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僕と記憶とメガネと精霊と  作者: 風紙文
comecloseの章
20/20

エピローグ

全20話による「僕と記憶とメガネと精霊と」ついにエピローグを迎えました。

彼らの物語はまだまだ続きますが、それを追えるのは、ここまでとなります。

これまでのご拝読ありがとうございました。


…目を開けた先は、二段ベッドの上だった。

電気はついていない、カーテンから漏れる朝日が唯一の光源だ。

…長い夢を見ていたように、長い間、僕の記憶を思い出していた。

最も重要な部分を、僕が僕になった理由をだ。

全ては仕組まれた事、僕が望んだ事だったんだ。

でも……おかしいな、何で僕が戻ったんだろう?

僕は僕の中、中紫 晶の中のもう一つの人格。本人格に何かがあった時にだけ出てくる筈の僕が、また出てきている。

「…晶?」

声が聞こえた。

横を向く……だが、今はメガネが無い、声は聞こえるけど姿は見えない……でも、言葉は繋がる。

目を閉じて、言葉を送る。

『ピスラ…』

『晶……晶だよね?』

『うん……僕だよ』

『良かった……戻ってきて……本当に』

言葉だけでは分からないけど、ピスラは泣いているかもしれない。今は目を閉じているのもあり、それは見る事は出来ない……いや、見てはいけない。

『でも、どうして戻ってこれたんだろう?』

『そ、それは……』

「そこからはうちがお話し致しましょう!」

「!?」

突然、鞄のファスナーが開かれた。

姿は見えないが分かる。トルマが飛び出したんだ。

「ト、トルマ?」

「話は大部分聞かせてもらったからね! 泣いているピスラさんに変わってうちが語りましょう!」

「なな、泣いてなんかないもん!」

「とか言っちゃって~、じゃあコレを晶くんに渡しても良いよね?」

「え?」

すると、メガネが宙に浮いていた。

「晶さん、こちらを」

アクアが持っているらしく、眼鏡に少し映っている。

「あ、ありがとう…」

手を伸ばすと、

「だ、ダメ! 眼鏡を渡さないで!」

「わぁ!?」

メガネが遠退いた。メガネの向こうに、ピスラがアクアにタックルしているのが見えた。

「おやおや~? 泣いている姿を見られたくないからかな~?」

「そそ、そんな訳じゃないもん!」

なんだろう? ピスラの話し方が変わっているような気がする。今までのも演技だったのかな?

「じゃあ晶くんにこの状況の意味を語ってください」

「もちろんよ!」

ピスラは語りだした。



「実はな、記憶を忘れすぎて元の晶に戻せなくなったんだよ」

「は?」

「今のこれは俺が手を加えた一時的なもんでな、後数分もすればお前はまた中に戻っちまうんだよ」

「おいおい……それじゃ何で俺は出てきたんだよ」

「そりゃまぁ、現状報告と、かなり確信に気づいたからだ」

「そうかよ……まぁ良いさ、今しばらく休みを楽しまさせてもらうかな」

「悪いな」

「良いって事よ。後、現状報告はこれからいらないぜ、全部見てるから」

「見てる? どうやってだ?」

「眼鏡の先の瞳からだ」

「おっと、もう時間だ」

「スルーかよ……じゃあ最後に、ピスラとか言ったな、アイツに伝えてくれ…」



「何でもやってみろ、何においても、やってみる価値はある……だってさ」

「……」

やってみる価値はある。前の僕の口癖だったんだ。

「とりあえず、忘れた記憶が全部戻るまではこのままだってあの人は言ってたからさ、その間に記憶の精霊を探そうよ。そうすればきっと、今と前の晶が一緒にいられる方法が見つかる筈だよ。頑張って探そう」

「うん。そうしよう」

「晶さん、こちらを」

メガネが再び近くに来る。

「ありがとう」

メガネを受け取り、顔にかけた。

「私もお手伝いしますです。一緒に頑張りましょう」

にっこり笑った顔のアクアが見えた。

「もちろんうちも手伝うからね! 晶くんを最初の助け人にするんだから!」

ウィンクしたトルマが見えた。

「皆で頑張ろ、晶」

まだ少し目元が赤いけど、笑った顔のピスラが見えた。



そして、三人は揃って、こう言った。




これからもよろしくね!


さて、エピローグを迎えたこのお話ですが。

もしも、続きが読みたいという方がいらっしゃいましたら、ご連絡ください。

場合により、「2」として復活する可能性があります。そのためには、誰かの連絡が必要となります。

もしも、という方は、ご連絡ください。

それでは、ご拝読ありがとうございました。

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