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ダラダラっと第二十六回!

「トワ…いくらなんでも体力なさすぎない?どれだけ大事に育てられたのよ…」


「す、すみません…言い訳する体力もないです…」


 勢いよく飛び出し、みんなの後を追ったのは良いけど…ものの数分で突き放されて今の私はへばっている状態です。少しは体力ついてきたと思ったけど…全然でしたね…アハハハ!


「あれ?女神様じゃないですか?どうされたんですか?こんなところで…?」


「い、いえ…何でもないんです…」


「そうですか?女神様のお陰で、これからは俺たちの町も良い方向に活気付いて行くと思うんです!本当にありがとうございます♪」


「私は…いえ、それは良かったです。・・・絶対に守りますから」


「え?何か言いましたか?」


「いえ…急いでいるので失礼しますね」


「そうですか、引き留めてしまってすみません!何をするのか分かりませんが、女神様がすることはきっと良い事なのでしょう!応援しております!!」


「…はい、ありがとうございます。では…」


「はい!また今度、子供も交えてゆっくりお話しさせてください!」


 そう言って去って行く住人に手を振って応え、私はまた…走りたいけど無理なので歩き出した。


「もうちょっと休んだらどうなの?」


「…少しでも早く行きたいので…」


「まあ、トワがそう言う決意なら止めないけど…肩貸そうか?」


「・・・お願いします」


 かなりかっこ悪いけど仕方ないよね?


「やっぱり、おぶった方が早そうだけど?」


「…さすがにそこまでしてもらうのはちょっと…」


「トワなら軽そうだから平気よ?」


「そう言う問題ではないですよ…」


 元男の意地ってやつです!・・・肩を借りている時点でどうかとは思うけど…



 そんなこんなでやっとの事、町の入り口…ここは東の入り口?に辿り着いた訳だけど…


「誰もいないですね?」


「そうね…あ!?」


「え?どうしたん」

「トワぁ~!!?」


「うきゃぁ!?」


「寂しかったよぉ、トワ!!やっぱり、トワと一緒に来ればよかったぁ!!」


「お、お姉ちゃん!とりあえずどいて!?こんな往来の場所で妹を押し倒す姉が何処にいるの!?」


「ここにいるよ?」


「そう言う事じゃなくてね!?とにかくどいて!!」


「もうちょっとトワ成分を補給するまで待って♪」


「だから、そんなのないからね!?」



 結局、着いたと思ったら姉に押し倒されて良く分からない成分とやらを補給させることになった。色々気になりながらも、しばらく頭を撫でながら待っていると…


「完全復活!!マリーお姉ちゃんは絶好調に戻りました♪」


「…やっぱり、元のキャラはもう影もないなぁ…」


「トワと出会って生まれ変わったの♪」


「ああ、うん…。そ、それはともかく!何でマリーお姉ちゃんがここに一人でいたのか説明をして欲しいんだけど?」


「それがね、聞いてよトワ!ギュネスがいじめるんだよ!!」


「・・・鵜呑みに出来ませんね?説明を求めます」


「ええ!?お姉ちゃんの言う事を信じられないの!?」


「・・・トワ、お姉ちゃんの口から説明を詳しく聞きたいな?」


「任せなさい!ばっちり説明してあげるからね♪」


「チョロすぎてお姉ちゃんの将来が心配になるよ…」


「え?何か言った?」


「何でもないから!?説明をお願いします、お姉ちゃん」


「そう?トワがそう言うなら…ええと、私たちはすぐにルーファスの後を追ったでしょ?でも、案の定到着した時にはすでに一人で戦っていてね…」


「やっぱりそうだったんだ…」


「しかも、一人でも余裕ですよと言いたいのか、周りに魔物だったものが転がっていたんだよ。もう、もの凄い数が」


「何となく想像出来るかも…」


「でも、その時大きな魔物がルーファスに飛びかかって行ったから、思わず私が全力でぶん殴っちゃったんだよ」


「哀れな魔物ですね…」


「その後さ、掛かって来る魔物をひたすらボコボコにして暴れていたらギュネスが、始まったばかりでバテてリタイアする気か!動けなくなる前に後ろで休んでいろ!!って言って、私を追い出したんだよ。酷いでしょ?」


