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ダラダラっと第二回!

「あの管理人!絶対に次に会った時は文句言ってやる!何で転移先が…」


「待ちやがれ!」


「止まれこらぁ!」


「何処から入りやがったんだ!!」


「引ん剝け!ヒャッハー!!」


「荒くれ者っぽい人たちの隠れ家なんだよぉ!?」


 現在、追われている僕は…ここまでの経緯を思い返してみた。



「…あれ?ここは?」


 キョロキョロと見渡してみると、何処かの部屋らしい。しかし、薄汚れていて…廃墟に近い感じだ。


「ううん?人気のない廃墟に転送されたってところなのかな?とりあえず、人を探して何か話を…」


「ああん?なんだてめぇ?何処から入り込みやがった!?」


「聞こうと思ったんですけど、また今度にしますね!」


 隣の部屋を覗くと、とても自分から俺悪い奴です!!と主張している男たちがたむろしていたので、話を聞くのを諦めて一目散に逃げだした!だって、話なんて聞いたら命まで持っていかれそうなんだもの!!


「逃げたぞ!?ここの情報を誰かに伝える気だな!逃がすな!!」


「結構可愛らしい面してたな!殺す前に引ん剝いて楽しもうぜ!!」


「引ん剝け!ヒャッハー!!」


「ひぃぃぃぃぃいい!!?」


 これ、僕が悪いわけじゃないよね!?いきなり、こんなところに転送したあの管理人が悪いよね!?どう考えても!?ただ、迷い込んだだけですとか言っても、絶対に話を聞いてくれない相手だし…逃げ切るしかないよ!!



 と言うわけで、逃げているわけだけど…


「もう…ダメ…」


 僕はすぐに倒れ込んだ。元々体力はない方だけど、女にされてさらに落ちているんじゃ?それに…今更気が付いたけど、こんな荒くれ者がいるところにこんな可愛いエプロンドレスで放り出すとか襲われろ!って言われてようにしか思えない!!もしかして、この連中の庇護下に入って生き抜けと言うの!?のしつけて返品したいんですが!?


「何だこの娘?体力なさすぎだろ?もう少し、追いかけまわして楽しもうと思ったのに…がっかりだな」


「その分、他の事で楽しませてもらえばいいだろ!」


「そうだそうだ!引ん剝け!ヒャッハー!!」


「お前…そればっかりだな…」


「さて、お嬢ちゃん?どこの誰に頼まれてこのアジトに侵入したのか教えてくれれば…優しくしてやるぜ?」


「良く言うぜ、お頭は。前もそんなこと言ってあんな目に遭わせたってのに…」


「おい!余計な事を言うなよ!どつかれるぞ!!」


「引ん剝け!ヒャッハー!!」


「「お前はうるせぇ!?」」


「・・・それで、どうする?」


「今のを聞くと、話しても同じ運命だと思うのですが…」


「まあ、そうなるわな。お前ら、後でしばき倒すからな?」


「「ひぃぃ!?」」

「ヒャッハー!?」


「一人反応が可笑しいですよ!?」


「・・・あいつは色々規格外なんだぜ?」


「何となく分かります…」


 言ってる事が同じだもんね…


「じゃあ、部屋の中で楽しもうぜ!」


「うぅ!?」


 腕を掴まれた!?それ以前に、逃げる体力何て残ってないけど…。僕の異世界生活は数時間で終わるみたいだ。絶対に、あの管理人のせいだ!もし、また会えたら絶対に文句いってやるんだからね!!


「待て!その娘から手を離せ!悪党どもめ!!」


 これは…もしかして、颯爽と正義の味方…いや、勇者様が登場!?助かった…?


 そう思って、振り返って見たけど…ええ?どう見ても、勢いだけでやってきた新人冒険者が痛い目に遭うシーンみたいな…?・・・助からないかも…


「なんだ、このガキ!?俺たちは、これからこの娘と運動しなくちゃいけないから、無駄な体力は使いたくないんだよ。さっさと失せな!!」


 うわ…最悪だ。もしかしたら、違うかもと思い続けていたけど…やっぱりそう言う事をする気なのだね?・・・自分の見た目を確認出来ないけど、どう見ても子供に入るだろ!?このロリコンどもめ!!


