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ダラダラっと第二十回!

遅れました…今回はヴィラ視点となります。

 少しだけ時は遡り、トワが一人で路地裏を歩く作戦を行う少し前の事。


「は?魔法で人の位置を特定できないかって?あのね、トワ?魔法ってそんなに便利じゃないのよ?って、そうだった…トワって魔法を見たこともないんだったわね?」


 目の前には新しく仲間として認められたばかりの娘、トワ・スミヤがいる。何だか不安の残る囮作戦が決まった後の準備時間にいきなり私のところにやってきて内緒で聞きたいことがあると言うから、なんだと思えば…


「ねえ、トワ?さっきの作戦が不安なら、止めても良いのよ?元より、こんなところはさっさと発って次の町か村を目指したって…」


「作戦自体が大雑把とかそんなのは問題じゃないです。問題なのは…私がとてつもない不運の持ち主だってことです…」


「…いきなりやって来て、そんな冗談言うなんて余裕あるのね?」


「冗談だったら嬉しいんですけどね…本当に不運なんですよ。いきなり盗賊のアジトに迷い込んだ実績があるじゃないですか?」


「…たまたまじゃなくて?」


「たまたまだとしても、結構な運の悪さだと思いませんか?」


「確かにそうだけど…本当なの?」


「残念ながら…追い出しますか?」


「みんなが納得しないでしょ?…その話、みんなにはしないの?」


「この件が片付いた後にするつもりです。それで追い出されるなら…それまでの話です」


「・・・分かった、真面目に聞くわ」


「ありがとうございます!」


「それで、追跡や居場所の特定に繋がる魔法だけど…はっきり言って、ないわけじゃないわ」


「本当ですか!!」


「ただ、はっきり言って難しいから私には出来ないわね…」


「そうですか…」


「一つだけ、私の出来る魔法で追跡に近いものがあるにはあるけど…」


「本当ですか!」


「最後まで聞きなさい?その魔法は、本来追跡に使うものではないし…正直、不確定要素が多いこの状況じゃ意味がないかもしれないわ…」


「それでも、可能性があるならお願いしたいんです!!」


「…分かったわ。ただ、出来るか分からないわよ?これ、相性もあるから…ダメなら諦めてもらうわよ?」


「相性ですか?何と何のですか?」


「私とトワの相性よ?」


「…まさか…えっと…そう言う…?」


「…何か勘違いしてない?もしかして、トワって結構耳年増だったりするの?まさか、すでにそう言う経験が…?」


「ち、違います違います!!何か、魔法のイメージから何となくそう思ってしまったと言うか…ごめんなさい」


「謝らなくても良いけど…ま、まあ簡単に言うと、私とトワの感覚を共有する魔法なのよ。だから、相性が悪いとそもそも繋がらないから使う以前の話になるって事よ」


「感覚と言われましても…分かり難いですね?」


「ちょっと基本から話すわよ?そもそも魔法って大きく二種類あるのよ。一つ目が私の得意な自然の力を再現する魔法…主に、攻撃に使える魔法ね」


「自然の力を!?」


「あのね…目をキラキラさせている所悪いけど…危険だからここでは見せないわよ?」


「そうですか…」


「あからさまにがっかりされてもね…。時間もないんでしょ?前にも言ったけど、魔物との戦いもあるだろうから今度見せてあげるわ」


「はい♪」


「結構現金な娘ね…。もう一つが、人が本来無意識に使える力…感覚とか身体能力とか…まあ、人が持つ力と言うのも少し違うのかもしれないけど…そう思えるような力を強化したり、発現させたりする力ね」


「えっと…?」


「まあ、理解出来なくても良いわ。今回は、そっちの…私の苦手な方の魔法になるの。だから…上手くいかなくても文句言わないでよ?」


「無理かもしれないのを承知でお願いしているのに、文句何て言いませんよ!?」


「いるのよ…理屈が通らない厄介なのが…割と多くね?」


「・・・ドルドーニュ町長を見た後だと何だか納得です」


「まあ、あそこまで劣悪なのばかりでもないけど…。とにかく、まずは感覚を繋げられるか試してみるわよ?」


「はい!…えっと、私はどうしたら?」


「と言っても、私から繋ぐわけだから…そうね、私が手を握るからリラックスしていてくれれば良いわよ?」


「え?それだけですか?」


「それだけで良いの」


「そうですか…では、お願いします」


「それじゃあ、始めるわね」


 …小さくて綺麗な手ね…さすがは良いとこのお嬢様ね?っと、余計な事は考えないで集中集中…


 え!?…こんなに簡単に繋がった?・・・受け入れやすい体質ってこと?それとも、他に理由が…?私と相性が良い?・・・考えても仕方ないわ、時間もないわけだし…


「驚くくらい、私とトワの相性が良かったみたい…成功よ」


「え!?…私にはよくわからなかったんですけど…?」


「感覚の共有と言っても、今回は私がトワの見ている物や感じている事を一方的に受信すると言ったら分かる?トワの見ているものが私にも見えると言う感じよ。もちろん、それなりに集中しないと見れないんだけどね」