「そ、それはお姉ちゃんがバテた隙をつかれたら危ないから下がらさせたんじゃないかな?それに、いざと言う時に頼りにしてるからかもしれないよ?」


「ギュネスがそんな殊勝な事を考えると言うの?」


「ギュネスさん、ああ見えてと言ったら失礼だけど…みんなの事を考えて立ち回っていると思うよ?」


「そうなの?」


「そうなの!とにかく、みんなの所に戻ろうよ?ピンチになってお姉ちゃんを待っているかもしれないよ!私も、お姉ちゃんが格好良く戦う所を見たいな♪」


「任せなさい!お姉ちゃんが魔物を格好良く倒すところを見せてあげるよ!!」


「わーい♪楽しみぃ♪」


「それじゃあ、行くよ!あ、はぐれないように手を繋いでいこうね♪」


「は、はーい!」


 チョロいんだけど、想定以上の行動もするから侮れないよね?マリーお姉ちゃんは…


「あ、セフィラさん!ここまで送って頂いてありがとうございました!この騒動が終わった後にまた色々お話を聞かせて下さいね♪」


「分かったわ、トワ…気を付けてね?」


「大丈夫です!お姉ちゃんはすっごく強いんですよ!」


「その通り!すっごく強いんだよ♪」


「そ、そうなの?とにかく、みんなが無事に戻って来てくれるのを待ってるからね?無茶しちゃダメだよ?」


「私は無茶出来るような戦闘能力ないので…」


「トワは私のエネルギー源だから、いるだけで役に立っているよ♪」


「お姉ちゃん…」


「美しい姉妹愛はそこまでにして、行かないとダメじゃないの?」


「そうでした!?急ごう!お姉ちゃん!!」


「分かった!でも、トワが転ばない程度の速度で行こうね!!」


「う、うん!よろしくお願いします!!」


「任された♪」


「本当に仲良し姉妹よね…実の姉妹でもあんなにベタベタしないでしょうに…。まあ、トワが可愛くてしょうがないのは伝わって来るんだけどねぇ」



「あ、いたよ!!」


「本当だ!みなさん!!…!?魔物の遺体が散乱していると言う事は…もしかして…?」


「ああ、ルーファスの奴が何故か張り切っててなぁ…この辺りに居た魔物は全部倒しちまったんだよ」


「俺、ほとんど見てるだけだった…」


「本当…一人でも十分だった気がするわね」


「そうなんですか?ルーファスさん、大丈夫でしたか!?」


「ん?ああ、僕は大丈夫だよ」


「ん?その様子だとトワに良い所を見せようと急いで倒してたって訳じゃなさそうだな?」


「え?そうなの?私はてっきり…」


「ああ、それでも良かったんだけど…何だか、嫌な予感がしてね」


「…お前の嫌な予感は当たり過ぎるんだよ…こりゃ、これで終わりじゃなさそうだな?しかし、一体どんな事が起こるってんだ?」


「・・・あの、少し気になった事が」


「大丈夫!トワが世界一可愛いよ♪」


「あの、お姉ちゃん?空気を読もうね?今、そんな話の流れじゃなかったでしょ?」


「魔物の脅威が去った今、お姉ちゃんの仕事は可愛い妹を見守る事だけなんだよ♪」


「あ…うん、とりあえず何でも良いから大人しくしていてね?」


「じゃあ、抱き着いてて良い?」


「何でそうなるのか分からないけど、抱き着いてても良いから真面目な話に割り込まないでね?」


「やった♪トワ、大好き♪」


「うん、私も大好きだよ♪」


 何かもう、姉と言うより手のかかる妹が出来たような気分になって来たよ…


「それでですね、気になった事なんですが」


「マリーに抱き着かれた状態で話されると緊張感ないな?」


「お願いですから、今はお姉ちゃんの事は置いておいてください…」