「そんなことをさせるか!正義の鉄拳を受けてみろ!!」


 え!?速い!?見かけとは裏腹に、私の目にはものすごいスピードで迫って私を掴んでいるお頭とやらに拳を振るう少年の姿が映った。


「おお!?やるじゃねぇか!!見かけで勢いだけのクソガキだと判断した俺が悪かったようだ…な!?」


「ぐはっ!?」


 うわぁ…思い切りお腹に蹴りが入った!?痛そう…。どういうことか?私の目には凄い速さだったんだけど、このお頭さんには通用しなかったようで…手で拳を受け止められて、お腹に蹴りを貰って吹っ飛ばされちゃいました…。希望を持つんじゃなかった、その分ショックが…いや!まだ大丈夫!!


「止めて下さい!私が言う事を聞けば良いんでしょう?言う事を聞きますから…彼を見逃してあげて下さい!!」


 そして、早く救援を呼んで来て!それしか、僕が助かる道はないです!!


「なんだ、嬢ちゃん?もしかして、あの助けようとしてくれた少年に恋でもしちゃったか?」


「そ、そんなんじゃないです…」


 よし!とりあえず、僕が気を引いている間に彼が動けるようになるかもしれない。そうすれば、正義感の強いあの少年なら…どこかで救援を呼んで…


「ダメだな。あのガキを生かしておくと、誰かを呼ばれる可能性がある。正義感が強いガキは厄介なもんだよ」


 うわー!?読まれてる!?このお頭さんとやらだけは侮れないね!さすがはお頭さんだ!!何言ってる自分でも分からなくなって来たよ!?


「止めて下さい!止めてくれたら…その…わ、私がご奉仕しますので…」


「ほお…ご奉仕してくれるのか?」


 うぅ…まさか、自分でこんなことを言うことになるなんて…でも、これで乗ってくれれば…


「してくれなくても、させるから別にいいんだけどな?」


 そう来るの!?ど、どうしよう!?


「ええ!?自分からご奉仕してくれるって言うならしてもらって良いんじゃないですか!?俺はしてもらいたいです!!」


 おお!手下A!ナイス!!そうやって時間を稼いでください!!


「お前な…」


「俺も!可愛い娘にご奉仕してもらえるなら、そんなガキ見逃したって問題ないじゃないですか!!」


「引ん剝け!ヒャッハー!!」


 手下Bもナイス!ヒャッハーは要らない!!でも、これならいけるんじゃ…


「お前ら捕まりたいのか!!お前らがそうやって考えなしだから、俺が考えてやってるんだろうが!グダグダ抜かすなら、この娘を回してやらねぇぞ!!」


「「すんません!?俺らが間違ってました!!」」

「ヒャッハー!?脱ぎます?」


 ダメか!?お頭の一喝で二人とも引き下がっちゃったよ!?そして、ヒャッハーは何で脱ごうとしてるの?


「納得したみてえだな?じゃあ、さっさとあのガキをばらしてお楽しみと行こうぜ!」


「「「ヒャッハー!!」」」


 ヒャッハーが増えたぁ!?落ち着け、僕…。


 ・・・うん、冷静になった。状況的に…僕はもうだめだな…。そして、折角助けに来てくれた彼の事など考えずに自分の事ばかり…最低だな、僕は。それなら、せめて彼だけでも助かる方法でも考えようか…


「それなら…彼を縛るだけではだめですか?」


「ああん?まだあのガキを助けようとしてるのか?縛っちまったらあのガキは助けを呼べずに、お前は俺たちに色々されちまうんだぞ?」


「そうだったとしても、彼が助かるなら…」


 せめて、僕は無理だったけど…他の誰かを助けられるかもしれない少年を助けてあげないとね?


