32話
ただいま絶賛正座中です
真っ二つにした蛇のすぐ横で。
ファムにめっちゃ怒られてます。
「いくらスキルって言ってもおかしいでしょ?デッドパイソンのランクは?」
「Cランクかと」
「Bランクです!わかる?!BランクっていうのはBランク冒険者がパーティになって討伐する魔物なのよ?なんであなたの一撃で終わっちゃうのよ?おかしいでしょ?その攻撃力」
「ラウルっていつもこんなもんよ」
ドロシーはフォローしてくれる、でもね
「ラウル~!、あなたドロシーの認識間違っているの放置してたわねぇ~~!」
火に油でした。
うん、確かにおかしいのはわかってるんだよ。
「ラウルがおかしいのはわかってるわよ、でも今更だもん」
ドロシー、フォローのつもりでディスってるよ。
「とりあえずキチンと認識を共有します。これ以上おかしなことがありそうだからね」
「エー横暴だ・・」
睨まれました。こんなキャラだったのか?
「ドロシーは鑑定使えないのよね?取り合えずドロシーにはきちんとお互いに読み取ったステータスを開示しましょうか」
「ファムって鑑定持ちなの?」
ドロシーが聞く。こちらをちらりと見てからドロシーに向き直るファム。
「ごめんなさい、これは秘密にしてたの。でも基本的に誰もかれも鑑定をしてはいないからそこは信じてほしいんだけど」
「うん、大丈夫よ。ファムはそんなことしないってわかってるから」
我が妹ながらこういう時は感心する。ドロシーって意外と本質を見抜く眼があるんだよね。スキルとかではなくおそらく個人の資質としてだろうけど。
実際スキルを頻繁に使えるわけではないのでファムとしては杞憂なんだけど疑われやすいのも事実。
そこをあっさりと信じれるのがドロシーの良さだね。
「ありがと。ドロシーには信じてもらえてうれしいわ」
さり気にこっちは信用してないってか。まあ最初からあんなことしては無理かね?
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でお互いのスキルを開示し終わりました。
ただいま更に冷ややかな目でファムに睨まれています。
「なんで11もスキルあるのよ」
「いや、偶然?」
「ファムもすごいスキル持ちなのね。ラウルと同じ?いいなぁ」
「ああ、偶然?」
同じようにごまかすんじゃないよ。とりあえず転生者であることは秘密にしようと二人で決めていた。
だからドロシーの前では大っぴらに文句をつけることができないのである。
「と、ところでこの【一時拝借】ってどんなスキルなんだ?」
あからさまに話題を変えてみた。
「うーん、これはね相手のスキルを一時的に借りて使えるスキルなのよ。でもいまいち使い出が悪いのよね」
かなり便利スキルだと思うんだけど。つまり単純に火魔法使いがいればそのスキルを使って火力二倍になるし、対戦相手ならば同程度の技量になれるってことだからかなりいい対決できそうなものだけどね。
「あ、あたしのと試合の時に使ったってことね」
「そ、あれで使い勝手の悪さが露呈したわね。ドロシーと同じ剣技スキルになったんだけど地力の差が出てきたのよ。結局持久力の差でスキルを使いこなせなかったわね。」
「なるほど、使いこなす地力にまでは反映しないってことか。じゃあやっぱり地道な鍛錬しかないよな」
戦闘系スキルならば体力や持久力、魔法系スキルなら消費MPなど付随条件はコピーできないか。かなり大器晩成のスキルだな。
「ん?でもコピーしたスキルはそのまま持っていられないのか?」
「そこなのよね、基本的に一人1スキル。次をコピーすればそのまま前のスキルは消えちゃうわ」
ああ、まさにコピペだな。右クリックでできそうだ。応用範囲は広いけどもう少し使い勝手が良ければね。
「せっかくスキル借りるんだらどこかに残せればいいのにね」
ぼそっとドロシーが言う。文章のコピペならメモ帳にでも保存しておけば延々コピーができるんだが・・・・
「ファム、もしかしてだけどコピーしてそのまま使うだけだよね?保存のイメージで使ってみるとどうなる?」
「保存?」
「コピーしてスキルを【持っている】じゃなくて自分の中の空き領域に【書き込む】イメージでスキルを使ってみて。」
俺の[浄化]スキルで試してみる。
コピーが終わったようなので次に[聖魔法]のスキルをコピー
「どうだ?」
「きゃー!!すごいすごい!」
いきなり抱き着いてくる。ちょっと頭抱え込まないで頬っぺたに柔らかいものが当たってるんですけど
「ファム~!」
ドロシーの怒気をはらんだ声で我に返ってくれた。危ないところだった。いや気持ちはよかったけどね、男の子だもん
今のところ二つともスキルを保持できているようだ。
この世界ってもしかしてスキルスロット概念があるのかもしれない。保持できる数があるのならこの子ならかなり使い勝手よくできるかもね。
流石転生者、チートだな。