「ギュネス、ツッコミは時と場合考えなさいよ?マリーが最近ああなのはもう気にしたら負けなんだから」


「そうだな…すまん、話を進めてくれ」


「まあ、締まらないのは僕たちらしいけどね」


「ルーファスも茶化さないの!」


「すみません…」


「それで、何が気になったの?」


「ええとですね…元々生息数が少ないだけなのかもしれませんが、大型の魔物がほとんどいないと思いませんか?」


「ん?・・・そういやぁ、マリーがぶっ飛ばした一体だけで、後は比較的動きの速い小型の魔物ばっかりだな?」


「確かにそうね。だからこそ、ルーファスが一人勝ち状態だったわけだけどね」


「そうだね、僕もタフな大型がたくさん来たらさすがにきつかっただろうね」


「それがどうかしたのか、トワ?」


「ええと、見たところ魔物の遺体が余りにも散在していると思うですけど…もしかして、統率が取れた侵攻ではなくそれぞれが町を目指している感じでしたか?」


「…言われてみればそうだったような気がするね?お陰でこちらはとてもやりやすかったわけだけど…それがどうかしたのかい?」


「これは私が適当に予想しただけです…外れていた方が良いくらいなんですけど…」


「それは聞いた後でも良い事だろ?とりあえず、トワの予想ってやつを聞かせてくれ」


「はい。まず、ルーファスさんの嫌な予感はよく当たる、そして、私は不幸を呼ぶ…これはきっと覆しようのない事実だと思ってください」


「ルーファスの予感はともかく、トワのは思い込みじゃないの?」


「・・・まあ、そう思って貰えるうちが幸せ化もしれませんね…」


「それはその内分かるって事で、続きを頼むよ」


「はい。それで嫌な予想を立ててみたんです。魔物は足並みを揃えずにただただ町を目指している…ここまでは良いですか?」


「うん、確かに秩序のある移動とは思えなかったけど、町の方へ向かっていたのは間違いないと思うよ」


「それなんです。魔物たちは、とりあえずそれぞれ勝手に町を目指しているような状態ですよね?そして…魔物たちそれぞれ移動速度があると思うんです。そして、大きい魔物ほど地形などの理由で歩みが遅くなると予想されるので…」


「もし、ただ単に町に一斉に向かっているだけだとしたら…これから歩みの遅い魔物…つまり、大型の魔物がたくさんやって来ると?おいおい、洒落になってねぇぞ?」


「でも、確かにやって来たのは比較的足の速そうな小型の魔物ばかりよね?何体か中型もいることはいるけど…」


「もし、その町へ向かえって指令みたいなのが流れた時点で町に向かいだしたとしたら、たまたま近くに居た個体だっていたはずです」


「つまり、これは何者かが意図的に起こした侵攻で、これからが本番ってことなのか?」


「あくまで私の予想ですから…」


「信じたくはないが、十分にあり得る予測だな…」


「トワちゃんの予想が当たったら事だ、ここは十分に警戒を…」


「する必要はなさそうよ?トワの予想通りの展開があちらに見えるわよ?」


 そう言って、ヴィラさんが指さした方向を見てみると…ドルイドラビットの軍団!?それだけじゃなく、名前も知らない魔物がのしのしとゆっくり歩いて来た…


「る、ルーファスさん!転がっている魔物の様にパパッと倒しちゃうのはどうですか!?」


「さすがに、一撃で倒せるような魔物じゃないね…それに、どうやらまだまだ来そうだよ?」


「うそ…」


「ドルイドラビットみたいな大型の魔物がさらに奥から奥からやって来るのが見えた。しかも、ドルラビ(面倒なので略)よりも大きいのもいるじゃないですか!?