「…ダメだな。結局アジトの場所がバレちまうだろ?」


「少し離れているから大丈夫のはずです。それに…今回私を助けられなかった彼です。現実を知って余計な事なんてしなくなりますよ…」


 今回の事で、折れないと良いけどね…


「・・・お前もガキの癖に肝が据わってやがるな?俺の機嫌を損ねても良い事何てないのになぁ!…仕方ねぇ、そこまで言うなら縛って転がすだけにしてやるか。おい!ロープを持ってる奴いるか!!」


 思ったよりは話が分かる人のようだ。そうじゃなきゃ、お頭なんて務めていないのだろう。・・・これから酷いことをされると思うと滅入るけど、僕も少しは…え?


 僕は酷いデジャヴを感じた。何故なら…またも、彼が一瞬で僕の前に姿を現したからだ。しかし、今回違うのは、その手にはしっかりと武器のナイフを持っていた事だ。これなら、少なくとも当たれば無事では済まないだろう。しかし…


「おっと!大人しく寝てりゃ死なずに済んだのに…小賢しい真似をしてくれるな?小僧…?」


 完全に不意打ちかと思われたその一撃も、お頭は見事に防いで見せた!でも、腰から剣を抜いて刃を受けた事で、衝撃を受けて少し後退した。その隙をついて…


「きゃっ!?」


「俺の後ろに居てくれ!絶対に守ってやるから!!」


 僕を引き寄せて、彼は自分の後ろに庇うような位置に立った。・・・それよりも、きゃっ!?って何?僕が発したのか?・・・もしかして、この映画のワンシーンみたいな光景に飲まれてるのかも…?そう思っておかないと、恥ずかしすぎる…


「小僧…大人しくしてりゃ助かったってのに、バカはしなねぇと治らないようだな?」


「俺は、誰一人として見捨てたりしない!そう自分で決めた!だから、この命ある限りそうあり続ける!!」


「勇ましいもんだな?しかし、本当はその嬢ちゃんが可愛いから助けただけなんじゃないか?」


「違う!例え、酷い目にあっていたのが男だったとしても助けた!だけど…彼女は、自分を犠牲にしてでも俺を逃がそうとしてくれた…。そんな心優しい人を見捨てて逃げたりしたら、俺は一生自分を許せないだろうからな!そうなるくらいなら…命を懸けて戦うまでだ!!」


「おーおー…ガキは簡単に熱くなれて羨ましいな?仕方ねぇ、ガキに現実を教えてやるのが大人の役目だしな?お代は…てめぇの命で許してやらぁ!!」


 そう叫ぶと同時に、お頭が飛びかかってきた!?けど、速すぎて次に見えたのは…お頭が振り下ろした剣を、彼がナイフを両手で抑えて辛うじて受け止めているシーンだった。良い所を見逃した気分だ…って、そんな場合じゃない!?


「逃げて!君一人なら逃げられるでしょ!?助けを呼んで来てくれれば良いから!!」


「そんなこと出来ない!!例え逃げられて助けを呼べたとしても、君が連れ去られてしまったら君を見殺しにしたも同然だ!!」


「そんな事言ってる場合じゃないでしょ!?君が殺されたら私も助からないんだよ!?可能性の高い方法に賭けるべきだよ!!」


「大丈夫だ!俺は、君から勇気を貰った!君のようなか弱そうな女の子でも他人のために命をかけようとするんだ!なら、男の俺が引けるわけないじゃないか!!」


「そんな精神論で何とかなったら悪党何て滅ぶんだよ!とにかく、冷静に考えて」


「俺は、少し未来の自分を信じてる!きっと、俺も君も救ってくれると!だから…俺は、今の自分で出来る事を諦めずにやり続けるんだ!!」


「ぬ?・・・ほう、あの状況から押し返してくるとは…やっぱり、その娘に惚れたんじゃないのか?」


「黙れ!お前の惑わすような言動などもうたくさんだ!一気にかたをつけてやる!!」


 それから、少年とお頭の打ち合いがしばらく続いた。僕は、ただ戦っているとしか表現出来ない。なんせ、速いからどこかでフェイントを入れていたりしてもぶつかり合って止まった時くらいしか見れもしないのだから…


 驚いたことに、武器の長さの不利や、経験の差による不利ですらもものともせず、少年はお頭と互角に戦っていた。少なくとも、僕の目には互角に見えている。これなら、勝てるんじゃないかな?何て、お気楽な事を考えていたのがいけなかったのかもしれない…


「動くな!この娘がどうなっても知らないぜ!!」


 見事に人質に取られました!?後ろから首に手を回されナイフを突きつけられると言う、間抜けすぎる定番な形で…何してるんだ!?僕は!?


