白玉楼 前半
連続で投稿です。
よかったら見てください
和也は疑問に思っていた。なぜ自分は、今空の上にいるのか。それも真っ逆さまに地上に落ちていっている。怖くて声も出ない。誰か助けてーと叫んでも風でかき消される。「オワタ」いいやふざけてる場合ではない。
このままだと確実に死ぬ。
「もうこれは運に任せよう」
それにしてもなんでこんな所に落としたんだあいつは
わざとにしか言えない。
あぁ俺は憎いぞ、あいつが憎い
「あぁー!地面が」
そうして和也は目を閉じた、落ちた時の衝撃で気づいたのは、ここは地面ではなく、水面だったということだ。
「だい.....ぶ.....すか」
落ちてから何秒たっただろう。なんか人の声が聞こえる。誰だろう。俺はたした池に落ちたはずということは生きてるんだ!
そう思った瞬間、ふっと意識が戻った。
「大丈夫ですか!?」
俺は咳をしながら返事をした。
「ごほぉ、、ごほ..ごほ あれ、ここはどこだ?」
「あぁー やっと起きましたか。」
和也に話しかけてきたのは、白髪の腰に刀を持った女の子だった。
「何か池に落ちたと思ったら人なんですもんびっくりしましたよ。」
その女の子は、胸を撫で下ろしタオルを俺に渡してくれた。そして、そのタオルで池の水でびしょびしょになった髪や体を拭いて、そのまま彼女に聞いた。
「ここどこだ?」
「ここは、白玉楼ですよ」
「どこ?」
「冥界ですよ。冥界というのは死んだ人の魂の霊がここにやってくる場所です。」
「や、やっぱり死んだのー あは、アハハハ」
やっぱり死んだのかと思いながら白髪の女の子の顔を見ると、呆れた顔をされていた。
「何をふざけているんですか……さっき、人が落ちてきたと言いましたよね。ここは魂が来るところです。だから、あなたは死んでませんよ」
「そうなんだ。ならよかった」
「それよりあなたを私の主の元へ連れていきます。付いてきてください」
「わかった」
和也はそう言ってこの人から貰ったタオルで体を拭きながら長い廊下を進み、一つの大きい部屋に入った。
「ここに着替えが置いてあるので、着替えたら教えてください。荷物もここに置いといたので…」
「分かった。じゃあ着替えたら呼ぶよ」
その言葉を聞いて彼女は襖を閉める。
彼女が言っていた着替えというのはこの浴衣のことだろうか。
「とりあえず、着替えるか」
浴衣はすんなりきれて、何となく常識ぐらいは覚えているらしい。
「おーい!着替えたぞ!」
読んだらすぐに彼女が来てくれた。そして、ついてきてください、と言われたのでついていき、屋敷らしき建物の一番奥の部屋につき、襖を開けるとそこには、扇子を片手にお茶を飲んでる人がいた。すごく華奢で綺麗な人だった。
「よく来たわね。そこに座りなさい。妖夢、この人にお茶を」
「わかりました。」
へぇーあの子妖夢っていうんだ。あの白髪で刀を指している子が妖夢ね、覚えた方がいいかもな。そう思っていると目の前の人が茶を机に置き、俺に話しかけてきた。
「あなた」
「はいぃ!?」
何も準備なくいきなり話しかけられて、驚き声が裏返ってしまった
恥ずかしい……
「そんなに固くならないでいいわよ」
彼女のその言葉に頭をさすりながら、はいと答えた。
そして彼女は話を続けた。
「ここに来たのはなんでか分かる?」
「いえ、分かりません」
「紫、何も説明しなかったのかしら」
説明しなかった訳でもないけど、こんなところに来るとは思って見なかったな。というよりほとんど説明受けてねぇー、俺の過去の話しかしてないような。
「あなたがここに来た理由はね。ここが一番安全だからなのと……私が紫の友人だからよ。貴方も妖怪が沢山いる所に落とされたくはないでしょ?」
「そうですね」
そうか紫はこの人が友達だからここに送ったのか。それにしてもあんな高いところから落とす必要があったのかが疑問に思う。次あったらとっちめてやる。
「しょうがないのよ。あの人悪戯好きだから」
あれ?言ってもないのに、この人は俺が紫を憎ましく思ってることを当てた?なんで?
