77話
この間から思っていたのだがもしかして料理人として雇われたのではないだろうか?
移動の間は料理役としての仕事がメインである。人数はカーンズパーティ5人、こちら3人。そしてなぜかヒュドラアイズの5人も一緒に移動である。
ここまで行くと流石に収納スキルも見せる気にならないので馬車に料理道具を用意してもらう。
料理番として馬車移動である。
「移動がノンビリすぎる。」
「馬車スピードだもんね。でもこれが普通なのよ」
ドロシーにたしなめられてしまう。チミに言われるとはショックだな。
料理道具と馬車は自前で用意した。まあ、壊れかけの荷馬車があったのでもらっていたというのが正しいのだけれどね。
因みにコッソリと現代知識でサスペンションとかつけていたりする。
もっともいらんトラブルを避けるため見えないようにである。
その分荷台の部分が船のように大きくなって不格好と批判を受けたがいいじゃん、乗り心地優先だよ。
今回の馬はいつものバリオスではなくお兄ちゃんのザンザスを召喚。
バリオスよりトップスピードは劣るが力はあるので馬車向きである。
というかのんびりしてるんだよ。動じないというか大物というか。
紛いなりにも神の軍馬なのに戦闘以外はのんびりと、がモットーらしい
旅の行程は順調である。初日こそ何も出なかったが二日目からはちらほらとダンジョンモンスターが出てきている。
「スケルトンとか初めて見るわねぇ」
「乾いているものはいいけどグールとかゾンビってちょっと嫌かも」
ノンビリと会話するくらい余裕がある。というか二日目も全くモンスター退治などしていない。
流石にAランク、Bランクパーティがそろっていては新人Cランクなど出番がない。
まあ見て覚えろということかもしれないので戦闘シミュレーションの為にとりあえず馬車の外には出たりしていたが。
この世界にいわゆるアンデッドモンスターはダンジョンでしか発生しない。
ダンジョンコアからあふれる魔力からどうとか言われたがよくわからないのが現状らしい。
ただ、今回のようにダンジョンからあふれてきた場合は本来の活動に供給される魔力が極端に少なくなるので耐久力、動きなどダンジョン内とは比べ物にならないほど弱体化している。
本来のダンジョン内の動きであればスケルトン一体がCランク相当の魔物になるというからダンジョンの怖さがわかろうというものである。
「ま、さすがに明日はもう少し歯ごたえが出てくるだろう。入口に近いほど同じ個体が強くなっていくからな」
夕食時、カーンズがそう言ってくる。しっかり教師が板についたのか説明癖がついているようだ。
「明日の昼過ぎには町につけるだろうからな。我々はそこで別行動になる」
ヒュドラアイズのマートンが説明してくる。
「ダンジョンというのは夜になると活性化する性質があるんだ。だから我々は仮眠をとって夕方からアタックを開始する。きみたちもおそらく夜警となるだろう。仮眠は取れるようにしておいた方がいいな」
「そういえば、キュクロープスって何か弱い属性あるんですか?」
「それに限らずダンジョンモンスターは基本的に属性相性っていうものがないのよ」
素朴な疑問にヒルムカが答えてくれる。
「例えばファイヤーラビットなんてわかりやすいわね。野良のファイヤーラビットは当然水属性魔法に弱いわよね。でもダンジョン内に発生するファイヤーラビットは水属性では優位にはならないことがわかっているのよ」
「魔導士はだからあまりダンジョンには潜らないな。シーカーの中では純粋な魔導士はたしか5パーティあってたった一人だ」
「純粋じゃないのはいるんだ」
「そりゃそっちの方が多いだろう。お前さんみたいに剣技もできる魔導士でなければやりにくいだろうからな」
なるほど、すると属性以外の魔法のほうがいいのかもしれないね。試せるときは試してみるか
といってもまずは魔物を見つけなきゃいけないんだよねぇ
普段なら遠征は朝露を先行させて索敵をしているところだが今回はそれができない。
ダンジョンでアンデッドと戦いなれているヒュドラアイズの面々はアンデッドに対する気配察知が強く
朝露の気配すら見抜かれてしまった。危うく消滅させられるところだったのである。
ていうかレイスを殴って消滅させかけるってどれだけすごいんだこの人達。
なので今回はザンザスの周辺監視とファルコの航空偵察のみである。
まあ地道に探しますかね。




