寄ってくる人は下心か私の魔法が目当てでしかない、でもこの和也はここに来て間もないからかも知れないけど見ず知らずの私に優しくしてくれる。

もう少しいたいと思った。


「それじゃあアリス、博麗神社の位置を教えてくれる?」


「え?いいけど……何でそこまで博麗神社に行きたいの?」


「少しな...博麗の巫女に興味があるんだ。それにあそこに行けば何かと便利かなぁーなんて思ってな」


「そうなんだ…じゃあちょっと付き合ってくれない?」


私は少し強引に和也を引っ張った。和也は困惑しながらも抵抗せずに付いてきてくれた。

やっぱり優しいな、と私は思い和也に一体の人形を渡した。


「なにこれ?人形?」


「見ればわかるでしょ」


「それでどうすればいいの、貰っていいの?ンッ?ここ、解れてる?」


「貴方にはそこを直してもらいたいの、言っとくけどめんどくさくて適当にやったら怒るからね。私は長年人形作ってるから手を抜いたら分かるんですからね」


はいはい、とテーブルに置いてある裁縫道具を手に取り、縫っていく。それは、綺麗とは言わないが普通の男の人よりは上手い。及第点だろう。


「イテッ!やっちゃったよ」


笑いながら私に顔を向けてきた。和也の指先には血が流れている。結構深く刺さったのでしょう。


「しょうがないわね……待ってて」


そして私は棚の引き出しから、最近幻想入りした絆創膏?というやつを取り出し和也に渡した


「これの使い方、記憶なくしても何となく分かるんじゃないかしら」


「まぁこれくらいは分かるよ」


和也は絆創膏のシールを剥がして、自分の指に巻く


「ありがとうアリス、助かったよ」


「そう、なら良かったわ。それじゃあ、早く直しなさい。神社行きたいんでしょ」


私は和也の隣の席に座って、あれこれ和也の裁縫の仕方を直しながら、雑談をかわした。

そして、


「や、やっと直ったー!!」


「おめでとう、まぁよく出来たわね」


「もっと褒めてくれてもいいんじゃないか?俺頑張ったぞ?」


「はいはい、よく出来ましたー」


「まいっか、じゃあはい!」


そして、人形を渡された。私はこのまま受け取ろうとも思ったけど、


「いいわ、その人形貴方にあげるわ。それを博麗の巫女への手土産にでもしたら?」


「……でも」


「イイわよそれぐらい、直すの手伝って貰ったし、その方がいいと思うし」


それならと、人形を渡そうとした手を引っ込めて自分の胸に引き込んだ。


「それじゃあ、約束通り……」


「分かってるわよ。はい、地図に書いてあるわ」


「ありがとう、それじゃあ、博麗神社に向かうな」


「はいはい、いってらっしゃい。それと……」


「ん?なに?」


「ま、また今度ここに来なさいね!!」


「分かってるよ!また今度な!」


バタンといってドアが閉まる。行ってしまった。けど、寂しいより楽しみという感情の方が大きい。そしてつい笑ってしまった。


「本当に面白いわね。あの人」


「外の世界の人ってこんなにも面白い人が多いのかしら?興味があるわ」




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