「どれくらいの時間持つんですか?」


「私の魔法力を全部込めたとしても…12時間が限界ね。でも、不測の事態に対応出来ないと困るから10時間分込める事にするわ」


「10時間…分かりました、それでお願いします」


「・・・本当に良いの?その効果がある間、私はトワを覗きたい放題よ?」


「見られて困るものなんて…あ!?その…お花摘みの時間も…?」


「・・・そこは私が集中を切るから…安心して」


「はい…お願いします」


「さっきまでの何が何でもの勢いは何処に行ったのよ?」


「いえ…さすがにそこは恥ずかしすぎます…」


「もう!それで、やるでいいのね?それとも止めるの?」


「やります!」


「迷いがないのは良い事ね。それじゃあ、行くわよ!!」


「はい!!」


 そうして、私はトワに感覚共有の魔法を施した。本当に凄い魔法使いなら相手の意識を乗っ取ることも出来るとか出来ないとか…私は見たものしか信じないから、信じてはいないけど。


「いくつか注意点を言うとね?まず、トワ…意識を失わないでね?意識を失うと…私に魔法力が強制的に戻ってしまうから、その後はもう完全に私からは何も出来なくなってしまうの」


「わ、分かりました…気絶しないように頑張ります!」


「…何故か分からないけど、そう言われると逆に不安になるのよね」


「何となく分かってしまいますね…ほどほどに頑張ります」


「そう言われたらそう言われたで不安になるのよね…。とりあえず、それだけは絶対にしないように気を付けてね?後は…強い感情を起こすと私にも伝わるから気を付けてね?」


「強い感情…どれくらいですか?」


「どれくらいって言われても…まあ、気絶しなければ感情の高ぶりの方は気にしないで良いわ」


「そうですか?分かりました!気絶しないように気を付けますね」


「ええ、そこだけはしっかりね?」


「はい!」


「気休めかもしれないけど、私がここまでやったんだから絶対に助ける約束するわ。だから…どんな状況でも諦めないでね?」


「ありがとうございます!私も出来るだけ頑張って見ます!」


 その後は、トワは拙い作戦通りに人気のない所をウロウロしていた。視界を共有しているとトワの虚しさまで伝わって来て…何故か切なくなって来たりしたけど、それ以外は概ね問題なく?時が過ぎた。


 今日は何もないかも?と少し油断した時、目の前に盗賊の男が現れて私は驚いて後ろに飛び退こうとしてしまった。でも、トワの視界に集中していたために実際は私の身体は動くことは無く、代わりに少し集中が途切れ視界が戻ってしまい、慌てて繋ぎ直したりバタバタとしてしまった。我ながら情けない精神力…


 そして、しばらくすると私に二人がトワを見失った!とギュネスが慌てた様子で知らせに来た。トワの視界に集中したい私は、予め用意して置いた説明書きをギュネスに見せる事で説明する手間を省いた。


 そのお陰で、トワを乗せた馬車の行き先が大体だけど分かった。でも…結構な頻度でトワの不安が伝わって来る。感覚の共有と言っても、私が一方的に見ているだけだから…それは不安になるわよね。無事に助け出してから、褒めてあげようと私は心に決めた。


 しかし、問題はいくつかある。仮に行ったとしてどれだけの護衛がいるのか?それと、移動手段の確保…一番厄介なのは先頭になるころには日が落ち始めている事。下手をすれば日が完全に落ちているかもしれない。でも…トワを助けに行かない選択肢はない…!!


「みんな!トワの居場所が大体分かったわ!すぐに移動したい…馬車の用意はある?」


「そんな事だろうと、すでに待機させてある!御者は俺がやる!!方向の指示を頼む!!」


「分かったわ!ただ…なるべくトワの視界は維持したいの。彼女が不安を感じているから…何も出来ないけど、なるべく彼女の気持ちを拾ってあげたい…」


「ああ、方向さえ指示してくれれば問題ない!とにかく、移動を開始するぞ!!」


「分かったわ!よろしく!!」


「「おおー!!」」


「二人は少し黙っとけ!ヴィラの支持を聞き逃したら大変だからな!!」


「…僕は、一応リーダーなのにこの扱い…」


「私はトワの姉なのにこの扱い…」


「お前らが失敗したせいでトワが危険な目にあってるんだろうが!!戦闘は避けられないだろうから、それまでは力でも溜めてろ!!」


「「イエス!ボス!!」」


「いつもながら不安になるわね…」


 そんなこんなで馬車はトワたちの後を追って出発した。どうやらまだ到着してないみたいだけど、やたらと盗賊頭と話をしているみたいね?必至に堪えてるみたいだけど、不安が大きくなってきてる…トワ…


 トワの心配をしながらも、私が方角を支持しながら馬車はトワの後を追っている。ギュネスも必至みたいね?結構乱暴な御者になっている。でも、それを注意する者は誰もいない。一刻も早く追い付きたいとみんな思っているから…


