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八百万の精霊召喚~異世界神から日本妖怪~  作者: 那園曽 氏規
本編

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70話

目が覚めるとそこは知らない部屋だった。


どこかの部屋のようだが記憶にある部屋の訳がない。


また死んだのかとも思ったが白い世界(神の空間)とも違う普通の部屋だ。


「目が覚めたようだな、少し待っていろ。主を呼んでくる」


気づけば枕元にいたらしい女がそう言い残し部屋を出て行く。


「死んだはずじゃないのか」


我知らずつぶやく。あの時確かに腹部を刺され自爆に巻き込んだはずだったのだが。相手はともかく自分が生きているはずがない


「目覚めたんだ、よかったよ」


入ってきた少年は本当にうれしそうに言う。

そもそも殺そうとしていた相手なのにどういう風の吹きまわしなのだろう?


「エイル、ありがとう。もう大丈夫みたいだね。」


「当然のことをしたまでです。他の患者を見回りました後お暇致します」


そう言って女性は部屋を出て行く。


「まったく、自爆なんてやめてくれよ。せっかくうまく偽装する用意してたのに助けるの大変だったんだからな」


「助かるはずのない爆発だったと思うんだが?」


「まあ瀕死だったね。とっさに爆風の間に障壁を張ったけど殺しきれる衝撃でもなかったからね」


あの青い鎧実は一人で動かしている物ではない。サポートとしてナタクが魔石型になりコアとして入っている。いわば纏ってはいるが操縦と魔力供給が俺でナタクが管制担当である。


瞬時にナタクが自爆魔石に気づきソードを非殺傷モードにして突き刺す。外して爆発させ、マリーチーのリアルタイム中継システムで画像処理をし爆散したように見せかける手はずがタッチの差で本当に爆発してしまった。

もっとも画像処理で抱えていた黒い鎧を消し、そのあとも自分が消えるように処理したことでさほどばれてはいないだろう。

そもそも特撮なんてない世界ですからね。CGならぬGGゴッドグラフィックスなんて見抜けるわけがない。


で、助け出しけが人を拾ったことにしてとりあえずうちに連れて帰る。

治療は医療ワルキューレエイルを召喚した。

流石に神の治療なのでやけど骨折など一晩で治っている。

それでも目覚めるのに二日はかかっていたがエイル曰くは


「心的外傷が深いですね。応急ですが精神治療術(リフレクション)もかけています。ですがこれを完治するには半年はかかりそうです。」


といっていた。


それらすべてを話し、乗り越えるつもりがあるなら力を貸す、といった


何を考えている少年なんだろう?大量殺人の計画を立てた人間を助け更生に力を貸す?

ありえない、初めて少年に恐怖した。


怯えが伝わったのか肩をすくめ苦笑いをする少年。


「怖がらなくていいよ。これは依頼されたことだからやっているだけ。正直俺自身はあんたに対して何の恨みも悪意もない。もちろん好意もね」


「依頼?私を助けるのが依頼というのか?」


「そう、あんたを助けるのがじゃなくて転生者を助けるのが依頼だけどね」


************


神々に呼び出され情報交換をした後、帰還の前にアルケー様が言いにくそうに話しかけてきた。


「出来れば、できればでいいのですがなるべく人死にの無いようにお願いします」


「極力被害は抑えようと思っていますよ。」


「いえ、そうではなく転生者たちの処遇です。彼らにも恩情をかけてもらえればと」


無茶を言う。そもそも犯人が転生者なのにどうやって恩情とか、下手したら死ぬかもしれないんだけどね


視線で言いたいことが伝わったのか悲しそうに目を伏せるアルケー様


「わかりましたよ、最善を尽くします。無駄に命は散らしたりしませんからご安心ください」


そういうと嬉しそうに抱き着いてくるアルケー様、まあいい匂いですよ感触は薄いからそんなに気持ちよくないけど。


伝わったのか赤い顔をしてフン!と言いながら離れていく。いつもみたいに首を絞められないだけましだったのか。


アルケー様が離れた後にミーミル様が来た。


「ありがとう、アルケーの無茶を聞いてくれて」


「お礼を言われることはまだ何もしていませんよ」


「してくれた後にお礼を言うことができないから先に言っているのよ」


なるほど、もっともだ


アルケー(あのひと)がどうして転生を管理しているかわかる?」


いきなりなんだ。月は関係ないよね?航海だけに世界をうまく渡れるように?いや無理がある


「アルケーは慈愛を司る女神でもあります。いちばんやさしいのよ。だから異世界からの転生者すべてに優しく接するの。たとえ世界を滅ぼす行動をしようともね」


納得した。だからこそ心配してあんな泣きそうなんだね。

彼女にしてみたら異世界からつれてきた迷える魂。いつまでたっても心配なんだろう


その報酬も込みでの神の加護ですか?


「特別報酬を出しますよ三つの中から選んでください」


【神をも孕ませる超精力スキル】

【一定時間子供を作れないスキル】

【触れている他人の知覚情報を感じ取るスキル】


「好きなのを選んでください」


「ろくなのがねぇ!」


いや個人的には一番がいいと思うんだよ。二番目ってどういうこと?行為しても子供ができないの?


「いえ、一定時間不能になるスキルです。効果は二週間。発動後は任意で切れません」


「ダメじゃん」


三番目はサトリの存在意義がなくなるのでいらんし


「それでは特別報酬無しでお願いしますね」


いい感じで弄ってくれるじゃないか。意外とこの神たちも楽しい人たちだね




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