ダラダラっと第九回!
「ここに少し隊員を置いて行く。女性二人は、ここで待っていると良い」
「分かりました、お気遣いありがとうございます♪みなさん、大丈夫だと思いますが気を付けて下さいね?」
「トワ、君はまだ子供に見えるが随分しっかりしているな?フフッ、背伸びをしていた頃のエイナを思い出すな…」
「その、折角再会出来たのにすぐに離れて大丈夫なんですか?エイナさん、心細いんじゃ…」
「私としても傍になるべく居てやりたいところだが…今は、この地域を少しでも安全にするために尽力する時間だ!このアジトを壊滅に追いやることで、少しはこの辺りの治安も良くなっていく…そう私は思っている」
「そう…ですね。ただそば居るだけじゃ、守れないものだってあるんですからね…」
「そう言う事だ。・・・では、行ってくるが…もし、何かあったら中の私たちのところに知らせに来てくれ。決して、君らだけで何とかしようとは思わないでくれよ?子供のし体なんて見たくはないからな…」
「いざとなったらエリーお姉ちゃんと逃げるから大丈夫です!ね?エリーお姉ちゃん♪」
「もちろん!どんな相手だろうと、トワには指一本触れさせはしない!」
「・・・それは心強いな?だが、君も私から見ればまだ子供であり、さらに女性だ。無理はしないようにな?」
「大丈夫。無理はしない、トワを悲しませたくない」
「その言葉を聞ければ安心だな。それでは、行くぞ!出撃!!」
アルバークさんの号令と共に、一斉に守備隊の人たちはアジトの中に入って行った。ルーファスさんは何故か残ってるけど…?
「ルーファスさんは行かないんですか?」
「…僕が離れても平気かい?」
「さ、先ほどの事は忘れて下さい…。それに、今はマリーお姉ちゃんがいますから…大丈夫です!」
「・・・その様子だと、大丈夫そうだね?それじゃあ、僕も手伝って早く終わらせてくるよ」
「はい!その…気を付けて下さいね?」
「もちろん♪トワちゃんを悲しませる事何てしないよ。そんなことをしたら…隣にいる怖いお姉さんにこってりしぼられそうだからね?」
「こってりじゃなくて、がっちりしぼる。トワを悲しませる奴は許さない」
「だそうだよ?しぼられないように、怪我も無しで戻るよ」
「頑張って下さい!」
僕の応援に片手で応えながら、ルーファスさんも廃墟の中に消えていった。さて…
「マリーお姉ちゃん…お願いがあるんだけど?」
なるべく可愛く見える様に仕草も加えておねだり…これは重要ミッションなので本気出すよ!
「ん?どうしたの、トワ?」
「あっちの隅で膝枕して欲しいの…少しだけ休みたくて…」
「トワのお願いじゃ仕方ない!私も休みたかったし、丁度良い」
「ありがとう!マリーお姉ちゃん♪」
今までで一番渾身の笑顔が出来た気がするね!これで…アルバークさんたちが戻ってくるまでダラダラ出来るぞ♪
「…私の妹は世界一可愛い」
「え?何か言った?マリーお姉ちゃん?」
「何でもない。早く行こう」
「うん♪お昼寝、お昼寝~♪」
寝るつもりはなかったんだよ?ダラダラすると言うのは、寝るのとは違うからね?でも…マリーお姉ちゃんの柔らかい太ももと、頭を優しく撫でられる感覚が心地良くて…気が付いたら寝ていた…
「・・・ぅん?…あ…れ?」
「あ…起きた」
「・・・私、本当に寝ちゃってた?」
「寝てた。とてもとても可愛かった♪」
「可愛かった…ですか?」
「寝顔が可愛かった♪私が自分の眠気を忘れるくらいに♪」
「…恥ずかしい」
あんな笑顔で可愛い寝顔ってどんなの?恥ずかしい…思った以上に寝顔を見つめられていたって恥ずかしい…
「僕もその可愛い寝顔を見たかったなぁ?」