「くっ!?卑怯な!!」


「…まあ、俺が時間をかけちまったのが悪いわな。小僧、そう言う事だ、動くなよ?」


「くそっ!?クズは何処まで行ってもクズだって事か!!」


「そう言うこったな?生き残れたら今後の参考にしてくれ」


「ぐぅ…」


「君!ぼ…私の事は気にしないで!元々君が来なかったら殺されていたんだろうから!君がこいつらをやっつけてくれれば、これからの犠牲者を助けられるんだよ!!選択肢を間違えないで!!」


 我ながら熱血ヒロインみたいなこと言ってるな…これが最期の言葉にならないといいなぁ…


「余計な事を言ってんじゃねぇ!!」


「う…ぐ…」


 く、苦しい…か弱すぎるな、今の僕…。このままじゃ本当に窒息死させられそうだ…


「止めろ!ほら!武器を捨てたぞ!彼女にこれ以上危害を加えるのはよせ!!」


「そうだ!それでいいんだ!お頭!早くやっちまってください!!」


「げほっ!?けほっ!?や、やめて…!?」


「じゃあな?少年!!中々楽しめたぜ!!」


「ちきしょう!!」


 何が悪かった?僕の得た最悪のスキル3つのせい?あんなところに転送されたのもそのスキルのせい?今、彼が殺されそうなのも?そんなのダメだ!僕がしたいのはダラダラする事!他人を不幸に何て…ましては、しなせたいわけじゃない!


 僕は、思わず少年の方に手を伸ばしていた。僕のスキルなら僕だけを不幸にしろ!僕に戻って来い!…誰でも良い!彼をこの不幸から助けてあげて!!


 目の前の本当に人がしぬかもしれないという恐怖から、僕はどこか映画を見ているような楽観的な思考から現実に引き戻され、最悪のスキルを持つ僕がそんなことをしたら逆効果だとかそんな事を考える余裕もなく、ただただ彼が助かる未来を願ったのだ。それが届いたのか、それとも違う因果が巡ったのか…それは、あっさりと…


「!?なんだ!?剣が!?ぐぁあ!!?」


「え?…え!?」


 何が起こったの!?急に、お頭が大勢を崩したと思ったら剣が根元から折れていて…そしてまた気が付いたらお頭が吹っ飛んで倒れて…いつの間にか、視界の中に凄く格好良い男性が立っていた。…普通に恰好良いとか思ったのは何だろうか…


「大丈夫かい?君?」


「え?え!?…は、はい。俺は大丈夫…です」


 さっきまで威勢の良かった少年は、余りの出来事にまだ事態を飲み込めていないみたいだ。僕も良く分かってないから同じだね!!なんて、考えてないで…


「あ、ありがとうございます。彼を…助けてくれて」


 驚いて事態を飲み込めていない彼の代わりにお礼を言っておいた。・・・咄嗟とは言え、彼の無事を願った手前、可笑しい事じゃない…はずだよね?あれ?何か忘れているような…?


「お前は助かってないのに余裕だな?」


「うぐ!?」


 忘れてたぁ!?僕、今捕まっているんだった!?


「どこの誰だか知らないが動くんじゃねぇ!!この娘がどうなっても…え?ぐへぇ!?」


「大丈夫かい?ごめんね、君も助けてから声を掛けるべきだったね」


「え!?あ…か、重ね重ねありがとうございます!」


 今度はちゃんとお辞儀も入れてお礼を言った。・・・私を拘束していた男はお頭と同じように顔面を殴られて倒れていた…いつの間に…この人一体何者だろう…?

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