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 最強の魔法は何だろう。それは、いちばん攻撃力の高い攻撃魔法だというものもいるが、詳しいものほど、別の系統の魔法を上げる。例えば、時を止める魔法や、催眠術、神の力を借りて敵を浄化する魔法や、自己犠牲によって仲間をすべて蘇らせる魔法などだ。ジトが選ぶ魔法は何だろうか。

 敵は、時空を超えることができる。そして、死んだ後、自動蘇生することができる。ほとんど不死身に近い。ジトが神の力を借りるのは無理だ。神は力を貸さないだろう。この戦いで、魔王が神に罰せられるとはとても思えない。では、どうするか。ジトの力の源である堕天使は、すでに、宇宙に浮いてむき出しになっている。魔王が気づいていないわけがない。いつ、魔力のもとを断たれるかわからない。絶対に不利だ。

 魔王に催眠術をかける勇気はない。心理戦では、絶対に魔王が勝つだろう。では、どうしたらよいか。

 魔王の自動蘇生魔術を封印する自信もない。とても、魔力では叶わない。

 絶対に勝てないはずの敵にどうやって勝つか。

 外から攻撃してダメなら、中から攻撃すればいい。やってみようか。ジトは試してみた。無駄だった。

「そうだ! 戦って勝てないなら、逃げればいい。時間を加速して、魔王の寿命が尽きるぐらいの未来に逃げよう」

「ダメよ。逃げちゃダメ」

 ジトの作戦に、リリが反論した。

「なんでだよ」

「逃げたら面白くない」

「くっ」

 戦いとは、極限でも、気まぐれを気にして戦わなければならない。

 そういえば、ジトが読んだ禁術の中に、無限の時空を二重にしてぶつける魔法があったが、あれはジトの魔力が足りずにできそうにない。神も殺せるだろうと、禁術書には書いてあった技だ。

 では、ジトはどうする?

「ジト、どうするの?」

 ごおおおと魔王が吠えている。さっきのはリリの声か。

「今、考えてる」

 ジトが答える。そうだ、何も、自分で魔王の倒し方を考えることはない。魔王に考えさせればいいんだ。

「魔王ジュピロ。おまえの倒し方は何だ」

「教えると思うのか、若造」

 その間に、ジトは魔王の心を読んだ。魔王は、自分の倒し方を思い浮かべた。それは、かつて魔王を倒した聖剣ジュピロで切りつけることだった。ジュピロで切りつけると、魔王は時空的に拡散して死んでしまうのだ。

「作戦は決まった」

 ジトがいった。

「勝てそうなの?」

「勝算はある」

 リリは面白がった。これが、ジトの本当の顔か。今まで知らなかった。

 ジトは堕天使に頼んで、聖剣ジュピロを取り寄せた。それは異界から飛んできた。

「うりゃあ」

 ジトが聖剣ジュピロで切りつけると、魔王ジュピロは時空に拡散して死んだ。

 ジトの勝ちだ。


なんとか、やっつけた。疲れた。

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