「あ、ルーファスさん。おかえりなさい」
「おかえり、変態ルーファス」
「え?何で変態扱いに…?」
「少女が恥ずかしがってるのに、寝顔をみたいとか変態の所業」
「酷い言われ様だ…」
「あはは…えっと、どうでした?問題などありませんでしたか?」
「うん、順調に捕縛できたよ。いや、捕縛はほぼしていたから連行と言うべきかな?その際、少し尋問したようで他に部隊で外に出ている盗賊仲間はいないそうだよ」
「そうですか…これで、盗賊団は壊滅ですか?」
「そうなるんじゃないかな?トワちゃんのお手柄だね♪」
「ち、違いますよ!倒したのは、ほぼルーファスさんじゃないですか…。もし、何かお礼が出るとしたらルーファスさんが受け取って下さいね?」
「欲がないね、トワちゃんは」
「いえ、私はもう十分貰いましたから」
「え?何か貰ったの?」
「はい♪ルーファスさんに命を救って貰いましたから♪そのお陰で、ルーファスさんと、マリーお姉ちゃんとセフィラさんとアルバークさんと…そして、これから出会う皆さんと色々な事を話して、体験出来るんですから♪これ以上を望んだら罰が当たりますよ?」
正直なところ、ダラダラはしたいけどね…。それだけ出来れば高望み何てしないよ?
「トワちゃん…何て良い子なんだ!?」
「ちょっと待て!変態!!」
「うわっ!?とっと!?今、結構本気で蹴ろうとしたよね!?」
「ちっ!外した…」
「ちょっと待ってくれないか?何で今、僕は蹴られそうになったんだい?」
「変態が私の大事な妹に襲い掛かったから」
「さすがにそれは曲解じゃないかな?」
「じゃあ、何をしようとした?」
「いや、単にすごく良い娘だから感極まって抱きしめようと…うわっ!?何故また蹴ろうとしたんだい!?」
「天罰!幼気な少女を抱きしめてハァハァしようとした報いを受けろ!」
「そこまでしようとしてないよ!?ちょ!?ちょっと待ってくれ!?本当に待って!?」
「お姉ちゃん!私を抱きしめて!!」
マリーお姉ちゃんは、私がそう叫ぶと同時に凄い勢いで方向転換して抱きしめて来た。危なかったよ…本気でルーファスさんに襲い掛かってた…。さすがの僕も予想外だったよ…
「そっかそっか。ルーファスに襲い掛かられて怖かったんだね?よしよし♪」
…何か、私に絡むときは饒舌になる気がするけど…とりあえず、落ち着いた?ようで良かった…。良かったのかな?
「助かったよ、トワちゃん」
「いえ…何か、お姉ちゃんが先走ってご迷惑を…」
「そんなのに謝る事ないのに…」
「お姉ちゃん、頭撫でて欲しい♪」
「良い子良い子♪」
「…もう、何て言って良いやらだね…」
「私、マリーお姉ちゃんの将来が心配です…」
「ん…?」
「なんでもないよ?あ!アルバークさんが帰って来た!アルバークさーん!捕縛完了ですか!?」
「ああ、君たちのお陰で全員捕縛出来た。これでこの辺りの治安も大分良くなるはずだ…警備隊の隊長として礼を言う、ありがとう」
「いえ!私は何も!?例ならルーファスさんに!」
「僕も要らないよ?トワちゃんを助けられただけで満足だからね♪」
そう言って、こっちにウィンクしてきた。そんなことしたら…
「ガルルルル」
「お姉ちゃん、落ち着こうね?」
今度は僕が頭を撫でました。思ったより効果あるみたいだね…
「では、早く駐屯所に戻ろう。大分日が落ちて来た、まだ日没まで時間はあるだろうが…危険は増すばかりだからな…」
「そうだね、それじゃすぐに移動を…」
「待って…何か来る…!?」
「なに!?…あれは!?よりによってあいつが…」
「え?え?何ですか!?」
ルーファスさんたちが注視する方を振り向いたら…大型の魔物らしき姿があった…!?