「あの…何とか出来ますか?」


「何とかするしかない!!」


「そうだな。俺たちが逃げたら町が大変な事になるだろうし…やるしかねぇよな!!」


「はぁ…ルーファスといるとこんなのばっかりね」


「そう言いながらも、付き合うヴィラも大概でしょ?」


「そう言うマリーだって」


「私は、今回からはちゃんと理由があるからね。トワを危険にさらす奴らは人間だろうと魔物だろうと許さない!!」


「本当に…トワが大事なのね」


「トワがいないと生きていけないくらい大事だよ!!」


「お姉ちゃん!?嬉しいけど、そう言う事は大声で言う事じゃないと思うよ!?」


「それよりも、ハルトとトワは町に戻れ!さすがに守って戦うには数が多すぎる!!デカい分、周りへの被害も大きくなるからな!!」


「え?俺も!?俺は戦える!!一人じゃ無理かもしれないけど、援護くらい出来る!!」


「バカ野郎!トワを一人にする気か!?一人で行かせて魔物に襲われたらどうするんだ!!」


「ぐ…それを言われると…」


「わ、私なら平気です!町の皆さんのためにここで食い止めないと!!」


「そう思うなあ尚更!」


「あー、はいはい、ギュネスは黙ってて?全く、こういう時のフォローは本当に下手なんだから」


「ぐっ!?確かに、そうかもしれんが…お前なら説得出来るのか?」


「説得も何も、合理的にやってもらう事があるのよ。トワ!ハルト!二人とも、急いで町へ戻ってこの緊急事態をアルバークに伝えなさい!そして、戦闘に特化したメンバー以外はいざと言う時のために避難誘導に回す様に言うのよ!!」


「え!?ここが突破されると言うんですか!?」


「絶対にないとは言い切れない状況でしょう!良いから急いで知らせなさい!万が一の時、間に合わなかったら意味がないでしょ!!」


「そんなことを言われて、はい、そうですかって引けるわけないじゃないですか!!私だって何か」


「トワ!ヴィラ!二人とも落ち着いてくれ!!そんなに興奮していたんじゃ正しい判断何て出来ないじゃないか!!」


「…その通りね、ごめんね、トワ…少し暑くなり過ぎたみたいね」


「いえ、私の方こそ…役立たずなのは最初から分かっていたのに…みんなが危険な目に遭うかもしれないと思ったら何か出来ることあるんじゃないかって…」


「その出来る事が町に知らせる事だよ?トワちゃん。それだって大事な事なんだよ?」


「・・・はい、分かりました…」


「トワ…まだまだトワとイチャイチャしたいから私は絶対にこんなところでしんだりしないし、トワの所に魔物を通したりしないから安心して待っててね!」


「うん…お姉ちゃん、絶対に無理はしないでね?」


「トワを泣かせるようなことはしないよ。だから、今から泣かれると困るよ?」


 そう言って私を抱きしめて頭を撫でてくれるマリーお姉ちゃん。うん…自分でも何で泣いてしまったのか分からないや…


「美味しい所を持っていかれて残念ね?」


「僕は別にそんなつもりじゃなかったんだけどね?」


「そうかしらね?」


「おい、じゃれてねぇでマジでそろそろ動かねぇと先手を取られるぞ?」


「じゃあ、町への連絡は任せたからね?トワ!!」


「うん!お姉ちゃん、気を付けて!!皆もだよ!!絶対に全員無事じゃないと許さないからね!!」


「おお!女神様の命令じゃ聞かないとまずいよな?」


「そうね、罰が当たっちゃうわね」


「しんだら私が許さないからね」


「しんでるのにさらに追撃されるのは勘弁して欲しいね…。それじゃあ、女神パーティー!気合いを入れ直して行くぞ!!」


「「「おお!!」」」


「本当に気を付けて…」


「トワ!行くぞ!!」


「うん!行こう!!」


「走れるか?何なら俺が…」


「大丈夫!これくらいの距離私だって行けるよ!!」


「そ、そうか…よし!分かった!行こう!!」



 その時の私は、色々な気持ちがぐるぐると胸中を巡っていたけど、理由が分からない確信めいた予感が不安を大きくさせていた。それは、これがまだまだ始まりに過ぎない大きな厄災の一欠けらなのだと訴えかけ続けていた…

最後までお読みいただき、ありがとうございます。


初評価ありがとうございます!ブックマークも勿論嬉しいのですよ!これからもお読みいただけたら幸いです!!色々考えるのは好きなのですが、その設定を上手く表現できないもどかしさ…もっと頑張らないと!!


次話もよろしくお願いします。

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