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無効
黒塗りの車が、連邦最高裁の裏口に停まっている。
新たな措置は合憲。
それは既定路線だった。
ホワイトハウスからの電話は二度。
「ご家族も、国家の一員です。」それが最後だった。
昇進はない。警備も十分とは言えない。家の窓ガラスが割れる音がする。私だけを襲うとは限らない。
それでも署名した。
反対意見。
自分の署名は少数に沈む。
回覧された多数意見書を閉じようとしたとき、違和感に気づく。
頁が差し替えられている。
結論。
ーー当該措置は、憲法に違反する。
自分の名の上に、すでに別の署名があった。
沈黙を守っていたあの判事たちの筆跡。
合憲はーー
「無効」となった。




