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荷紐

私は何を恐れて生きているのだろう?



テレビで有罪から無罪になった男が、叫んでいる。


会見で、その男の家族が、 「やっと」と、ハンカチで涙を拭う。


フラッシュがあちこちで焚かれる。


眩しい光が行く末に重なる。



リモコンで画面を黒くする。


その指は震えていた。


カーテンを閉め切った部屋で自分の呼吸音だけが広がる。


窓を開ける。


子どもの笑い声。


「また、はじまる」


明日、荷紐を用意しないと。


あの日の喉仏の感触だけが、消えない。

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