13話
帰って話すとやはりドロシーに羨ましがられました。
ぷんすか怒ってます。
「ドロシーはかわいいからそんな危ないところに連れていけません」
「そんなこと言って面白いこと独り占めする気でしょ?ずるい!」
こんな感じで延々水掛け論。
テンプレ回避という概念抜きに説明って難しいのよ
そもそも、あの待ち伏せだって一人でなきゃ回避できなかったしな。
それに、採集依頼とかは精霊使った方が楽なので一人で行きたいんだよね。
「連れて行くにしても、どうせミュゼに話してミュゼも行きたいってなるだろ?ますますそんな危ないことできるわけないだろ?」
「黙ってるもん!言わなきゃバレないし行きたいとも言わないわよ!」
「黙ってる何てできないだろ!」
「できるもん!!」
「あんたたち何騒いでるの?」
言い合いの中ヒルデ姉が来た。
「姉さま、ラウルだけ勝手に冒険者登録に行ったの。ずるいと思わない?」
あ、先手取られた。味方を増やすつもりだよ。
「くだらないこと言ってるわね。じゃあドロシーも勝手に登録に行けばいいじゃない」
「あ、そうか!」
「待った!冒険者ギルドなんてところにドロシー一人で行かせるなんてできるわけないだろ!」
「じゃあ、あんたが付いていきなさい。これで解決ね」
・・・・あれ?
ドロシーはあっかんべーしながらヒルデ姉といっしょに部屋を出て行った。
どうしてこうなった?
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さて翌日。学校帰りにギルドへと
流石に制服はだめだろうと思うので着替えも持って行っています。
昨日の服装にアンバーを肩に置くのがチャームポイント
ドロシーはアンダーアーマーに厚手のズボン、シャツといういで立ち。
貴族の学校の制服って女子は修道女みたいに超長スカートなのでとてもじゃないがギルドに行ける格好じゃないんだよね。もっとも男性用もきちっとしたブレザーなのでギルドなんかそれで言ったら一人七五三状態になるのでできません。
とりあえずカバンから取り出すふりしてソード(付喪神・剣)を一本護身用に渡しておく。
因みに流石にずっと一緒に居たので収納持ちなのはバレている。もっとも世間にバレるとえらいことになるので鞄を隠れ蓑にというアイデアをくれたのはドロシーだったりする。何気に頭の回る子であった。
ギルドに入って受付へ
昨日したところなので傍でついていてあげる。
適当に書くところを言い含めていたのでスキルはきちんとごまかしたみたいだ。
もっとも名前をフルネームで書きやがったけどね。隠す意味がないだろそれじゃ。
夕方だし、もう依頼を見る必要もないから帰ろうかと思ったとたんに
「お嬢ちゃん初心者だね。俺たちのパーティに入れてあげるよ」
間抜けな声がする。振り向くとドロシーが3人の男にナンパされていた。
やだ、やっぱりテンプレだ。内心ワクテカ半分、人の妹に何さらすの苛立ち半分
「仲間がいるので結構です!」
こっちに来ようとするドロシーの腕をつかんで引き戻す。
「人の妹に何するんだ?」
「なんだ?ガキはひっこでろ!」
ドロシーを掴んでいる男が怒鳴る。でもむかつくだけだな。
とおもってドロシーを掴む手の小指をひねりあげて妹を解放する。
こっちに逃げてきたのでアンバーを渡し、そのまま仲間のほうに向かって投げる。もう一人の仲間に向かってぶつかったまま二人とも気絶しているようだ。
「狡い手ばっかり使わないで文句あるなら直接来てくれませんか?先輩」
「おや?どういうことだい?」
ニヤニヤしながら返事する男。
アンバーがいるんだし身元はバレているんだよ。
オウギュスト・ローラン。うちを襲おうとした領主の息子。冒険者になったとか言ってたんだけどやっぱりこうやって顔を合わせるんだよねぇ。どうやってもこちらを目の敵にしているというか。自業自得に気づいていないというか。
「いや、先輩のご実家も領兵が少なくなって警備が大変とお聞きしましたし、こんなところで油売っていないでご実家のために領兵になればよろしいんじゃないですか?。少なくともここで学生をいじめているより建設的ですよ?」
「貴様!学生ごときが貴族を愚弄するのか?」
「貴族なら高貴なふるまいさえしていただければよろしいんじゃないですか?」