「ずっと何も出来ないのはもどかしいな…」


「うん。特に、私とルーファスは失敗しかしてないから…」


「そう言えば、二人は何でトワから目を離したんだ?」


「…子供に囲まれてしまってね。無理に押しのけるわけにもいかずに…少しならマリーもいるから平気だろうと…」


「私も、へんな男に軟派されて…叩きのしていたらいつの間にか見失って…心のどこかでルーファスもいるから平気だと思っていたのは否定出来ない…」


「つまり、二人は互いを信じていたが故に失敗してしまったと?」


「「面目御座いません…」」


「ハルト、バカ二人に憤る気持ちは分かるが後にしろ。トワを無事に助け出す事だけ考えろ!!」


「はい、ギュネスさん!!」


「私たちの評価…どんどん下がってない?」


「そうだね…これから取り戻すしかないね!!」


「気が散るからみんな静かにして!!」


「「「「すみません…」」」」


 屋敷に着いてからもトワは盗賊と話していたみたいだけど…何…これ?トワから色々な感情が凄い勢いで流れてくる!?なにより…


「お、おい?大丈夫か?ヴィラ…何で泣いているんだ?」


「今は集中を切らせたくないの…気にしないで」


「気にするなって言われてもな…」


「今はトワの心配だけしていればいいの…とにかく、気にしないで」


「わ、分かった…」


 ハルトはまだこの魔法がどういうものか分かってないからこの程度の問答で済んだみたいね。そうではなく、もしトワ本人が泣いていると知ったら…いえ、今はトワに集中しないと!?


 な!?もう、ドルドーニュが来てる!?何…このとてつもない不安と恐怖は!?ドルドーニュの視線のせい…?そうよね、私は安全な所から見ているだけだから冷たい視線を見てもそこまで思うことは無い。でも、実際にあの場所で直接向けられたトワは…


 何!?何を言ってるの!?トワ!トワ!?落ち着いて!!大丈夫!大丈夫だから!!今すぐ私たちが行くから!!


「ギュネス!!屋敷は見えたの!?」


「ああ!見えた!!まずい状況か?」


「凄くまずいわ!邪魔するのは蹴散らして二階の角部屋へ急いで!!」


「分かった!いくぞ!お前ら!!」


「日が沈みかけているけど…全力で行くよ!!」


「私は…疲れない程度に全力でやる!!」


「俺は最初から全力で暴れてやる!トワ!待ってろよ!!」


「後の事は後で考えれば良いわ!蹴散らしなさい!!」


「「「「イエッサー!!」」」」


 その後は、警備っぽい人物も、使用人もまとめて吹き飛ばしトワのいる部屋へ急いだ!!そして…


「まずいわ!盗賊がやられた!?トワの心が助けを求めてる!急いで!!」


「くっ!?あの部屋か!?」


「そうよ!!」


「助けて!!」


「トワ!!」


 トワの声が聞こえた!!もうすぐよ!!


「ところがどっこい!助けが来たりするんだよな!!」


 ギュネスがドアを蹴破って中に突入した!トワ!!


「ギュネスさん!?みなさん!!」


「トワ…無事か?」


「何とか間に合ったようだね」


「この豚野郎…トワを泣かせるなんて許さねぇ!!」


「ハルト…怒りの余りキャラが変わってない?」


「とりあえず、この豚ころして良い?殺して良いよね?」


「いや…さすがにいきなりそう言うのはまずいからね?」


「そう言いつつ、ルーファスも剣に手をかけているけど?」


「まあ…トワちゃんのこんな恐怖に引きつった表情を見せられればね…僕は結構温厚な方だけど…さすがにね?」


「お前らに任せたら大惨事になるだろ?ここは、俺がきっちり…しなない程度に地獄に落としてやる!!」


「しなないのに地獄って…余計に怖いですよ…?」


「トワ…本当に大丈夫?怖かったよね…」


「…大丈夫です、ありがとうございます。約束を守ってくれて!」


「本当に…いきなりだったからびっくりしたわ。だけど…うん、お陰でトワの事を好きになれたかも?これからよろしくね♪」


「こちらこそです♪」


 見た目と同じく弱いトワ。見た目と違って強いトワ。どちらも感じられたからこそ、トワという少女を好きになれた。不幸を呼ぶとしても…一緒に頑張って行きたいと思うほどに…


「貴様ら!私の別荘に無断で侵入して上に、勝手に助かったと思っているのか!?これがどれだけの罪か分かっているのか!?ただで済むと思うなよ!?」


「おやおや、ドルドーニュ町長?言葉と顔が歪んでおりますよ?」


 ふふっ♪トワったらまだ終わっていないのに安心し切っているわね?でも…それでも問題なさそうね?さて…私も一発くらい殴らないと気が済まないわ!覚悟しなさい、ドルドーニュ!!

最後までお読みいただき、ありがとうございます。


もう少し上手く話しを回したいですね。本当に難しいものです…


次話もよろしくお願いします。

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