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八百万の精霊召喚~異世界神から日本妖怪~  作者: 那園曽 氏規
本編

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27話

ベスト4第一試合。

ドロシーとファムが壇上に上がる

因みにまたドロシーのセコンドポジションである。ミュゼたちは重症の人の治療に当たっている。

マルスの試合位置ってミュゼにはタイミング悪いな。


ファムは試合壇上からこちらを見るとものすごい目つきで睨んでくる。

ドロシーじゃ怒らないのに何であれだけ怒るんだろう?


試合前に会話はいらないのか二人とも無言で構える。

違和感がある。ドロシーもおそらく感じているだろう違和感。


ファムの得物が変わっている。前試合まで片手剣とダガーの二刀流を使っていたはずなのに今は両手剣になっている。ただし構えがおかしい。いや正確には西洋剣でする構えではない。正眼に構えて佇む日本の剣道ではおなじみの構え。そしてその使い手はこの世界では俺以外には直接教えたドロシーだけ。

そう、二人が同じ構えで相対している。


「かなり奇妙だな」


思わずつぶやく。ドロシーにはかなりやりにくい相手かも知れない。

何せ教えたのが忍術派生の我流技。もしファムが転生者で剣道スキル持ちならかなり苦しい展開だろう。


そう思ったが始まるとお互いに警戒して打ち合いにならない。どちらも打ちはするが躱されるといったかんじである。なんというか鏡写し。本人どうしで戦っている印象だ。


2.3分は出方をうかがっていたようだがフェイントを織り交ぜると途端にドロシーが優勢になってきた。

あっという間に打ち込みソードをは叩き落すことに成功する。


試合終了と同時にファムがへたり込む。手を出し引き上げるドロシー共々拍手に包まれている。


肩を貸しながらこちらの出場口に帰ってくる二人。片手をあげドロシーとハイタッチ。

そのまま待っているとファムに不審な顔された。


「何?」


「ほら、君も」


「負けたのよ?」


「関係ないよ、いい試合だったと思う」


「ドロシーの引き立て役?」


「あほ!素直に受け取れよ」


不満気だが手を上げてくれた。パチンといい音でハイタッチ。


「痛いわね、手加減しなさい!」


「ビンタよりましだ」


「二人とも仲いいのね?」


ドロシーが不思議そうに見ている。そういや、家族以外の女子と話すなんてあんまりないな。


「今日初めてお話したんだけど・・・」


ファムが申し訳なさそうに言う。仲いいも何も俺からの認識としては数時間なんだけどね。


「まいいか、二人とも後でな」


そういうと複雑そうな顔でこちらを睨むのはドロシー。逆に妙にしおらしくなるのがファムであった


「そうね、二人でじっくり話し合いましょ」


と言いながらファムを引きずっていく。ドロシー決勝忘れるなよ?


************


壇上に上がると先にマルスが待っていた。

かなり自信があるんだろう。今回も盾を自信満々に構えている。


「そういえば聞きたいんだけど?」


「何だ?棄権でもしてくれるのか?」


「棄権ならここで話さないよ。その盾投げる技だけどさ、なんてアメリカ人」


「最強の剣士と言われている割には、わけのわからない質問で乱そうとは意外と狡いんだな」


「その返事で安心したからいいよ」


これ以上転生者はいらんからね。もっとも映画になったから知ってるだけでアメコミ読まないからなぁ。ライダーならわかるのに。


開始の合図が入る。マルスは構える。

だけどこちらは構えない。今日の武器はダガーのみ。ただしヒップホルスターにさしたまま。

こちらはただ合掌をして彼を見ているだけ。


「も一つだけ聞かせてもらえるかな?」


切り込んでくるがステップだけでかわしていく。数合の切り込みで一応攻撃が止まってくれたので質問させてもらう。


「なんで、最初の女の子にまでその盾をフィニッシュに使ったんだ?あれは威力がありすぎとわかってやったんだろ?」


「わけのわからないことを聞くな?試合とはいえ倒すか倒されるかそれ以外にあるのか?」


「やり過ぎだって言ってるんだけど?」


「完膚なきまでのほうが力量差がはっきりとわかるだろう?」


「じゃあお前も完膚無きに壊してもいいんだよね?」


「かわすしかないくせにできるのか?」


「当てられないほうが意味ないと思うけどね」


挑発に挑発で返す。なんかぶっ殺しかねない目つきになってきた。

剣を左手に逆持ちにし、盾を持ち替える。殺気が漂ってきた。いい感じだ。


少し口角が上がるのが自分で分かる。


数メートル距離をとってマルスは盾を投擲してくる。横向きに回転して向かってくる盾を後ろに倒れ回避する。盾が通り過ぎた後、その軌跡に向かって飛び蹴りするような形で起き上がりそのまま数歩でマルスの腹に一撃蹴りを入れる。そのまま倒れる前に後ろに回って回し蹴り。おそらく思考が追い付いていなかったのだろう。驚いた顔のまま()()()()()自分の盾に直撃してノックアウト。


理想通り完膚なきまでの決着だよ。よかったな。


************


『おそらく魔力による操作と攻撃力付与であると思います。いくら(あるじ)といえども直接受け止めるのは愚策かと』


夕べの訓練の後の八部衆との対策会議。アンバーによる試合の様子の(脳内)録画を見せた後、阿修羅王(白銀)はこういった。


『強化で受けるにしてもそのままでは危険と思われます。しかし直接に受けなくてもいいなら如何様にも手はあります』


『主との訓練は戦闘訓練に並行して魔力使用訓練にもなっておりましたから、おそらく学生レベルの遠隔操作魔力ならば干渉は可能と思います』


『干渉?』


白銀曰く、盾には魔力の糸を繋ぎ操作と威力の底上げを行っているらしい。

魔力込めのプログラム操作ではなくリモコン操作のイメージらしい。

それならばその糸を干渉で切り操作を乗っ取ることも可能というのが言い分


なるほどイメージ的には某白のモビル〇ーツの持つあのシステムだな。それならよくわかる。


『事実、主の魔力量に勝てるものはこの世界にはいないので制御技術さえ習得すれば操作系魔術では敵なしではないかと』


少しあきれられている気がするがしょうがない。白銀曰くはマルス相手くらいなら問題はないらしいのでそれだけに気負う必要はないと言われた。結局は体術でかわさなければいけないからね


と言ったら結局夜明けまで徹夜の訓練になってしまった。いらないこと言うんじゃなかった

マルスの技ですが実は27話書く直前まであの星条旗コスチュームの人のワザとは知りませんでした。w

因みに思いついた元ネタは超電磁技のアレです。


基本的にアベンジャーズとか映画の予告編しか見ない人なんですよ。(^^;

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