99話
まあアイスクリームはストックしておいてよかったです。
ファムの怒りは収まってくれたよう。もっともエッチな人という評価は覆ってないようですが
いいじゃん男子なんだし、とかいえばさらに火に油なので口にはしませんが
数をこなすために毎日日帰りで二、三の依頼をこなしていかねばなりません
今回は二種類の討伐任務。マッドハウンドとラミアの討伐であります。
「ハウンドはともかく、ラミアはこの間みたいに出て来てくれないもんかね 」
「あの時に討伐部位だけでも残しておけばよかったわね。」
因みにラミアの討伐部位は尻尾の先である。蛇の鱗が無くなり哺乳類の皮膚のような質感になっている部分があるのが特徴であり蛇とは一線を画す魔物というものであろう。
「今から行くのはどっち?」
「目的はマッドハウンドの討伐依頼の砦の方だ。湿地帯だから途中で馬車を降りなきゃいけないけどね」
湿地帯といっても窪地で沼が多い森の中という意味である。
温度的にはさほど寒くも暑くもないので行きやすいんだけどね。
「どうして沼にいるの?」
素朴な疑問をドロシーが口にする
「狂ったじゃなく泥のハウンドだからだよ」泥ゴーレムみたいなものかね」
「ふーん、するとあんな感じの犬なのね」
ドロシーが指をさす。並走する様に泥でできた犬のようなものがついて来ている
え?ザンザス?魔物が傍にいるのに気配を感じないのか?
『主、魔物の気配は感じないぞ?』
『ご主人、あれは幻覚映像にゃ』
「映像?そんな技術あるの?」
『遠隔映像なんてスキルでないとできるわけにゃいにゃ。ここから二キロ。あの山の上に人間がいるにゃ』
遠いわ、ライフルでもなきゃとどかないよ。
「誰でもいい、あのゴーレムに魔法打ってみて」
「ダークバレット!」
「ブラックカッター!」
「ショットガンブラスト!」
三人同時に闇魔法を撃つ。
・・・
うん、地面がえぐれました。
何で三人とも打つんだよ、しかも闇魔法ってえらく強力だな。
「本当に連携がないわねぇ」
ドロシーが苦笑いしている。
因みに地面をえぐったほとんどの原因はドロシーの放ったブラックカッターである。一人だけ面で撃つんだもん性格出てるな。
「でもマッドハウンドは消えたみたいですね」
冷静だな、ミュゼ。まあ助かるけど
「これで消えたままならいいんだけどね」
流石に地面をえぐった土煙で直線的に見えなくなっている。映像を目視できる位置に出せるスキルならこれで消えるのは当然だけどどうだろう?
土煙が晴れてくるとまたうっすらとハウンドが現れる。さっきまで一体だったのが今度は三体である。
「映像で間違いないわね」
映像という概念を持っているファムが言う。流石にこの世界で映像ってのは難しい概念だからね
「害がないなら放っておいてもいいんだけどね、でもこれが討伐依頼なら元凶をやっつけるしかないよねぇ」
「でも何のために何もできないハウンドなんて見せるの?」
ドロシーが素直な疑問を呈する。
ハウンドだけ見ると意味がないよね?
「誘導、ですか?」
ミュゼが答える。
「そうだろうね、どこかに行かせたくないのか、行かせたいのかはわからないけどね」
どうしようもないな、二キロ先って遠すぎるんだよね山の上だもんな。普通はね
すると見ているうちにハウンドは薄くなり消えていく
『ご主人様、無効化制圧完了ですわ』
念話が入ってくる。パーティで動く時は基本的に朝霧とダーキニーは斥候として動いて貰っている。
今回はダーキニーとサトリのコンビで出てもらっている。もちろんサトリは尋問役である。間違っても戦闘などできないのはわかりきっている
戦闘はすべてダーキニーであるが流石に空狐は上位精霊であるので一般人とかでは話にならない。
転生者なら苦労するかもとも言ってはおいたがどうやら今回は杞憂のようだ。
『ご主人様ぁ情報の吸出し完了ですぅ。どうやらこの山のふもとにマッドハウンドの繁殖場があるらしいですぅ。この男はそこに近づけたくないみたいでしたぁ』
そうか、山のふもとね。じゃあそこに行ってサクッと討伐依頼でも終わらせるか。ふもとに何人いるのかわかるか?
『一人女性だけのようですぅ。その女性に男を近づけたくないようですよぅ』
そうか、それならぜひ行ってみるか。美人は見るだけで楽しいからね
『ご主人様、それでしたら私を存分に見て頂ければよろしいのでは?』
いや、お前たちだど見るだけで済まんだろう。迫ってこないなら見るだけでもいいんだけどね。




