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八百万の精霊召喚~異世界神から日本妖怪~  作者: 那園曽 氏規
本編

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68話

時刻は正午にさしかかろうとしていた。

王都に迫る魔物も消滅し儀式は荘厳な大一番を迎える。


七柱の神像の前に七人の巫女が礼拝する。

いよいよ神託の儀である。


カシウスはじめ神官たち、果ては巫女までもが神託とはあらかじめ決められた順に決められた事柄を言うものと思っている。

それは今までの儀式上そうではあるのだが神より聞いたところによると特に問題ないので放置しているだけらしいので普段から神託はチエックしているらしい。

実際は神託を受ける巫女を操り意に添わぬ内容を言い回しの違いに見せかけ微修正したりしたこともあったらしいのだがそれは誰も気づいていないとのこと。

因みにこれもアルケー様の仕事らしい。

何でそんなことまでやってるのかと聞けば


「航海の女神なんだから舵取りも仕事だって創造神(おっさん)に押し付けられたのよ」


とのこと。

神様も大変だねぇ。


しかし、今年は違いますよ。いろいろと趣向も凝らしております。



荘厳な雰囲気の中神事が終わろうとしている。

中身が日本人なので神事ってよりステージって感じなのだがまあ実際オンステージにするつもりなので問題はない。


いよいよ信託の義である。七神像のある祭壇前に七人の巫女が並ぶ。


彼女たちは各々神像の前に膝まづき啓示を受ける。

今回は第二王女が担当らしい。

ミュゼとファムに手順確認したところ、何でも啓示の順番は毎年くじ引きで決まっていたそうだ。

ところが今年は神官の話し合いの結果カシウスが勝ち取り、ジョアンナ王女が啓示を受ける役と決まったらしい。


まあいいんですけどね。ここからはこちらのターン。勝手なこと言わせてもらいますよ。


立ち上がる巫女たち。祭壇に向いていたからだを後ろで見守る信徒に向き直る。

最前列には王族、貴族VIPがそろっている


少し微笑み、ジョアンナ王女が一歩前に踏み出そうとしたその時、突然動きが止まる。

巫女全員が動かない。いや動けない。七人の巫女の前に七人の人影が顕現する。


その姿は伝承どおり。何よりその場にいればそれと直感で分かってしまうくらいの荘厳さを秘めた空気を纏っている。

この国、いや世界が始まって初めて公に七柱の神が降臨した姿である。


『我が名はバルトール。皆、神星祭を祝いうれしく思う。』


聴衆すべての頭の中に声が響く。それは会場だけでなく王都にいるすべての人間に対して起こった出来事であった。


『だが、この度の神星祭。魔物で汚そうとした輩がおる。我は神の名においてそのものを断罪せねばならぬ』


そういうと壇上にもう一人人影が現れる

全身をシアンの金属鎧で覆い顔の部分はつるりと目鼻がなくのっぺらぼう。手には先端が光る刃の大鎌を持っている。


『この者は我が眷属 エグゾジーザス。断罪を司るものだ。悪意ある大罪のものしか裁くことはできぬがな』


そう言うと青い鎧は左端の巫女の前まで行く。怯えているのだろうが動くことはできない。

そのまま巫女の胴を薙ぐように刃をふるうが素通りをして傷一つけることはなかった。


『このように罪なき者には何の脅威にもならぬ木偶の棒だ。だが罪のある者にはどうであろうな』


そう神が言うと今度は神官席に向かう青い影。

無害とは言われてもその異様な姿に神官たちは席から逃げ出す。

ただ一人目的の男、カシウスを除いて。


『断罪の刃は罪なき者には当たらぬ。だが罪の大きさにより強度が増す。悔い改めよ』


創造神の言葉が終わると同時に大鎌を振り下ろす青い影。

だがその刃は空を切ることはなかった。

カシウスの体を守るように突如出現した盾に阻まれ硬い音を出す。


『罪をさらけ出し尚も抗うというのか?』


「やれやれ、しょうがないですね。こんな手を使ってくるとは思いませんでしたよ」


呆れたように言い放つ。そこには悔しさもなく単純に失敗を認める意識だけがあった


「でもいいんですよ守られるべき人が少し減るだけですからね」


法衣がはじける。服の下に仕込んでいた数十個の魔石武器をすべて開放する

異形の甲冑姿である。全体は黒く硬質なフォルムはカブトムシを連想させる。但し両腕には各三本、腰には左右にそれぞれ一本の筒が付いている。頭部はさすがに角はないが背中は防御楯が四枚重なり羽状になっている。


腕をただ横に向けた刹那青い影はタックルをする。バランスを崩した黒い腕から放たれた魔力弾は神像後ろのステンドグラスに当たり粉々にする。


悲鳴が上がるがいつのまにか動けるようになっていた巫女たちは一塊になっていて神の結界に守られている。


一瞬の隙を見て青い甲冑は黒い影を掴み破れたステンドグラスから空へと飛び出していく。


「やっぱ現代人だねぇ。イメージ的にはパワードスーツに行くと思ってたんだよ」


遥か上空で手を放す。双方に飛行能力のあるため落ちることはない。と分かっているような自然な離し方である。


「君ですか、神様の加護の鎧のわりには君こそかなり現代的センスですよ」


「いや、これは自分で用意したものだから安心しな。」


カシウスのスキルが最終的にパワードスーツ系になるだろう予測は立てたのだが、本質的にアンチマジックとか使われるとどうしようもない伝説の武器たちしか召喚できないこちらは若干不利かと思っていた。


しかし伝説の仙人にもマッドサイエンティストは存在する。

太乙真人である。 封神演義で有名であるが。彼は戦闘用サイボーグナタクを作った魔道工学技士

召喚しカシウスの能力と、記憶にある特撮アニメ系の武器を参考に本番までに作ってもらったのがこの青い鎧エグゾジーザスである。


「それにこれはあんたのために用意したワンオフ品だ。感謝して試運転に付き合ってくれよ」


鎌をグレイブ状にし切りかかっていく。空中戦の開始である。

でも飛び道具これについてないんだよね。


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