勝てるつもりのバカも困るなぁ。カードがどちらにあるのか気づいてないのかな。
「そういえば先輩って学年主席のヒルデ先輩に告白して興味もなく一蹴されたそうですね。で、悔しいからって悪い噂流して、闇討ちで暴行しようとして返り討ちで半殺しの目に遭ったって聞きましたよ。何でも左腕折られたんだそうですね。レイプ犯で返り討ちに会うなんて恥ずかしくて確かに学院にはいられませんねぇ」
ワザと大声で言ってみる。13歳ってまだ声変わり前なので結構高音でギルド内全部に届く音量で言ってあげました
「うわー女の敵ね」
ドロシーは受付嬢のところまで避難して冷静なアシストを返してくれる。
「うるさい!根も葉もないことを言っているんじゃない!」
「え、学院の公式記録に乗ってますよ?あなた自主退学した気になっているかも知れませんが。事件起こした強制退学処分になっていますけど、それすら目を逸らしてるんですか?」
「う、うるさい、だまれ!」
もうボキャブラリーが底をついたようだ。まあいいんだけど。引き際をわきまえなかった自分を恨むがいい。
「まあそんな過去の犯罪は今更どうでもいいんですよ。あんたが今うちの妹にしたことを謝罪すればこの場は修めましょうって言っているんですよ?」
結構頭に血が上ってるみたいだ。冷静に考えればドロシーにしたのは捕まえてひっぱっただけ。それさえ謝罪したらって言っているのに気づいていない。まあ森の闇討ち未遂もあるし明らかにヒルデ姉の身内ということで狙っているからなぁ。言外のことまで勝手に謝罪に組み込もうとするから身動きが取れないんだよ。
『ご主人、ワザとだにゃ』
まあね、基本許す範囲は越えてるからね。できれば目につかないところで自滅してほしかったんだけどねぇ
「貴様‼決闘だ。鍛錬決闘を申し込む!」
ん?鍛錬決闘ってなに?
受付嬢にふりむく。ドロシーも分からないと一緒に見つめている。初心者なので分からないと気づいてくれたのか説明してくれた。
「ギルドメンバー間の決闘は禁止されています。しかし問題調停のために鍛錬場で模擬戦として決闘を行い雌雄を決するということができます。便宜上それを鍛錬決闘と言います。」
「へー、でもそれじゃあ言いがかりの時はどうするんですか?受けるメリットないですよね?」
「実力にあまりに差がある場合。たとえばBランクがEランクに決闘を申し込むなど条件が明らかにおかしい場合はもちろん受理できません。しかしこの逆の場合は問題はなくEランクの代わりに代理人を立てることも可能となっています。」
「ラウルさんはF。オウギュストさんはEですのでランク的には問題はありませんね。あとは書面にお互いの条件を書いて受付します。銀貨一枚それぞれお預かりしましてお勝ちになられた方には返却するというシステムです。因みにあと一枚銀貨を出されますと結果順守の契約魔術をお付けできますよ。」
「殺人はなしですね?事故とかは?」
「故意なる過失は認められません。ジャッジはいませんが治癒魔術師もいますので過去に過失致死は起きたことはありませんね」
「なんとなくだが解りました。じゃあそちらの条件は?」
「お前たち二人にうちのパーティの下働きをしてもらう」
「あ、じゃあこっちの条件はあんたの両腕切断で」
「ラウルさんそれじゃ条件が見合いません」
受付嬢が素直にダメ出しをしてくる
「じゃあ片腕。」
「両手足に20キロの重り付けハンデがありますけど」
「国外追放とか」
「無理ですね」
「一生うちのパーティ親類縁者友人と関わらない」
「最初からそれしか条件的に無いでしょう?」
「いやあわよくばと思って」
「貴様!僕を馬鹿にしているのか?」
イライラしてきてる気が短いなぁ
「いえいえ、別に。で何時します?」
「明日だ。明日の夕方この時間なら問題ないだろう、首を洗ってまっていろ!」
怒りながら仲間を蹴り起こして出て行った。
「じゃあ帰りましょうか」
アンバーを抱いてあっけらかんというドロシー
「そだね。もうすることもないし」
帰ろうとすると
「面白いことやってるじゃねぇか」
襟首掴まれた。つかんでいるのはカーンズ
「こんばんわ教官。そろそろ日も暮れますので門限がありますから失礼いたします」
「そういうな、家には使いを出してやるし帰りは送っていってやる」
猫のように襟首でぶら下げられたまま奥へと連れられて行ってしまった。




