62話
神星祭当日である。
実際のところは前日から街は祭りで盛り上がっている。
宵宮とかクリスマスイブとか案外楽しいのは前日だったりするんだよね。
本日は朝から神殿で祭りのメインを待っております。
護衛人枠でちゃっかりこちらも神殿まで入れるようになっていた。
もっとも巫女控室まではいきませんよ。あくまで神殿内までです。
ファムには三度目見たら責任取らせると脅されています。
責任って嫁にするってことでしょ?意外とこっちの条件よすぎじゃないか?
覗くだけでプロポーズ完了とは美味しいな。とか言ったらナイフ投げてきました。
刺さったら危ないだろ。
彼女たち巫女が出てくるのは11時過ぎくらい。
長ったらしい拝礼を経て正午に巫女への神託の儀が行われるそうな。
面白いのだがこの世界実は暦と月の周期が一致している。
毎月一日の正午が新月点となっていて一月巡る。15日が満月。また一日が新月と動くことがないらしい。
そしてこの正午こそ太陽と月が天空にそろう神の力のもっとも強い日とされる時間らしい。
もっともこの数年は巫女一人が神の姿を見神託を受けるというもの。
それもどの巫女かはランダムらしいね
先に神託を知ってしまった身としてはイメージ的にイベントプロデューサーのような心境である。
上手くいくかドキドキ。
そんな気持ちで神殿内を回っていたらカシウスに出会う。
彼も同じ気持ちなんだろうか?望む結果は相反しているけどね。
「君は今日は来ないと思っていましたよ」
「大事な友人たちの晴れ舞台なんですよ。しっかり見なきゃ怒られてしまいます。それに今日に限っていえばここが一番安全な場所でしょう?」
「世界を守るヒーローはあきらめましたか?」
「最初からそんなつもりはありませんよ。傍にいる大事な人しか護るつもりなんてないですからね」
「そうです。それが一番大事なことですよ。」
「そう思ってるんだ?」
不思議そうに問うと頷いてくる。そこに迷いはない笑みである。
「当たり前です。多くを守るためには大きな力が必要なのですから。守るべきもののために力を使うそれのどこがいけないのです?」
「言っていることは同じで共感もできるけどね。今日はこれ以上の問答はいいですよ」
そうですか、残念です。といってカシウスは離れて行った。まじめに仕事をするようである。
気分が悪くなってくる。どす黒い感情が澱のようにたまってくるのを感じるがどうしよう。このままじゃいけないな。
『主、ご気分がすぐれないようですが』
念話が入る、マリーチーである。どこで見てるんだ?
『私は全方位を見ることが可能なのですよ。陽光のさす部分そこが私の目となりますから』
流石、コロナの神将だけのことはある。普段の気遣いはいいんだよね。キスで動揺するのがタマに傷ですが
とは言え少し落ち着いた。念話とは言え会話は大事だね。助かったよ。
ついでだ、状況はどうなっている?
『四天王をはじめ十二天は四方八方に各自陣をとり待機しております。八部衆は四方に摩睺羅伽王、竜王、迦楼羅王、天王を配置し内部遊軍として北半分を馬頭、南半分を孔雀としております。』
阿修羅たちはどうだ?
『各々転生者たちについております。殺人その他の類行為を行わない限りはご指示の通り監視としております』
うん、引き続きたのむよ。可能な限り被害の無いように
理想は正午までにスタンピートの片をつけたいんだけどね
外の方は神将たちに任せておくしかないんだけどね。
何せこっちは下手したら三人の転生者相手なんだからなぁ
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祭りの儀式自体の開始は十時ごろでした。結局は舞台袖で儀式を見る羽目になってしまった。
カシウスはなんとミーミル様の司祭長だったようで重そうな儀式服着て舞台に上がっている。
あとはみんないい歳したおじいさんっぽいのにカシウスだけ異常に若い。
すごいエリートじゃん。というかアルケー様の側になんでいないんだよ?転生者なのに。ミーミル様のほうは司祭、巫女共転生者っておかしくない?
ま、知識面で言うと確かにあっているかもしれないが。この世界では月と航海の神様だもんなぁ
知識面ではちと弱いし、美人度でもラウニー様に勝てないし。お人好しの女神さまで売り出す手もありかな。意外と面倒見がいいからね。
などとくだらないことを考えながら儀式を見ていた。
横から注視していなければわからないが一瞬、カシウスの口角が上がった気がする。
なんだ?と思った瞬間マリーチーから念話が入る。
『主、王都の周囲六地点より巨大な魔力を確認。瘴気型の召喚穴のようです。発生地点の破壊は困難と判断。これより作戦を開始します』
いよいよか、さてこちらも気合入れますか




