92話
その夜。眠れませんでした。
どうやら神的精力スキルってかなりのスタミナを得るスキルらしい。
下の部分の話だけではなく全体的に体力という部分である。
で疲労を抜くためにガッツリ寝てしまったので夜眠れません。しょうがないので夜の番をやっております。
といってもここは詰所なので夜警も必要ないので少し離れたところで鍛錬でございます。
体力強化のために結局地道な筋トレしかないんだよね。
で、少し離れたところで腕立て、腹筋などをやっておりましたら誰かがやってきた。
「何でこんな暗がりで筋トレしてるのよ?」
「邪魔にならないところってここくらいだもん、しょうがないよ」
結構死角にいたんだがよく見つけたなと思ったらどうやらサトリを持っている。
案内してもらったようである。
本来サトリの能力を知ると持たないと思うんだがファムの個人情報保護スキル、どうやらサトリの能力ではどうやっても誤作動を起こすのが判明した。アンバーみたいに外から看破じゃなく内面を読み取るスキルだからなぁ。
で、サトリを安全に持てることが判明したのでモフってたようである。
「ちょっと二人で話したいことあるんだけどいいかな?」
「ってことはサトリは?」
「出来れば聞かれたくないかも。」
だそうだ。じゃあ召喚解除で。
『未だご主人様のおやつ食べてないですぅ』
そう言って暴れるが次に三倍食べさせる条件で手を打ちおとなしくなった。何でそんなに食い意地が張るようになったんだろう?
「あのね、昼間にジョアンナ様からあなたの家の話が出たじゃない?あれってきっと貴方にも叙勲とかの話になると思うのよね」
「まああの口ぶりだとそうだろうな。取り込まれそうなのは回避したいけどかといって逃げる気もないしなぁ。」
「でね?もしそうなったとしたら、ほらあたしなんてしがない男爵家末子じゃない。すると貴方とも壁ができてきて話せなくなるなんてことになったらいやだなぁって思う訳よ」
「そうだな。せっかく話せるようになったんだもんな」
「でしょ?まあこの縁を切りたくないというか。ほら、そもそも貴方にはいろんな事されてるじゃない解析って言ってエッチなことするし、お風呂の中で抱きしめるし、言っても貴族女子としてはかなり傷物に近いのよね。ここはやっぱり責任をとってもらわないと困るっていうか、そのつまり」
おいおいなんか駄々洩れですよ。おもしろいな、暗がりでもあたふたしてる様子がわかる。明るいと顔が真っ赤なんだろうな。
「うれしいよ、そんなんこと言ってくれるなんてね。でも今返事はできない」
「そ、そうよね。やっぱりあたしなんかじゃ出世していく妨げになるだろうし」
腕をつかんで引き寄せる。とっさだが抵抗せずにこちらに倒れ込んできてくれるので抱き寄せる格好になる。顔が近い。ほんとに美少女である。これが日本なら問題ないのになぁ。
「アホ」
デコピンをする。今度は目を丸くしている。これ面白いな。
「行っておくが出世に興味はない。いざというときにはどこにだって逃げるし誰とでも戦う。大事な人たちが害されずに幸せに生きていければいいと思っているんだよ。」
そして頭をぽんぽんする。
「すまないが今はこの距離が限界だ。君も貴族子女である以上これ以上の行為ができないのはわかるだろう?」
そういって離れる。よかった何とか理性は持ってくれて。
「ファムの気持ちに答えられるように努力はするつもりだよ。これ以上はいえない。主に理性的な意味でね」
「ドロシーのことはどうするの?きっとミュゼも同じ気持ちだと思うんだけど」
「今はその答えも出せない。俺は今でも鏡を見れば違和感しかないんだよ。前世の顔はわからないけど日本人の顔じゃないでしょこれ。同様に実の家族とも思えない。知識としては家族とわかっているんだけどね。どうしても養子な気分なんだよ」
「ああ、そこはわかるかも。ふと自分の違いに気づいたりしてね」
「ドロシーの気持ちもわかっているよ。泣かせたくない意味では同じなのか近いのかまだわからない」
「もしドロシーとの結婚に道義的に問題がないなら?」
「迷いなく結婚したいかもね。まあこっちの気持ち的には引き取られた先のいとこって感じかな」
「ドロシーとあたしとじゃ?」
「同じくらいとだけ言わせてほしいな。まあこれから先もっと好きになる女性が出るかもしれないけど」
「貴方エッチだもんねぇ」
「失礼な、どれだけ理性で抑えてるのか知ってるだろうに」
全く抑えるのにどれだけ削られてるかわかってるのかね。
「ふーん、そういうことにしといてあげる」
少し笑顔が戻ってくれたな。それはよかったけど、こちらは問題が山積だよ。
「どちらにしてもこのダンジョンクエストが終わるまでは結果が出せないのだけは言っておくよ。」
「わかったわよ。とりあえず明日から今まで通りで行くわ」
うん、そうしてくれると助かるよ。でもきちんと将来考えなきゃいけないのかね。まだ13歳なのに
「お互いに13歳の感覚じゃないでしょうが」
笑いながら戻っていく。送っていこうかと言うと、暗がりから二人同時に出るとかそれこそ危険だから今晩は帰ってくるなと言われた。さっきまでのしおらしさはどこへやら。でも普段通りになってよかったよ。
「気を付けて帰るから大丈夫よ。」
そういって帰るファムを見送った後にとりあえず朝霧を呼び護衛としてついていかせる。
護るものばっかり増やすのってしんどいね。まあ好きでやってるからいいんだけどな