そう、困惑していると
「顔に出てるからよ」
と、くすりと笑った。
「そうですか」
俺は恥ずかしそうに照れた、2回もこんなに綺麗な人に恥ずかしいところを見られてしまった。そんな、後悔の念を抱いていると
「お茶が入りました。」
「ありがとう妖夢。あなたも座って。」
ハイと言いながら座る妖夢
「自己紹介がまだだった。私は西行寺幽々子
そして、そこに座ってるのが庭師の……」
「魂魄妖夢です。よろしくお願いします」
「よろしく」
このピンクの人が幽々子で白髪が妖夢っと、
「貴方は」
「僕は和也?です。」
曖昧だけど最後スキマから落ちる時、そう呼ばれた気がしてそれが、俺の名前だろうと思った。だから名前が疑問形になってしまった。
「どうしたの?」
俺はいままでの経緯と記憶喪失ということを話した。
「それは残念ねぇー」
「はい、だから前のことはよくわからなくって」
「それでもあなたは緊張し過ぎよ。敬語じゃなくて全然構わないわよ」
そう言って幽々子は緊張をほぐしてくれた。
「わかった。 ありがとう」
「どういたしまして....ウフフ」
「どうしたの?」
「あなたが面白いからよ」
「俺が面白い?」
和也が自分のなにが面白いのか考えていると。
「あなたこの世界の仕組みは知ってる?」
唐突に質問された。そういえば自分はこの世界の事何も知らなかったな。知ってるのといえばこの世界が幻想郷と言われていることぐらいしか知らないな。
幽々子「この世界は人間と妖怪が居て、一応共存して暮らしているの、そして、この世界にはルールというものがない。だから、何にも縛られるものがない、だから自由に暮らせるの」
「人間と妖怪が共存?そんなの……」
「出来るわけがない…かしら?」
俺はコクリと頷いた。記憶がなくなったと言っても最低限、皆が承知のことはある程度分かっているつもりだ。妖怪は人間達をただ弱いだけの動物だと思い、人間は妖怪を恐れ、何もしない。それが妖怪と人間との溝だ。
「妖怪は人間の恐怖心、憎悪、負の感情で生まれる、そして一部の妖怪はその人間の恐怖心を煽り、自身の快楽の為に利用している奴もいる、そして人間も、それらに対抗するために妖怪を殺したりもする。……本当に生きている者は醜いわ」
「幽々子はもう死んでるのか?だとしたら何で肉体があるんだ?」
「それは私が幽霊ではなくて、亡霊だからよ」
「幽々子様!?」
「何が違うんだ?」
「それは話したくないわ……」
幽々子や妖夢の雰囲気が重くなる。それで妖夢が止めたのか、
「何かごめん……。嫌なこと聞いちゃったな」
「いいんですよ!お気になさらず!」
妖夢は必死の取り繕って、その後幽々子を少し睨んだ
「幽々子様もベラベラと喋りすぎです!自分のしたくない話ならしないで下さい!」
「だって、聞いてきたから〜!仕方ないじゃない!」
妖夢と幽々子のやり取りを聞いているとつい笑ってしまった
「アハハッ!面白いな2人とも」
「何が面白いんですか全く」
妖夢がプンプンと怒ってるけど本気で怒っているわけじゃないな。そして、気になることを聞いてみた
「2人って主人とその庭師って関係でしょ?何でそんなに仲がいいの?」
幽々子と妖夢はお互い顔を合わせ、クスッと笑った。
「そりゃあ、付き合っている年数が違うもん、当たり前よ」
「何年一緒にいるの?」
「ノーコメントよ。それよりもさっきの話からだいぶ逸れちゃったわね。話しを戻すわよ」
そして、幽々子は扇子を持って顔を扇ぎながらまた真剣な顔つきになった。
「さっき話を聞いての今の幻想郷。ここは比較的平和平和だと思わない?、外の世界に比べたら何十倍もね……そして、この世界を作った私の友人、八雲紫は凄いと思わない?」
そう自慢げに言ってきた。あんな奴がかとは一瞬思ったけど、嘘をついているようには見えないし、嘘をつく理由がないので質問しなかった。それでも……
和也「確かには凄いと思うよ。でもどうやって作ったの?それと思ったんだけどここって外の世界と少し違うよね?記憶無くて確かじゃないんだけどそう思う」
幽々子「それはどっちも紫の能力が関係しているんだけどね…」
和也「能力?」
紫との会話でも出た単語だ。【能力】それは後で話すと話を置いた幽々子に対して俺はうずうずするくらい気になったけど、また話してくれると言ったのでこれ以上気にしないことにした。そして幽々子は話を続けた。
「そしてね?紫以外にも幻想郷創立に立ち会った人が居るのよ。……...博麗の巫女」
「博麗の巫女?」
「そう、初代博麗の巫女が紫と一緒に妖怪や人間達を、ここまで連れてきたの。そして、その功績が認められて、今の幻想郷における管理者に次ぐ役職なっていると言ってもいいわね。そして、唯一人間で妖怪に対抗できる血筋を持っている一族よ。今の博麗の巫女、博麗麗奈は鬼って言われているわよ。妖怪をバッタバッタ張り倒す、妖怪よりも強い数少ない人間よ」
「そうなんだ」
「長く話しちゃったわね?ごめんなさい」
「いや、ありがとう、よくここの事が分かったよ」
俺は博麗の巫女に興味が湧いてきたと同時に少し恐怖を覚えた。人間がどうやって妖怪を退治するのか。人間なのにどうして妖怪と張り合えるかと。
そう思っていると幽々子が妖夢に指示を出した。
「何を言ったの?」
「あなたの持ち物を取りに行かせたのよ」
そう言ってると妖夢が戻ってきた。
「はい。これがあなたの持ち物ですよ。結構重いんですねー。」
俺は妖刀と自分の愛刀と紫が言っていた二つの剣を受け取る。でも、あれ、これそんなに重かったっけ?なんとも思わなかったな、むしろ少し軽いくらいだ。
「そうだ。 あなた達少し試合をしてみない?」
「し、試合?」
幽々子が言う試合とは力比べ的なものだったが、俺はここに来て間も無く、外の世界で戦闘経験があるかないかも分からなかったから、無理だ、と思った。
「幽々子様 それは流石に……」
そうだ。妖夢なんとかしてくれ、と妖夢にすがるように見つめる。妖夢と目が会いそれを察してくれたのか
幽々子を説得しはじめた。だけどすぐに……
「あら、妖夢負けるのが怖いのかしら」
「そんなわけないじゃないですか!」
「どうかしら?」
「わかりました! やってやりましょう!本気で行かせてもらいますよ!!」
妖夢の目は闘争心に燃えるライオンの様な目に早変わりした。おーーい妖夢お前までなんでヤル気になってんだよ!
おかしいだろ!!幽々子なんでお前は、 何にやけてるんだ!!
「はやくやりますよ!早く早く!」
「はいはい、やればいいんでしょ、やれば」
俺は自分の愛刀だけを持って、中庭に向かった。
次に戦闘シーンですよ。
全く自信なし にわか知識でできるかなぁー
あと、これはまだ霊夢も魔理沙もいません。
スペルカードがない時代です。そこはよろしくお願いします